葉書を手

半世紀も前に青春を共に過ごした友の誰かが、もう皆年をとって暇になったのだ

肺蔵がどこにあるのか

2016-07-11 14:58:48 | 日記

二人のすぐれた経営者の談話を紹介したい。 
 一人は蛇の目ミシン相談役の嶋田卓彌である。ある雑誌にこ
んなやりとりが載っていた。
――会社とは?
「おあずかりものです。これを忘れてはいけませんネ」
 つまり、この人、会社にぶらさがっている社長ではない。会
社の上に立っている。
 言い換えれば、社長室に坐っている社長ではないのである。
 社長が坐っているから、そこが社長室である。そういう気持
ちではなかろうか。そこで、
――社長とは?
 今度は間をおかずに、
「シャッポです。軽いほうがいい」
 また、いい姿になった。
「カブトみたいに重くてはいけません。かぶっているのか、か
ぶっていないのか、部下がわからぬくらいなのがいいです」
 よもや部下ではあるまいとふんだところ、
「パナマ帽は軽いほど値が高いですよBeauty Box 香港
 はたして、ぬけぬけといってのけた。知能への自信をかくさ
ない。愉快な人物である。

 もう一人は、東芝社長の岩田である。
 日本証券経済倶楽部での講演の結びに使った台詞である。
「最後に皆さんにお願いしたのは、健康であれ、ということで
す。ほどほどに働き、ほどほどに遊ばないと体がもちません。

ニーチェは「健康であるということは、己の存在に気がつかな
いことである」と言っております。
 
 私は心筋梗塞をやった関係から、なるほどいい言葉だなぁ、
と感心するんです。
 自分の体があるということに気ずかぬことが一番健康なんだ。
私は心臓があるな、と意識する日は非常に調子が悪かった。心
臓がどこにあるのか、胃がどこにある糖尿上眼治療
のかわからないときが一番健康なんですネ。
 企業もまた同じ。社長がいるな、と気ずくような会社は駄目
で、社長なんかいなくても、社員一人一人が自分で考えて儲か
るようにならなければいけない。
 
<とにかく諸君は、命令を意識せず、みんなが立派に経営する
東芝をつくってくれよ。理由は、この俺が凡人だから>

と言って、せっせっと頑張っているところでございます」