松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆市民まちづくり集会(焼津市)

2015-03-15 | 1.研究活動

 第1回の市民まちづくり集会があった。とてもいい会議になった。

 市民まちづくり集会は、焼津市自治基本条例第17条に基づくもので、市民、行政、議会の3者が一堂に会して、情報を共有する会議である。何かを決定する会議ではなく、簡単に言うと、お互いを知る会議である。自治基本条例に基づくものとしては、全国で2例目である。

 市民まちづくり集会の企画運営は、焼津市の場合、自治基本条例推進委員会が行う。このメンバーの半分は、2年間にわたって、自治基本条例を考えてきた人たちなので、市民まちづくり集会の意義をよく分かっている。

 今回は、第1回ということで、自治基本条例の紹介をすることがメインテーマとなった。こうしたテーマでは、通常の場合、講演会があり、そのうえで2,3の質問があって終わりである。ただ、最近、私が出席する会では、講演会は軽くやって、そのうえでワールドカフェ方式で意見交換するやり方が普通になった。

 今回のやり方は、これをさらにバージョンアップしたものとなった。壇上には、市民4人が上がり、自分たちの活動について話をした。ここでよかったのは、市民の人たちが、自分たちの活動が、条例の何条にあたるかを関連づけて話をしたことである。

 自治基本条例は一見抽象的な条文のように見えるが、私たちの暮らしをよくする土台となる条例である(逆に言うと、そういう条例でなければつくる意味がない)。しかし、条例の条文だけを見ていると、市民にとっては、リアリティがない。本来は、この条例が、私たちの暮らしと密接につながっていることを示す方法として、今回の発表のように、自分たちの活動に絡めて話すやり方は、とてもいい方法である。

 発表のなかで、その後の、みんなの話題を独占したのは、カツオ節のトマル水産、大石さんの話である。条例には事業者の規定があるが、事業者としての努力と悩みを条文に即して話してくれた。話を聞きながら、経済活動=もうけ、公害=排除といった単純な構図では説明できない、もっと複雑な人の暮らしというものを感じることができる話だった。

 少し、話す時間があったので、自治基本条例推進委員会の役割として、次のような話をした。
 ①市民、行政、議会のお互いが知る機会をつくってほしい。市民同士が知り合う機会も同様である。私がいうところの9人で野球をやろうであるが、どうずれば、それができるのか考えてほしい。
 ②みんなの出番をつくってほしい。特に、これまでの自治体政策から外れている人たちの出番づくりに留意してほしい。
 ③市民の目に見える活動をやってほしい。少しずつでも動いていることが見えれば、自信もつくし、他の人たちからの信頼もえられていく。

 市民まちづくり集会については、成功体験を重ねてほしい。みんなが前を向いて議論できるテーマを選び、実践してほしい。成功体験を重ねていくなかで、身についてくるだろう。

 終了後、旧知のメンバーと楽しい宴席となった。次の機会にも来ることにしよう。

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