松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆ランドマークとしての政策(白岡市)

2019-11-22 | 励ます行政評価
 励ます行政評価の2回目である。

 今回は、ベビーベットの無料貸与事業と職員研修を取り上げた。いずれも活発な議論で面白かった。

 白岡でのやり方は、宿題方式である。委員全員、事前に意見を書いてくる。これはいいやり方だと思う。これならば、会議当日に、これはどういう意味なのかといった、間が抜けた質問をして時間を費やすことはない。委員6人が、自分の意見を述べ、活発な議論が行われていく。まじめな議論が行われれば、最終的な合意は、容易である。会としての意見を素直にまとまっていく。

 一般的に言って、委員会をこうしたやり方で行うのは、極めて少ないと思われる。多くは、事務局の説明、2,3の質問で終りとなる。しかし、委員会たるもの、熟議があってなんぼなので、一度、宿題方式を試してみたらどうだろう。私も、そのうち、こうした委員会のやり方を整理してみよう。

 さて、赤ちゃんが生まれた家庭に、ベビーベットを貸与する事業であるが、どのように評価するだろうか。埼玉県では、白岡市が10年前に始め、その後、いくつかの自治体が追随した。

 普通に考えれば、そもそも、これは税金でやる事業なのかという疑問がでてくる。ベビーベットは、本来、市民自身が、自分で用意するものだろう。もう少し進めば、要らなくなったベビーベッドを市民間で融通し合うシステムのほうが、自然だろう。また実際にも、4割の人が利用しているが、残りの6割からみたら不公平とも言えるシステムである。

 ただ、この事業が、政策的な事業で、まちのランドマーク的事業という位置づけならば、話は違ってくる。白岡市は、子どもを産み、育てやすいまちを目指すのだ、その具体化の一つとして、ベビーベットの無料貸出を行うという考え方である。ベビーベットは、ランドマーク的な事業なら、その充実という議論も出てくる。

 発展の方向は、ベビーベットだけに限らず、人によっては、ベビーバスがほしいという希望に答えられるように選択できる制度なども考えられる。

 政策マターなので、子育て支援課だけで考えるには荷が重くなるが、しかし、そこまで体系的に考えなければ、進むべき方向性が見えてこない。子育て支援課が問題提起しないと、先に進まないので、予算要求などにあげて、最終的には、市長のところで議論したらよいだろう。

 改めて分かったのは、10年前は、先を行っていた政策も、その後、追随する自治体の追い越されて、古臭くなるということである。事務手続きも、前年踏襲でやって来て、10年立つと時代にそぐわなくなる。今の時代、5年の見直し期間をつくるのが流行っているが、なるほど、それだけ時代の流れは速いということである。

 見直しの機会があっても、外の力がないと、なかなか踏み切れないのも人情なので、外部委員会の役割と実践が、必要になる。すると話は、振出しに戻って、機能する行政評価委員会とは何かという話に持ってくる。

 やはり、一度きちんと整理する必要があるということである。

 ちなみに、今回も傍聴者が10人くらいいた。議員さんが多いという。勉強にもなるだろうし、質問のネタにもなる。確かに、委員6人がいろいろな切り口で、問題提起する。ヒントは満載である。
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