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雨の国の王者

探偵小説好事家本人のためのノート

その71奇劇悲喜劇

2025-08-11 10:41:34 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 このようなわたくしでも、昭和五十年代までは、多少は、世間に自慢できるぐらいの、泡坂妻夫先生のファンであった。
 わたくしは、遅れてきた探偵小説専門誌『幻影城』の愛読者でもあったから、同誌のエースであった、泡坂妻夫先生が、同誌廃刊後に発表の、次回作品を待ちわびていたのであった。

 (追記)
 泡坂妻夫氏の訃報を聴いて、ここまでは、記していたのだろう。
 けれども、想いばかりが先行して、何も書けなくなったに違いない。
 冷静になった今でも、次に続くことばを捜すのは、むずかしい。
 わたくしは、いまでも、やっぱり、泡坂妻夫の探偵小説がいっとう好きだ。
 下書き保存投稿日<2009-02-05 20:38:40>
 2025.8.11
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その142「ハードボイルドだど・その15」

2025-08-03 11:58:43 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 有言実行。
 わたくしは、ふだんは、不言実行派だ。わたくしは、ひとたび口にして(言って)しまうと、もう言ってしまったことに満足した気になって、実行しない。いままで、それの繰り返し。
 けれども、約束は必ず守らなければならない。人として、それが、わたくしが考える、為すべき最低限の矜持なのだ。
 だから、買ってきたよ。『日本ハードボイルド全集第7巻』<傑作集>(東京創元推理文庫)。
 近くの小さな新刊書店に、嬉しいこと(?)に、わたくしに訴えかけるように、一冊だけ、買ってくださいとばかり、残っていた。

 けれども、まだ、巻末の解説(扉紹介)のみ通読。
 わたくしが睨んだとおり、本全集の成立は、なるほど<北上次郎>マターだったのだね。本書の後記に、<日下三蔵>というひとが書いている「≪日本ハードボイルド全集≫編集を終えて」を読んでみると、<北上次郎>の持ち込み企画だったようだ。
 気になる、そのラインナップは、

 ①生島治郎
 ②結城昌治
 ③河野典正
 ④高城高
 ⑤大藪春彦
 ⑥中田耕治
 ⑦仁木悦子
 ⑧山下諭一
 ⑨都筑道夫
 ⑩西村寿行
 ⑪矢作俊彦
 ⑫北方謙三
 ⑬船戸与一
 ⑭志水辰夫
 ⑮逢坂剛
 ⑯佐々木譲
 ⑰大沢在昌
 ⑱藤田宣永
 ⑲アンソロジー1
 ⑳アンソロジー2

 という構成らしい。
 なるほど。

 (追記)
 何が「なるほど」なのだろう。
 また、この幻の選集に関して云えば、⑥と⑧にリストアップ予定だった作品名をぜひとも知りたいものだ。
 下書き保存投稿日<2023-12-30 19:52:50>
 2025.8.3
 
 
 
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その86匂いの秘密

2025-08-03 10:02:39 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 毎日新聞

 (追記)
 現在となっては、何を記述したのかったか皆目不明。
 下書き保存投稿日<2014-02-03 14:06:25>
 2025.8.3
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その141書鬼その4(番外篇)

2025-06-22 10:25:05 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 高橋泰邦の著作の再読を試みているところ、氏が熱心に推し、翻訳もしている、フォレスターの作品を未読では恥ずかしいではないかと改心して、枕元近くにある本棚にある、わたくしがどこかの古書店で求めたに違いない、高橋泰邦訳『海軍士官候補生』筑摩書房(世界ロマン文庫04)を、繙く。頁のなかほどに、以前の持ち主が栞がわりに使用していたのであろう、郵便はがきが入っていた。

 奈良市法華寿町一,五七八
 空回幹候校第一中隊三区隊
 ✕✕✕✕ 様

 が宛名面。差出人は「丸善」との印刷。
 裏面は、

 領収書 昭和45年2月10日
 ¥3,320-
 上記金額{郵便振替}正に領収いたしました 丸善株式会社(押印)
 2 cop's.
   Hart,B.H.L.-Strategy
 現品は別便にてお送りいたします 扱者(押印)

 とある。
 この方は、ベイジル・リデル=ハート『戦略論』の原書を料金先払いで注文したのだろう。それぐらいは英語の苦手なわたくしでも判る。しかしながら、その冒頭の“2 cop's.”の意味が判らない。“2 copies.”だったら理解できるのだけれどねぇ。どういうことを表しているのだろうか。どなたかご教示いただければ幸いです。
 それよりも、これから国防に携わろうという人物が、『海軍士官候補生』を読んでいるなんて、現実と虚構が交差する瞬間を垣間見たような、なんだかある意味不思議な感じがしたのだった。

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その140They’re the nameless sailor men

2025-06-15 14:46:47 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 高橋泰邦著作リスト(フィクションのみ)※は、わたくし(ブログ管理人)が勝手に添えた註釈です。

『大暗礁』(光風社)1961※1
『衝突針路』(早川書房、日本ミステリ・シリーズ2)1961
『紀淡海峡の謎』(荒地出版社)1962
『賭けられた船』(講談社)1963
『黒潮の偽証』(東都書房)1963※2
『海の弔鐘』(文藝春秋新社)1965
『海底基地SOS』(毎日新聞社)1970
『偽りの晴れ間』(講談社)1970 「サンデー毎日」1968年5月5日号~1969年3月3日号
『軍艦泥棒』(月刊ペン社)1971 「月刊ペン」1968年11月号~1969年10月号
『サドン・デス』(祥伝社)1973
『南溟の砲煙』(光人社)1983 「丸」1981年10月号~1983年9月号
『南溟に吼える』(光人社)1986 「丸」1984年5月号~1986年5月号
『群狼の海』(光人社)2000 「丸」1998年1月号~1999年8月号(『死の波を越えて』改稿・改題)

※1 連作「マラッカ海峡」「誤差一分」「大暗礁」「殉職」(「別冊クイーンズマガジン」1960年Spring・1960年Winter・1960年Summer・1959年Fall)
※2 犯人名は東都ミステリーNo50で発表(伊藤桂一『海の葬礼』がそれに該当? 犯人が誰だったのかも記憶にない)

 作家としての<高橋泰邦>は【日本の海洋文学の開拓者】と呼ばれていることが多いみたいだけど、わたくしの感覚からすると、それは少しばかりずれている。わたくしは【日本で<海>と<船>と<船乗り>を描ききる第一人者】という位置づけをしている。誰にも何にも怯むことなく<海>と<船>と<船乗り>を描き続けたトップランナーとの認識だ。彼の意志は鋼のように頑丈で、まっすぐで、少しも揺るぎがない。それはどの著作物を読んでも理解できようが、簡単に知りたいのであれば、第一長篇の『衝突針路』の“あとがき”、および、それから四十年後の最終長篇『群狼の海』の“作者あとがき”を読めばすぐに判ることだ。この胆の据わり具合は尋常ではない。他の作家では、ちっとやそっとでは、見受けられないものだ。彼は、前述の『衝突針路』の“あとがき”で、「日本の海洋文学史に天才作家の出現」を待望しているが、彼こそが、その天才であったことをわたくしたちは理解すべきであろう。
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その139続・スパイ小説の行方

2025-05-08 20:54:29 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 昨日は失礼。中途半端でしたね。
 書庫を覘いて、ジョン・ビンガム『ダブル・スパイ』早川書房を見つけてきました。
 巻末には(H)氏が、

 「惜しくもCWA賞を逸したスパイ小説」
 「イギリスではたいへん高く評価されている作品である」

 と、本書を持ち上げている(そりゃあ売らなきゃならないから推すのは当然のことか)。

 これだけの世評高い作品が訳出されているにも関わらず、なぜ、永井淳氏は、バッサリと<ジョン・ビンガム>の項を切ってしまったのか、わたくしには不思議だったのね。
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その138スパイ小説の行方

2025-05-07 20:50:00 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 アンソニー・マスターズ『スパイだったスパイ小説家たち』新潮社(新潮選書)の訳者(永井淳氏)あとがきを読んで、おや?と疑問に感じる箇所がありました。

 (略)
 本書では全部で十三人の作家が取りあげられているが、うち五人は作品の邦訳がないかあってもごく一部にすぎず、わたくしたちには馴染みのない人ばかりなので、著者の諒解を得て割愛した。(略)以下その五人について簡単に横顔を紹介する。(略)

 上記がその、訳者あとがきからの引用ですが、割愛した五人のうちの一人が何を隠そう<ジョン・ビンガム>なのです。

 わたくしは<ジョン・ビンガム>がどれだけの数のスパイ小説を著したのか存じません。わたくしの知っている翻訳は、

 『第三の皮膚』創元推理文庫
 『ダブル・スパイ』ポケット・ミステリ

 の二作だけなのですが、ちょっと待ってください。
 『第三の皮膚』の訳者名を確認してみてください。
 なんと<中村能三>氏なのですよ。
 あなた、中村さんといえば、永井さんの師匠筋にあたるひとではありませんか。
 これはどういうことなのでしょう。
 仮にも師匠が訳した作品を、あえて無視したことにはなりませんか。
 中村さんと永井さんの間に何か起こっていたのでしょうか。
 わたくしの勘繰り過ぎでしょうか?
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その137続続これが愉しい・ぞくぞくするぞ篇(2025/4/29)

2025-04-29 20:32:49 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 陽気の祝日にも、朝からお仕事に勤しみます。もちろん、お風呂掃除等済ませたあとですよ。
 今日、グラシン紙に包んだのは、以下の16冊です。
 今回も、作者名および出版社とその叢書名を当ててみてください。
 お判りでしょうか?

1.『幽霊紳士』
2.『アマチャ・ズルチャ』
3.『太陽の簒奪者』
4.『ウロボロスの波動』
5.『カナシマ博士の月の庭園』
6.『暗黒星雲』
7.『星条旗に唾をかけろ』
8.『狂気準備集合罪』
9.『腿太郎伝説(人呼んで腿伝)』
10.『1964推理小説ベスト24』
11.『定吉七番の復活』
12.『ベートヴェンな憂鬱症』
13.『シャワールームの女』
14.『牧野夫妻の場合』
15.『カリフォルニア』
16.『未来警察殺人課』

1.単行本。ハードカヴァです。
2.作者は、アメリカ合衆国の社会福祉活動家ではありません。
3.~4.この二冊は、2.と同じ叢書です。作者については、わたくしは、まったく知りません。読んでもいません。
5.この作者原作の例の人気有名映画について、能天気な素人評論家が、人種差別など意図していないと唾を飛ばして批判していました。映画はそうかもしれませんが、原作者の日本人に対しての考えは、本作を読めば明らかです。
6.3.~本書までは、ジャンルとしては、SFです。
7.未読です。
8.5.~本書までは、翻訳書です。
9.2.と同作者です。
10.短編探偵小説の優秀作品を集めたアンソロジー。その1964年版です。 
11.わたくしは、2022年12月1日に読了しています。 
12.ノーコメント。
13.わたくしは、2008年5月1日に再読しています。 
14.スワッピング(!)の専門誌「月刊ホームダイヤモンド」に連載された小説ですって。びっくり。
15.おそらく読んでいません。一時期、新古書店ではよく見かけました。今もでしょうか?
16.贔屓の作家が新たなる挑戦を試みた作品集です。

 今回は、一部、SF翻訳書も含めていますので、国産探偵小説好きの方には、見た目は手ごわく感じるかもしれませんが、SFでも入門書みたいな作品ばかりですから、少し考えれば、案外簡単かもしれませんね。
 挑戦をお待ちします。
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その136続これが愉しい・解明篇(2025/4/27)

2025-04-27 13:09:29 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 「ロッテ歌のアルバム」の司会者の名調子の模倣にも飽きましたので、今日は、ふつうに行きますよ。

1.久里恵介『かっぱ女大学』圭文館(クラウンブック)
2.山手樹一郎『浪人若殿』東京文藝社(山手長篇シリーズ・TOKYO BOOKS)
3.都筑道夫『一匹狼』桃源社(桃源社・ポピュラー・ブックス)
4.南条範夫『見えない鎖』桃源社(桃源社・ポピュラー・ブックス)
5.松浦健郎『紋蝶四郎欲望帖』桃源社(桃源社・ポピュラー・ブックス)
6.大隈敏『春説日本誕生』双葉社(双葉新書)
7.椎名麟三『赤い孤獨者』河出書房(河出新書文藝篇)
8.船山馨『青春の奇蹟』河出書房(河出新書文藝篇)
9.中島河太郎編『恐怖推理』ベストセラーズ(ベストセラー・ノベルズ)
10.中島河太郎編『名探偵13人登場』ベストセラーズ(ベストセラー・ノベルズ)
11.宮本吉次『剣客秘話』久保書店
12.富田常雄『明治の風雪』双葉社(双葉新書 時代小説全集13)
13.戸川昌子『深い失速』旺文社(旺文社ノベルス)
14.石堂淑朗『思春期戦争』旺文社(旺文社ノベルス)
15.南条範夫監修『歴史ミステリィ』新風出版社
16.松本清張『地の指』角川書店(カドカワ ノベルズ)

1.この作者は、ええっと、あの人物でしょう? ご存じの方は恐れ入りますがご教示くださいませ。
2.ばんざい!
3.面白くない訳がありません。なぜって、都筑道夫ですもの。わたくしの、この作者贔屓を割り引いても、秀作と思います。
4.未読です。わたくしは、この作者については、現代を舞台にした作品より時代小説の方が好みです。
5.副題が「六本木ろまん」ですし、惹句が「新作エロクション長編」ですもの。どう考えても、やっぱり面白くないに決まっているでしょう?
6.「装丁◇扉カット」は、「かっぱっぱ ルンパッパ かっぱ黄桜 かっぱっぱ
ボンピリピン のんじゃった ちょっと いい気持」の<小島功>氏です。
7.未読でした。このたび読みはじめて、途中で止めていたのを思い出しました。
8.ハードボイルドという括りだけなら「明日も夜から」を読めば事足りるという御仁もいらっしゃいますが、作者の本領は長篇小説でしょうね。
9.取り上げられているなかでは、岩川隆「死化粧師」が珍しいでしょうか。
10.これについては、話を膨らませたいので、別項にて取り上げます。
11.装丁・カットは、出ました<須磨利之>氏です。本書は、発行昭和30年12月10日と奥付にありますから、雑誌「かっぱ」の創刊前後でしょうか。
12.読んで損はないと思います。
13.やっぱり(わたくしは)面白くないです。
14.わたくしは、2009年7月4日に本書を読了済のようですが、感想は<小佐野賢治>氏の有名な回答と同様です。
15.本書のなかでは、「汚名」の<柳田知怒夫>氏の名前を知りませんでした。直木三十五賞の候補にもなった有名な方なのですね。
16.これまた読んだのか読んでいないのか。さっぱり覚えていません。

 今回は、一部、かっぱ繋がりがありましたね。こういう愉しみがあるからこそ、わたくしは、書籍をひっくり返して遊ぶのがたまらく嬉しいのです。
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その135続これが愉しい・推理篇(2025/4/20)

2025-04-22 21:54:32 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 配偶者の机を借りて、今日も、頑張って、グラシン紙での書籍の包装をします。
 今回も、書名から著者名と出版社(叢書名)を当てる挑戦状です。わたくしからの挑戦を受けますか? 

1.『かっぱ女大学』
2.『浪人若殿』
3.『一匹狼』
4.『見えない鎖』
5.『紋蝶四郎欲望帖』
6.『春説日本誕生』
7.『赤い孤獨者』
8.『青春の奇蹟』
9. 『恐怖推理』
10.『名探偵13人登場』
11.『剣客秘話』
12.『明治の風雪』
13.『深い失速』
14.『思春期戦争』
15.『歴史ミステリィ』
16.『地の指』

 今回、難易度は、低くはないと感じています。ですから、不要かもしれませんが、ヒントを差し上げます。いやいや、そのような配慮は不要という方は、次を読み飛ばして、推理してみてください。

1.異版もしくは、異名義で読了済のはずです。わたくしのおぼろげな記憶から、作者は、あの人物だと思うのですが、違いましょうか?
2.春陽文庫版で読めますね。
3.改題して、角川文庫から出ていました。
4.徳間文庫からも出ているそうです。
5.面白くないに決まっている。もちろん未読。
6.艶笑譚でしょうか。これまた、未読です。
7.たぶんいわゆるストレートノヴェルで。未読のはずです。
8.ジュヴナイル。佳品です。
9.アンソロジーです。
10.これも、アンソロジーです。
11.私観ですが、エッチ系が多いイメージの出版社です。
12.背筋のしゃんとした時代小説です。
13.なぜ、苦手と判っている、この作者の作品をわたくしは読んでいたのでしょう。不思議です。
14.わたくしは、2009年7月4日に本書を読了済のようです。
15.アンソロジーです。編者は、上記4.の作者です。
16.大家です。これが判らなくては、探偵小説ファンとは名乗れませんね。
 
 以上、すべて新書判です。
 今回は、たぶんですが、手ごわいですよ。
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