球場で広島カープを応援する人々を描いた漫画「球場ラヴァーズ」。
“私が野球に行く理由”というサブタイトルが付いています。
カープファン的にはマストバイだろうという事で早速購入して読みました。
作中、野球のプレーは基本的に描かれていません。
あくまでも球場にやってくるファンにスポットを当てた作品です。
舞台は関東で、この第1巻では、東京ドーム、横浜スタジアム、西武ドーム、神宮球場が描かれています。
これから物語が進むと、本拠地であるマツダスタジアムも登場するのでしょうか。
球場というのは同じチームを応援する人間が集まるので、元来居心地が良い場所である事は言うまでもありません。
殊に、この「球場ラヴァーズ」のように、本拠地ではなくアウェイで応援するファンにとっては、さらに特別なものになります。
私はかつて、関西、関東、東海と、カープファン的にアウェイの地ばかりを転々としていました。
それらの場所では、日常的に敵チームのファンしかいないという(野球に関しては)厳しい環境下に置かれていたため、同志が集まるスタジアムのビジター席はカープファンとしてのアイデンティティを再確認できるスペシャルな場所でした。
まあ元々、私が生まれ育った今治という町自体がカープファンのあまりいない土地なので、それなりに耐性はあったわけですが。
この「球場ラヴァーズ」、カープのファンでなくとも頷けるような内容だと思います。
ファンの複雑な思いだとか、応援するチームに力をもらったりという部分は、野球ファン共通のものだと思います。
正直、総合的に漫画としてのクオリティが高いとは思いません。
でも、野球ファンの魂をはっきりと感じる事ができます。
それはこの作品において最も重要な要素です。
野球ファンとして心が折れそうになった時に読めば、救われるんじゃないでしょうか。
22失点で大敗した時とかね・・・。orz
興味のない人には理解できないようですが、ファンがある特定のチームを応援するという事は、もう理屈ではないわけです。
どうして負けても負けても応援するのかとよく言われますが、この作品を読めば多少はわかってもらえるのではないかと。
また、この作品はチームを応援するファンのドラマなので、野球ファンだけではなく、サッカーファンの方が読んでも共感してもらえるんじゃないかと思います。
地元にスタジアムがあって、好きなチームの応援に行けるという環境は、何物にも代え難い幸せです。
野球でもサッカーでも、スタジアムでしか感じられないものがあります。
すぐ行ける場所にスタジアムがあるならば、足を運ばないなんてあまりにも勿体ない話です。
日本にもっとスタジアムラヴァーズが増えますように。