以前、<思考機械(旧題・探偵小説のこと)>その115著者名の謎(2022/02/11)で、元文社の<GENBUNSHA FAMILIAR BOOKS>『トランプ奇術とゲーム遊び』の作者名の謎を取り上げたが、今回はその続き(解決篇)だ。
この前、中薗英助の本を捜している最中、積み上げている本の山の中から、ふと目に留まったのが、
同じ元文社の<現代実用百科>シリーズの『誰にでもできる トランプ手品』
だ。
カヴァ表に印字してある、その著者名を見てニヤリ。
そりゃあそうだろう。それが『トランプ奇術とゲーム遊び』の作者名と、そっくりだからだ。
でも<森正観>ではない。<森観正>なのだ。
まあ、これは出版社のミスだというのは、すぐ判る。本体の背や扉には<森正観>と印字してあるのだもの。
それはいいとして、ここからが問題。
ページを開いて、すぐの口絵(写真)を見たまえ。
あなたは、きっと愕然とするだろう。
『トランプ奇術とゲーム遊び』と『誰にでもできる トランプ手品』と、まったく同じ口絵ではないか!
そこで、再び『トランプ奇術とゲーム遊び』を(斜め読みだが)読み直す。
そして、ついに発見。
10ページから11ページまで(3 カード奇術の写真について)をお読みいただきたい。
(略)写真の実演はほとんど私です(略)
これで謎はみごと解決だ。
平岩白風著『トランプ奇術とゲーム遊び』口絵実演者①=平岩白風
森正観著『誰にでもできる トランプ手品』口絵実演者②=?
口絵実演者①=②/平岩白風=森正観
燈台下暗し。
「著者名の謎」の手がかりは、最初から提示されて(始めからわたくしの手もとに)あったとは。いやはや。
眠れない日日が終わり、今日から快眠だ。
お疲れさま。