2008年5月12日(月)
ロシアには犬猫用のパスポートがある。パスポートと言っても、私たち日本人が想像するパスポートとはちょっと違う。
日本ではパスポートといえば、海外旅行をするときに必要な公的書類のことを思い浮かべる。ロシアでは「身分証明書」という意味合いのほうが強い。ロシアはソ連時代から多民族国家として長い間存在してきた。ソ連人(現在のロシア人も)は、国内パスポートを持つことを義務付けられていて、そのパスポートは、普段から携帯することになっており、警官などの国家当局に提示を求められたときには、速やかに応じなければならなかった。
国内パスポートには、姓名、生年月日、ID番号、出身地、居住地などが記載されている。
ちなみに、ロシア人たちは、私たち日本人の思い浮かべる海外旅行をするためのパスポートも、別にもう一冊持っている。逆に私たち日本人は、普段日本国民であることを証明する書類を持っていない。便宜上、運転免許書や保険証などを身分証明書代わりに利用しているにすぎない。
さて、ここでは、日本人もそろそろIDカードなどの国民としての身分証明書を持っていても良いのではないか、などというつもりはなく、話題は、ペットのパスポートに関してである。
現在では、ロシアだけでなくEU圏内でもペット用のパスポートというものが発行されており、これはそもそもはEUから生まれたものである。ペットを連れてEU圏内を移動する際に、本当に旅行用のパスポートのように利用されている。正確には、パスポートではなく「CERTIFICATE=証明書(登録書)」であり、ロシアのネコ用パスポートには、ロシア語・英語・ドイツ語・フランス語で「INTERNATIONAL VETERINARY CERTIFICATE FOR CATS」と書かれている。各国の表記を見てみると、ロシア語だけ「PASSPORT」という単語を使っているのが分かる。他の国の言語では「CERTIFICATE」である。日本語に無理やり訳すと「ネコ用国際獣医証明書」とでもなるのだろうか。(あまり良い訳ではないな。。。)
この証明書には、ネコの種類、雌雄、生年月日、呼称、飼い主の情報、マイクロチップの番号、定期的なワクチン接種の情報などが記載されているという優れものだ。日本でも早く普及すれば良いと思うくらいの代物である。ふくちゃんは、ロシアに行っても、狂犬病のワクチン接種有効期間の2年以内には一時帰国させる予定なので、現地での接種は受けないつもりだが、3種混合ワクチンは打ってもらうことになるだろう。そして、このパスポート(証明書)を是非手に入れたいと思っている。
もしかすると、駐在期間が大幅に延長され、滞在期間が5年になるようなこともあるかもしれない。そうなったときに、日本でのワクチン接種が切れそうになるたびに、ふくちゃんを一時帰国させるために、移動のストレスをかけることは、可哀想だという考えに変わるかもしれない。
その場合には、ロシアで狂犬病ワクチンの追加接種を行い、そこで抗体価検査をすることになる。抗体価検査を受けるために必要なものの中にこのネコ用パスポートがある。在ロシア日本国大使館の発表では、ロシア政府機関の発行する公的書類またはそれに準ずるものとあるが、ロシアにはせっかくこのような立派なパスポートが存在するのであるから、滞在中にこれを取得しておいたほうが賢明というものだろう。というより、単に僕が記念に欲しい!
ついでながら、昨年2007年1月25日に日本の農林水産省が、ロシア国内で日本の定める基準で狂犬病の抗体価検査を行うことのできる指定機関を発表した。これはモスクワにある「全ロシア国立動物用医薬品・飼料品質・標準化センター」(略語=VGNKI)内にある「分子診断センター」(www.pcr-lab@elnet.msk.ru)というところ。
例えば、ロシアに赴任したあとに、現地でネコ等を新しく飼う事になった場合には、現地でマイクロチップを装着し、狂犬病のワクチンを2回以上接種し、抗体価検査を受けてから日本に連れてくることになる。これは、日本で抗体価検査を受け、海外に出た後、2年以内に帰国する場合とは異なり、更に手続きが複雑になる。国際規格のマイクロチップを装着することが出来る動物病院がロシアに一体いくつあるだろうか?首都モスクワには数件あるが、地方都市ではお手上げだろう。狂犬病のワクチン接種でさえ苦労することが予想される。
そして、日本の農林水産省が指定した検査機関は2008年5月現在、首都モスクワにしか存在しない。モスクワ周辺に居住していない人は、最寄の動物病院で採血してもらった後、それを10日以内に4度C以下の保存状況下において先の「分子診断センター」へ送付し、抗体価検査を受けなければならない。検査結果もいつ返送されてくるか分からない。そもそも無事にモスクワまで届くのか?4度C以下の保存状態でって、ロシアにはクール宅急便があったけか?
しかも、この抗体価検査は日本入国の180日以上前に行う必要がある。マイクロチップを装着し、2回のワクチン接種を行い、抗体価検査を受け、全ての書類が揃うまでに、さてさて何ヶ月かかるのだろう。おそらくは、遅くとも帰国の8ヶ月前くらいから本気でアクションを起こしたほうが良い。緊急帰国の場合には、まず一緒に連れて帰ることはできないということだ。あるいは、無理やり連れて帰って、日本の空港の動物検疫所で、最大180日間の係留検査に耐えさせる方法を選択するか。ちなみに検疫所での預かり料は、約@¥3000×180日(最大)=¥540,000かかる計算になる。だが、問題なのはその金額ではなく、牢獄のような場所で180日間も健康に暮らすことができるかどうかだ。
【参考までに】
VGNKI分子診断センターの営業時間
月~金曜日 10:00~18:00、土曜日10:00~16:00
採血料:100ルーブル
抗体価検査:検査受付から14労働日以内に結果を受領する場合は3900ルーブル、7労働日の場合7000ルーブル、3労働日の場合10000ルーブル。
(2008年5月現在 1ルーブルは約4.5円)
なお、ロシア事情やロシア語に精通していない外国人が単独でこの機関に出向き、一連の手続きを行うことはまず無理だろう。ロシアの専門旅行会社などに依頼し、現地通訳に同行してもらって行くことを強くお勧めする。
いずれにせよ、ここまで調べてきてよくわかったのは、要するに国外持出し(輸出)にしても、国内持込み(輸入)にしても、最も重要なことは「狂犬病などの重篤な感染症に感染しているキャリア犬猫を相互に他国に入れないようにすること」なのである。
いろいろと条件があるように見えるが、簡単に言ってしまえばその一点に集中されると言ってもいいだろう。ネコが腎不全でも、FIPでもFIVでも基本的に関係ないのである。なぜなら、それらの疾患や感染症は、人間に移るものではないからである。人間社会を中心に考えられているこの世の中では、人間に脅威を与えるもの、あるいは与える可能性のあるものは徹底的に排除されることになっているようである。
ロシアには犬猫用のパスポートがある。パスポートと言っても、私たち日本人が想像するパスポートとはちょっと違う。
日本ではパスポートといえば、海外旅行をするときに必要な公的書類のことを思い浮かべる。ロシアでは「身分証明書」という意味合いのほうが強い。ロシアはソ連時代から多民族国家として長い間存在してきた。ソ連人(現在のロシア人も)は、国内パスポートを持つことを義務付けられていて、そのパスポートは、普段から携帯することになっており、警官などの国家当局に提示を求められたときには、速やかに応じなければならなかった。
国内パスポートには、姓名、生年月日、ID番号、出身地、居住地などが記載されている。
ちなみに、ロシア人たちは、私たち日本人の思い浮かべる海外旅行をするためのパスポートも、別にもう一冊持っている。逆に私たち日本人は、普段日本国民であることを証明する書類を持っていない。便宜上、運転免許書や保険証などを身分証明書代わりに利用しているにすぎない。
さて、ここでは、日本人もそろそろIDカードなどの国民としての身分証明書を持っていても良いのではないか、などというつもりはなく、話題は、ペットのパスポートに関してである。
現在では、ロシアだけでなくEU圏内でもペット用のパスポートというものが発行されており、これはそもそもはEUから生まれたものである。ペットを連れてEU圏内を移動する際に、本当に旅行用のパスポートのように利用されている。正確には、パスポートではなく「CERTIFICATE=証明書(登録書)」であり、ロシアのネコ用パスポートには、ロシア語・英語・ドイツ語・フランス語で「INTERNATIONAL VETERINARY CERTIFICATE FOR CATS」と書かれている。各国の表記を見てみると、ロシア語だけ「PASSPORT」という単語を使っているのが分かる。他の国の言語では「CERTIFICATE」である。日本語に無理やり訳すと「ネコ用国際獣医証明書」とでもなるのだろうか。(あまり良い訳ではないな。。。)
この証明書には、ネコの種類、雌雄、生年月日、呼称、飼い主の情報、マイクロチップの番号、定期的なワクチン接種の情報などが記載されているという優れものだ。日本でも早く普及すれば良いと思うくらいの代物である。ふくちゃんは、ロシアに行っても、狂犬病のワクチン接種有効期間の2年以内には一時帰国させる予定なので、現地での接種は受けないつもりだが、3種混合ワクチンは打ってもらうことになるだろう。そして、このパスポート(証明書)を是非手に入れたいと思っている。
もしかすると、駐在期間が大幅に延長され、滞在期間が5年になるようなこともあるかもしれない。そうなったときに、日本でのワクチン接種が切れそうになるたびに、ふくちゃんを一時帰国させるために、移動のストレスをかけることは、可哀想だという考えに変わるかもしれない。
その場合には、ロシアで狂犬病ワクチンの追加接種を行い、そこで抗体価検査をすることになる。抗体価検査を受けるために必要なものの中にこのネコ用パスポートがある。在ロシア日本国大使館の発表では、ロシア政府機関の発行する公的書類またはそれに準ずるものとあるが、ロシアにはせっかくこのような立派なパスポートが存在するのであるから、滞在中にこれを取得しておいたほうが賢明というものだろう。というより、単に僕が記念に欲しい!
ついでながら、昨年2007年1月25日に日本の農林水産省が、ロシア国内で日本の定める基準で狂犬病の抗体価検査を行うことのできる指定機関を発表した。これはモスクワにある「全ロシア国立動物用医薬品・飼料品質・標準化センター」(略語=VGNKI)内にある「分子診断センター」(www.pcr-lab@elnet.msk.ru)というところ。
例えば、ロシアに赴任したあとに、現地でネコ等を新しく飼う事になった場合には、現地でマイクロチップを装着し、狂犬病のワクチンを2回以上接種し、抗体価検査を受けてから日本に連れてくることになる。これは、日本で抗体価検査を受け、海外に出た後、2年以内に帰国する場合とは異なり、更に手続きが複雑になる。国際規格のマイクロチップを装着することが出来る動物病院がロシアに一体いくつあるだろうか?首都モスクワには数件あるが、地方都市ではお手上げだろう。狂犬病のワクチン接種でさえ苦労することが予想される。
そして、日本の農林水産省が指定した検査機関は2008年5月現在、首都モスクワにしか存在しない。モスクワ周辺に居住していない人は、最寄の動物病院で採血してもらった後、それを10日以内に4度C以下の保存状況下において先の「分子診断センター」へ送付し、抗体価検査を受けなければならない。検査結果もいつ返送されてくるか分からない。そもそも無事にモスクワまで届くのか?4度C以下の保存状態でって、ロシアにはクール宅急便があったけか?
しかも、この抗体価検査は日本入国の180日以上前に行う必要がある。マイクロチップを装着し、2回のワクチン接種を行い、抗体価検査を受け、全ての書類が揃うまでに、さてさて何ヶ月かかるのだろう。おそらくは、遅くとも帰国の8ヶ月前くらいから本気でアクションを起こしたほうが良い。緊急帰国の場合には、まず一緒に連れて帰ることはできないということだ。あるいは、無理やり連れて帰って、日本の空港の動物検疫所で、最大180日間の係留検査に耐えさせる方法を選択するか。ちなみに検疫所での預かり料は、約@¥3000×180日(最大)=¥540,000かかる計算になる。だが、問題なのはその金額ではなく、牢獄のような場所で180日間も健康に暮らすことができるかどうかだ。
【参考までに】
VGNKI分子診断センターの営業時間
月~金曜日 10:00~18:00、土曜日10:00~16:00
採血料:100ルーブル
抗体価検査:検査受付から14労働日以内に結果を受領する場合は3900ルーブル、7労働日の場合7000ルーブル、3労働日の場合10000ルーブル。
(2008年5月現在 1ルーブルは約4.5円)
なお、ロシア事情やロシア語に精通していない外国人が単独でこの機関に出向き、一連の手続きを行うことはまず無理だろう。ロシアの専門旅行会社などに依頼し、現地通訳に同行してもらって行くことを強くお勧めする。
いずれにせよ、ここまで調べてきてよくわかったのは、要するに国外持出し(輸出)にしても、国内持込み(輸入)にしても、最も重要なことは「狂犬病などの重篤な感染症に感染しているキャリア犬猫を相互に他国に入れないようにすること」なのである。
いろいろと条件があるように見えるが、簡単に言ってしまえばその一点に集中されると言ってもいいだろう。ネコが腎不全でも、FIPでもFIVでも基本的に関係ないのである。なぜなら、それらの疾患や感染症は、人間に移るものではないからである。人間社会を中心に考えられているこの世の中では、人間に脅威を与えるもの、あるいは与える可能性のあるものは徹底的に排除されることになっているようである。
なんだか私でも手続き出来そうな気になってきます^^;
電車内でのふくちゃんの様子、なつかしく感じましたw実はルーすけも同じだったんです。
以前小さな事務所を開いていて、自宅から電車で30分ほどの距離だったのですが、職員の子達がどうしてもルーすけを見たいと言い出して一度事務所へ連れて行こうとしたことがあります。
ふくちゃんと全く一緒、肉球は汗ばんで、呼吸は増え口呼吸になり騒ぎまくるハァハァしているのに鳴くもんだから余計呼吸が苦しくなって10分もせずにぐったりと・・・
途中下車してそのままタクシーで自宅へ帰りました。
後日、心配で受診したのですが、極度の緊張と乗り物酔いという診断・・・
ふくちゃんも同じだとしたら、乗り物酔いはお薬で対処出来ますし、緊張は少しずつ慣れさせていけば本番でも何とかなる♪
その後のルーすけは、いざという時の為に乗り物に慣れさせなくては!と電車で一駅の距離にある美容室に通い始め・猫を連れて行ける喫茶店なんかにも通いました、数回で慣れてくれて自宅から新宿までははぁはぁすることも無く行ける様になりました。新宿から先には行っていないのですが、恐らくそのまま乗り続けても平気だったと思います。ヘタレのルーすけでも大丈夫だったんだものふくちゃんならばもっと早く慣れてくれるんじゃないかなっておもいますよ^^
またまた良い情報をありがとうございます!そうですか、ルー君も同じような状況だったのですね。
私は、てっきりふく子に限って起こっている良からぬ症状かと思ってしまいました。
しかも、訓練次第で症状が緩和される可能性があるのであれば、あまりストレスになり過ぎないところから少しずつ慣れてもらうことにします。
まずは駅1つ、そして2つ、3つと徐々にやってみることにします。余裕で実家まで行けるようになることが当面の目標です。
ネコ持ってウロウロしているサラリーマンがいたら、それは私ということになるかもしれませんね 笑