呆老冷水録-Don’t be silly Grand'pa

80すぎたら横と後ろだけ見て過ごそうか!

槙の生垣集落

2009年02月12日 | 遠近旅録-国内/近郊
三重県の志摩地方に槙の生垣で家々の敷地をキレイに囲ってある集落があると聞いたので恒例の鳥羽行きのついでに行ってみました。
場所は志摩、磯部町の国府(こう)と言う海辺のさと。
予め集落の中の道幅は狭いと分かっていたため小学校脇の空き地に車を停め、迷っていたらちょうど地元の方が通りかかったので、早速適当な撮影スポットを教えてもらいました。(後に道案内までも・・・ご親切に

今から400年ほど昔、防風/防潮の目的で集落全体の家々を槙の生垣で揃えたのだそうだが、日本にも昔はこういう知恵とセンスに溢れた居住環境デザインがあったんですね~!!歩いてみるとちょっとした迷路みたいな不思議な感じさえします。


この辺では昔から家族は独立しても同敷地の中で分家する(つまり別棟、別生計)のが普通だそうだが、垣内の面積は一区画300坪程もあり三世代くらい迄は独立しても悠に暮らせる広さです。
しかしご多分に漏れずこの辺りも過疎化していて人影はまばら・・・
廃屋や立派な生垣の維持もままならぬ家も見られたのは仕方ないことかも知れないが、その廃屋になっている一軒の敷地に勝手に入り込みそこで暫くあれこれ想像をめぐらしていると、こういうところで三世代が仲良く賑やかに暮らしていたであろう往時の幸せな光景が眼に浮かんで来るようでした。

考えてみればこれだけリッパな生垣の維持には「日曜植木屋」で出来る規模を遥かに超える人手と時間が掛かるし、さりとて今時プロに頼めば経済的負担も相当なもの・・・ここの住民の皆さんのLOHAS意識の高さに改めて感服しましたね~
さらに狭い道をウロついて居ると、そこで出会った水道工事のオジサンが、目の前のお寺(名前は失念)の住職を訪ねればきっと昔の話がモット聞かせて貰えますよと親切に薦めてくれたが、そこはアメ夫婦の悲しさ・・・今にも降り出しそうな雲行きだったので急いで写真だけ撮り、後ろ髪引かれる思いでクルマに戻ったのでした。
世界的大不況になってようやく先進各国とも行き過ぎた拝金主義や環境破壊などを本気で見直し始めた昨今だが、こうした歴史ある美しい緑の郷が果たしてこの国で何時まで存続出来るのかトテモ心配ですナァ~。  (2009年2月記)


(槙の木と言っても相当な古木ばかり・・・二階の屋根を越える大木も)




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槙垣は松阪の こちら にも・・・

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1 コメント

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Unknown (武山匡哉)
2009-02-18 19:11:13
良いですね~行ってみたくなりました!
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