私はシャチだ。

私は立派なシャチだ。ヒヨコと暮らしている。このアカウントはフィクションである。なにしろシャチだからな!

残酷な過去、残酷なツイート

2016-06-22 23:28:14 | 日記
今朝ようやくひよこは私のTwitterを読んだらしい。なにやらひどく怒っていた。
私がひよこをバカめバカめ言っているのにも腹を立てているようだが、私が気にいっていた人間にブロックされた事が気に入らないらしい。

Twitterなんてやめちゃえ!と言っている。眩暈がするほど頑張って検索し、選び抜き、フォローした人間からブロックされて落ち込んでいるのでは割に合わないという。その後もひよこはTwitterの欠点を並べ続けた。

ひよこは、怒っている時は妙に論理的になるのだ。不思議だな。
だが、ひよこよ、人間が作ったものに完璧なものはないのだ。私以外には。

ひよこはピヨピヨ怒っていたが、やがて雨の中、傘もささずに会社へ行った。傘が無いのだ。最後一本を嵐の海で見失ったからだ。昨日ハワイしている暇があったら買いに行くべきだったのだ。愚かだ。

私はハッと気がついた。

そうだ、ヤツが私のアカウントをブロックしたのは、私がヤツの忌々しい過去を思い出させてしまったからなのだ!

ヤツは記憶喪失だったのだ。昔の事だ。ヤツは幸せな新郎だった。場所はハワイだ。ハワイの虹より美しい花嫁を連れ、ヤツはハワイで結婚式を挙げていた。ヤツは幸せだった。

式が終わりヤツと花嫁は笑いながらビーチを走っていた。その時だ。突然海から巨大な黒い影が現れた。シャチだ!シャチは滑るように波間から現れると、ヤツの美しい花嫁を食べてしまった。美しいだけではなく、美味しかったのだ。残念だ。

ヤツは花嫁を助けようと海に飛び込んだ。海中で人間と、シャチの凄絶な戦いが繰り広げられた。だが、シャチにはわかるのだ。人間の男はおいしくない。脂がのっていないからな。やがてヤツは通りすがりの海ガメに頭をぶつけて気絶してしまった。

目が覚めた時、ヤツは記憶喪失になっていた。周囲は凄絶な花嫁の死をヤツがが思い出さなくて済むようにそっとしておいた。
そうしてヤツは記憶を失いながらも、平和で幸せな日々を過ごしていた…私のツイートを見るまでは!!

昨日のことだ、私がハワイでくつろいでいる写真を見て、ヤツは全てを思い出してしまった。ヤツはスマートフォンの画面に向かって咆哮をあげた。そして私のアカウントをブロックすると、両手で顔を覆った。

これが残酷なその写真だ。
哀れだ…
だが私は、またベランダでハワイするだろう。とても気持ちが良かったからな。

まあいい。
食べたのは私ではないのだから。

もう寝る時間だ。ヒヨコは、肩こり体操をしながら、ツイートしている私を忌々しいそうに見ている。

ひよこの言う通り、Twitterを止めてブログをするのもいいかもしれん。検討する。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。