私はシャチだ。

私は立派なシャチだ。ヒヨコと暮らしている。このアカウントはフィクションである。なにしろシャチだからな!

原子力潜水艦シャチ!!

2016-07-06 23:17:45 | 日記
今日はひよこがSiriを家に忘れて会社へ行った。私とクマが、テレビを見ようとしたところ、Siriがテレビの前に置いてあったのだ!びっくりしてベッドの柱をみると、いつもひよこが持ち歩いているSiriのケースは無い。愚かなひよこはケースだけもって、中身を忘れて行ったのだ。呆れるな。

私はとても嬉しくなった。今日、一日Siriが使い放題だ!SiriはひよこのSiriなので、私は朝晩借りてツイートしている。今日はひよこが帰ってくるまで、いくらでもツイッターを見ていいのだ!

だめだよシャチ!ひよこのいないところでSiriを勝手に使っちゃダメ!とクマはうるさいがかまうものか。私はお昼過ぎまでたっぷりとツイッターを堪能した。素晴らしい。

午後一時を過ぎた頃だ。私がとても素晴らしいブログを発見して読んでいると、突然、Siriが鳴り出した!電話だ!電話がかかってきたのだ!

私とクマは、フリーズした。

Siriの竹を叩くような呼び出し音が静かな部屋に響いた。

クマが、シャチ!電話だよ!出なよ!と言った。いかん!と私は叫んだ。うきわのシャチである私が喋っているところを人に知られてはならないのだ。世界にひとつだけのシャチである事がバレると危険だ!

もしも、私が電話にでるとする。もしもし、わたしはシャチだ。お前は誰だ。と、私は言う。
相手はすぐに、わたしが稀有な才能をもつうきわのシャチであることに気がつく。声に威厳があるからな。

そして私を騙そうとする。シャチさんおめでとうございます!貴方に別府温泉地獄めぐりの旅が当たりました!とか言うのだ!なんだと!?当たったか。素晴らしい。と私は騙されてしまう。ベップ温泉は素晴らしいからな。大きいお風呂に入りながら噴水が見られるのだ。

チケットを渡すので、コンビニに来て下さい、と言われ、私が嬉しい気分でコンビニへ行くと、黒いロールスロイスが止まって中から燕尾服を着た人間たちが現れる。

お前たち!なぜ燕尾服を着ているのだ!!と私は言う。これは燕尾服ではありません、シャチさん、貴方のコスプレですよ。と人間たちは答える。もちろんだ。エレガントだからな。

そして、私はエレガントに捉えられ、クロロフォルムを嗅がされて気絶してしまう。薄れていく意識の中で人間が、素晴らしい、なんて素晴らしいんだ!シャチだ!と言っているのが聞こえる…ひよこよ…さらばだ。

気がつくと私はソ連の研究所に閉じ込められているのだ。ふはははは!と博士がわらっている。
お前は誰だ!
私はソ連の博士だ。
今からお前をイルカ爆弾にするのだ、敵の船にぶつかっていって爆発するやつだ!

私は、嫌だ!という。私はイルカ爆弾になんてならない!私はシャチだ!大きいのだ!イルカは小さいからな!!

そして博士は追加予算を申請し、私を世界最大級の原子力潜水艦にする。大きいのだ!魚雷も発射するやつだ。人工衛星さえも打ち上げる事ができる。素晴らしい。

だが戦争にはいかない。私は自由なシャチだからだ!裏切り者であり最大の脅威である私をソ連軍と米軍が追う!

そしていつもギリギリのところを勝利する私に業を煮やした博士が最後に悪どい手を使った。ひよこを人質に取ったのだ!

たすけてシャチ!とひよこが叫ぶ。たとえ私が原子力潜水艦になっていても、ひよこには私がわかる。

灯台に縛り付けられていたひよこのロープを、私はミサイルで正確に切り、灯台ギリギリのところをジャンプする。さあ、ひよこよ!飛び乗れ!
シャチ!
ざぶーん。

ひよこよ!すまぬ、私は追われる身だ。お前はクマと幸せに暮らすのだ。救い出したひよこに、身を切る思いでわたしは言う。
嫌よ!とひよこが叫ぶ。シャチが逃げるんなら私も一緒よ。
ひよこ!シャチ!!

カッコイイ!

シャチ、電話切れたね。とクマが言った。本当だ。切れてしまった。残念だ。

その後、私はまた電話が鳴り出すのを待っていたが、電話はもう鳴らなかった。無念だ。

夜になって、ひよこが帰ってきた。ストレスで胃が痛いという。ストレスには温泉だ。ベップの温泉に行け。潜水艦も入れるような大きなお風呂があるのだ!
多分な。


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