会場はまたも同じく長野駅前の「コスモポリタン長野」である。長野駅で降りたらすぐ左側に隣接したホテルである。ここの4階が試験会場。講習会、1次試験と、長野はすでに慣れた土地になっていた。
朝早く起きるのは宿屋主人の習性である。祈願をこめて、長野の善光寺にお参りをすません。徒歩で20分の距離は朝の軽い運動にはちょうどいい距離でもある。
1次試験までは傾向と対策である程度、どんな出題かは読める。もちろんそれだけでは無理なのであるけれど、こんな感じだなはつかめる。
しかし2次試験はまるで空をつかむようなものである。
口頭試験、テースイテング、抜栓の実技試験。
口頭試験は試験官が口頭で読み上げる問題を回答するのである。英語のヒアリングに似てる。これは経験したものでしかわからないが、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ポルトガル、アメリカ~と勉強していくと、カタカナ読みでは理解しているものの、原語を読み慣れないと目で理解してるとこの口頭問題ではまさかの空白に陥ってしまう。
2次試験の会場は1次の時のむせ返るような人はいない。その中の3割くらいしか残っていない計算だ。ここからさらに合格するものは3割。200名の受験者とすれば20人くらいが合格といってもいいだろう。
選ばれたものだけが来るこの会場に、優越感に浸りながら、私は会場に入った。雑談をしていた新潟の連中もほとんど顔はなかった。
私の知った顔は彼女しかいない。私は彼女にお礼をいいに、近くに寄った。
「1次では助かりました、パスタの問題、見事に出ましたね」
「私もまさかと思いました。でもやったー!!って、嬉しくて」
(ここらは彼女のくだりは小説にします。実際はこれ以上の会話はなかったので)
「どちたからですか?」
「私は諏訪からです。前の日にホテルに泊まって」
「そうですか。私は新潟なんですよ。同じように近くのホテルで宿泊しました。ゲンをかついで同じホテルのしましたけど」
「わたしも同じなんですよ」
女性の年齢はわからない。20代後半?30代の頭なのだろうか?ソムリエの試験に時間をさくのは自営か、スチュワーデスか、会社から使命を受けたものでしかここにはこれないはずだ。
「お互い、すんなり合格できればいいですね」
「私は来年にかけます、1次が合格なら来年は1次は免除ですから」
しかし、この気の緩みが大敵だった。かりに1次が合格であっても、また講習会に来なければならないことはみんな知っていた。ソムリエの資格はとにかく金がものをいう。
「今日、うまく行ったら、飲みに行きませんか?」
「そうですね、うまくいったら考えときますね」
お互いそんな気分ではなかった。何を勉強したらいいのか、まるでわからないのだ。口頭試験さえパスできれば、後はヤマ勘だけ。抜栓など、現場でしかわからない。固いコルクにあたればさようなら。うまく、コルクを引き抜けばそれはバッチに一歩近づいたと思っても間違いはない。
同じ戦友の意識をしながらも、私はうまくいって、彼女と飲みにいけることしか頭にないのである。後でこの気楽さが幸いするのである。
「ではこれよりソムリエ資格試験2次を始めます。まずは口頭試験について説明いたします」
張り詰めた空気がさらに凝縮された。私は前列に、彼女はやや右後方の場所に座った。
朝早く起きるのは宿屋主人の習性である。祈願をこめて、長野の善光寺にお参りをすません。徒歩で20分の距離は朝の軽い運動にはちょうどいい距離でもある。
1次試験までは傾向と対策である程度、どんな出題かは読める。もちろんそれだけでは無理なのであるけれど、こんな感じだなはつかめる。
しかし2次試験はまるで空をつかむようなものである。
口頭試験、テースイテング、抜栓の実技試験。
口頭試験は試験官が口頭で読み上げる問題を回答するのである。英語のヒアリングに似てる。これは経験したものでしかわからないが、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ポルトガル、アメリカ~と勉強していくと、カタカナ読みでは理解しているものの、原語を読み慣れないと目で理解してるとこの口頭問題ではまさかの空白に陥ってしまう。
2次試験の会場は1次の時のむせ返るような人はいない。その中の3割くらいしか残っていない計算だ。ここからさらに合格するものは3割。200名の受験者とすれば20人くらいが合格といってもいいだろう。
選ばれたものだけが来るこの会場に、優越感に浸りながら、私は会場に入った。雑談をしていた新潟の連中もほとんど顔はなかった。
私の知った顔は彼女しかいない。私は彼女にお礼をいいに、近くに寄った。
「1次では助かりました、パスタの問題、見事に出ましたね」
「私もまさかと思いました。でもやったー!!って、嬉しくて」
(ここらは彼女のくだりは小説にします。実際はこれ以上の会話はなかったので)
「どちたからですか?」
「私は諏訪からです。前の日にホテルに泊まって」
「そうですか。私は新潟なんですよ。同じように近くのホテルで宿泊しました。ゲンをかついで同じホテルのしましたけど」
「わたしも同じなんですよ」
女性の年齢はわからない。20代後半?30代の頭なのだろうか?ソムリエの試験に時間をさくのは自営か、スチュワーデスか、会社から使命を受けたものでしかここにはこれないはずだ。
「お互い、すんなり合格できればいいですね」
「私は来年にかけます、1次が合格なら来年は1次は免除ですから」
しかし、この気の緩みが大敵だった。かりに1次が合格であっても、また講習会に来なければならないことはみんな知っていた。ソムリエの資格はとにかく金がものをいう。
「今日、うまく行ったら、飲みに行きませんか?」
「そうですね、うまくいったら考えときますね」
お互いそんな気分ではなかった。何を勉強したらいいのか、まるでわからないのだ。口頭試験さえパスできれば、後はヤマ勘だけ。抜栓など、現場でしかわからない。固いコルクにあたればさようなら。うまく、コルクを引き抜けばそれはバッチに一歩近づいたと思っても間違いはない。
同じ戦友の意識をしながらも、私はうまくいって、彼女と飲みにいけることしか頭にないのである。後でこの気楽さが幸いするのである。
「ではこれよりソムリエ資格試験2次を始めます。まずは口頭試験について説明いたします」
張り詰めた空気がさらに凝縮された。私は前列に、彼女はやや右後方の場所に座った。