ウオッカ引退を正式発表、角居調教師「ありがとう、お疲れさま」
3月7日18時36分配信 スポーツナビ
日本ダービー、ジャパンカップなどJRA・GI通算7勝を挙げた
名牝ウオッカ(牝6=角居厩舎)の現役引退が7日、正式に発表された。
同馬を管理する角居勝彦調教師が中山競馬場で会見を開き、経緯を説明。
これによると、
現地時間4日にドバイ・メイダン競馬場で行われた
GIIアル・マクトゥームチャレンジ ラウンド3で8着に敗れたあと、
右鼻孔から鼻出血を発症。
レース直後、厩舎へ戻る馬運車の中で出血していることが見つかったという。
「ほんのひとすじでした」という、ごく軽度の症状のため、
「(引退レースとして予定していた)ドバイワールドカップも使おうと思えば、
使えたかもしれません」と角居調教師。
だが、谷水雄三オーナーと協議の結果、
「これまで素晴らしい競馬をたくさんしてくれたし、
もう十分すぎるくらい勝ってくれた。
あんまりかわいそうな姿を見たくないし、見せたくない。
それに今後は繁殖という大事な仕事も待っている」
最後の目標レースとしていたドバイワールドカップには出走せず、
このまま現役引退することが決定された。
通算27戦10勝(海外4戦0勝含む)。
うちGI7勝は、64年ぶりの牝馬ダービー制覇、
ダイワスカーレットとの2センチ差激戦を制した天皇賞・秋、
同じく2センチ差で日本牝馬としては史上初の快挙となったジャパンカップなど、
どの勝利も劇的なシーンに彩られた。
「長い間、ウチの厩舎の看板娘でいてくれました。
長かったような短かったような、
楽しかったような辛かったような(笑)……。
でも、うれしいことも辛いこともウオッカがたくさん教えてくれて、
スタッフもウオッカを通じて育ってくれた。
色んな挑戦もしましたし、どのレースも印象深いですね。
どれか1つ、というのは決められません」
同じくGI7勝を挙げたディープインパクトのような連戦連勝の馬ではない。
しかし、レースで敗戦を重ねながらも、
ここ一番のビッグレースではドラマチックな復活と勝利を見せてくれた。
そんな不屈のヒロインにファンは熱狂し、
有馬記念では史上初となる3年連続トップ得票。
記録にも、そして記憶にも鮮明に残る、日本競馬史上を代表する歴史的名牝だ。
「ありがとう。お疲れさまでした」
最後の目標戦を前にした無念の引退に、
角居調教師は
「引っ掛かりがないわけじゃありませんが」と前置きしつつ、
「でも、まだまだやることがあるんだ、次の馬で頑張れと、
最後の最後にウオッカが課題を残して旅立ってくれたのかもしれません」
と前を向く。
そして競馬ファンに、こうメッセージを送った。
「もう1度、ファンのみなさんに強いウオッカを見せられたらという
強い思いがあり、ドバイを目指したわけですが……。
これからはいいお母さんになってくれると思いますし、
その子供たちもいっしょに応援してください」
今後ウオッカは日本に戻らず、しばらくアイルランドに滞在し繁殖生活に入る。
初年度の交配相手はシーザスターズ。
昨年、英国ダービーと英国2000ギニーの二冠を20年ぶりに達成し、
秋には世界一の芝レースと言われるフランスの凱旋門賞も制覇。
通算GI6勝を挙げ、09年度の欧州カルティエ賞年度代表馬に選ばれた
2000年代を代表する世界的名馬だ。
順調にいけば、欧州が誇る2000年代最強の名馬と
日本競馬界最高のヒロインの血を受け継ぐウオッカ2世は、
3年後にデビューする。
その時、海外GI制覇の悲願を子供たちに託した
ウオッカ物語第2章が幕を開けるだろう。
****************************
「ひとすじ」であったウオッカ嬢の鼻出血を見逃さずに
状態を重じてくれた陣営に感謝します。
ウオッカ嬢を応援するものとして
歴史的快挙の数々を大きな喜びとして体感できたこと、
そして、同じように周りの人から
「だって、牝馬でしょ??」などと軽く扱われたことを
今更ながら思い出します。
どうして自分はウオッカ嬢に魅かれたんだろうと
思い起こしてみると・・・・・
初のG1奪取となった阪神ジュベナイルフィリーズ
その前に撮影された立ち姿と顔を見て
「この仔は、やる気だ!!」と目に見えないパワーを
ウオッカ嬢から受け取ったから。
そして、日本ダービー
周りの人に「今日はどの仔の応援?」と聞かれ
「ウオッカ!!!」
と答えると 決まって
「ふーん・・・・ウオッカねぇ・・・・」
などと色もの扱いされた記憶も・・・・
競馬歴が浅かったせいも相まって、
日本ダービーの格付けもわからなかったし、
牝馬が弱いなどと思ったこともなかった。
「牝馬がダービーで勝つわけない」
そんな先入観を全く持たないまま応援できたし、
自分自身が感じたウオッカ嬢の見えない力を信じたから、
多くのウオッカファンのパワーで
道が開けたのかも。
個人的なことでいえば、理不尽な裏切りにあった時、
ウオッカ嬢はまるで私を元気づけるかのようにG1を連勝し、
「我が道を行け!!!迷うな!!」と発しているように見えました。
ウオッカ嬢のファンが100人集まれば、
100通りの物語があるでしょう。
ウオッカ嬢を応援することで拡がった馬仲間の方々。
今後もウオッカ嬢から繋がっていく「何か」に
ドキドキワクワクしながら
競馬を私なりに伝えていきたいと思います。
ウオッカ嬢にかける言葉は、
月並みですが感謝の言葉のみ。
勝っても、負けても、
そして引退しても、ウオッカ嬢は私の中での絶対牝馬。
何にも代え難い宝物です。
ウオッカ嬢、ありがとう。
まずは、体を癒して、ママになってね。
3月7日18時36分配信 スポーツナビ
日本ダービー、ジャパンカップなどJRA・GI通算7勝を挙げた
名牝ウオッカ(牝6=角居厩舎)の現役引退が7日、正式に発表された。
同馬を管理する角居勝彦調教師が中山競馬場で会見を開き、経緯を説明。
これによると、
現地時間4日にドバイ・メイダン競馬場で行われた
GIIアル・マクトゥームチャレンジ ラウンド3で8着に敗れたあと、
右鼻孔から鼻出血を発症。
レース直後、厩舎へ戻る馬運車の中で出血していることが見つかったという。
「ほんのひとすじでした」という、ごく軽度の症状のため、
「(引退レースとして予定していた)ドバイワールドカップも使おうと思えば、
使えたかもしれません」と角居調教師。
だが、谷水雄三オーナーと協議の結果、
「これまで素晴らしい競馬をたくさんしてくれたし、
もう十分すぎるくらい勝ってくれた。
あんまりかわいそうな姿を見たくないし、見せたくない。
それに今後は繁殖という大事な仕事も待っている」
最後の目標レースとしていたドバイワールドカップには出走せず、
このまま現役引退することが決定された。
通算27戦10勝(海外4戦0勝含む)。
うちGI7勝は、64年ぶりの牝馬ダービー制覇、
ダイワスカーレットとの2センチ差激戦を制した天皇賞・秋、
同じく2センチ差で日本牝馬としては史上初の快挙となったジャパンカップなど、
どの勝利も劇的なシーンに彩られた。
「長い間、ウチの厩舎の看板娘でいてくれました。
長かったような短かったような、
楽しかったような辛かったような(笑)……。
でも、うれしいことも辛いこともウオッカがたくさん教えてくれて、
スタッフもウオッカを通じて育ってくれた。
色んな挑戦もしましたし、どのレースも印象深いですね。
どれか1つ、というのは決められません」
同じくGI7勝を挙げたディープインパクトのような連戦連勝の馬ではない。
しかし、レースで敗戦を重ねながらも、
ここ一番のビッグレースではドラマチックな復活と勝利を見せてくれた。
そんな不屈のヒロインにファンは熱狂し、
有馬記念では史上初となる3年連続トップ得票。
記録にも、そして記憶にも鮮明に残る、日本競馬史上を代表する歴史的名牝だ。
「ありがとう。お疲れさまでした」
最後の目標戦を前にした無念の引退に、
角居調教師は
「引っ掛かりがないわけじゃありませんが」と前置きしつつ、
「でも、まだまだやることがあるんだ、次の馬で頑張れと、
最後の最後にウオッカが課題を残して旅立ってくれたのかもしれません」
と前を向く。
そして競馬ファンに、こうメッセージを送った。
「もう1度、ファンのみなさんに強いウオッカを見せられたらという
強い思いがあり、ドバイを目指したわけですが……。
これからはいいお母さんになってくれると思いますし、
その子供たちもいっしょに応援してください」
今後ウオッカは日本に戻らず、しばらくアイルランドに滞在し繁殖生活に入る。
初年度の交配相手はシーザスターズ。
昨年、英国ダービーと英国2000ギニーの二冠を20年ぶりに達成し、
秋には世界一の芝レースと言われるフランスの凱旋門賞も制覇。
通算GI6勝を挙げ、09年度の欧州カルティエ賞年度代表馬に選ばれた
2000年代を代表する世界的名馬だ。
順調にいけば、欧州が誇る2000年代最強の名馬と
日本競馬界最高のヒロインの血を受け継ぐウオッカ2世は、
3年後にデビューする。
その時、海外GI制覇の悲願を子供たちに託した
ウオッカ物語第2章が幕を開けるだろう。
****************************
「ひとすじ」であったウオッカ嬢の鼻出血を見逃さずに
状態を重じてくれた陣営に感謝します。
ウオッカ嬢を応援するものとして
歴史的快挙の数々を大きな喜びとして体感できたこと、
そして、同じように周りの人から
「だって、牝馬でしょ??」などと軽く扱われたことを
今更ながら思い出します。
どうして自分はウオッカ嬢に魅かれたんだろうと
思い起こしてみると・・・・・
初のG1奪取となった阪神ジュベナイルフィリーズ
その前に撮影された立ち姿と顔を見て
「この仔は、やる気だ!!」と目に見えないパワーを
ウオッカ嬢から受け取ったから。
そして、日本ダービー
周りの人に「今日はどの仔の応援?」と聞かれ
「ウオッカ!!!」
と答えると 決まって
「ふーん・・・・ウオッカねぇ・・・・」
などと色もの扱いされた記憶も・・・・
競馬歴が浅かったせいも相まって、
日本ダービーの格付けもわからなかったし、
牝馬が弱いなどと思ったこともなかった。
「牝馬がダービーで勝つわけない」
そんな先入観を全く持たないまま応援できたし、
自分自身が感じたウオッカ嬢の見えない力を信じたから、
多くのウオッカファンのパワーで
道が開けたのかも。
個人的なことでいえば、理不尽な裏切りにあった時、
ウオッカ嬢はまるで私を元気づけるかのようにG1を連勝し、
「我が道を行け!!!迷うな!!」と発しているように見えました。
ウオッカ嬢のファンが100人集まれば、
100通りの物語があるでしょう。
ウオッカ嬢を応援することで拡がった馬仲間の方々。
今後もウオッカ嬢から繋がっていく「何か」に
ドキドキワクワクしながら
競馬を私なりに伝えていきたいと思います。
ウオッカ嬢にかける言葉は、
月並みですが感謝の言葉のみ。
勝っても、負けても、
そして引退しても、ウオッカ嬢は私の中での絶対牝馬。
何にも代え難い宝物です。
ウオッカ嬢、ありがとう。
まずは、体を癒して、ママになってね。