フーコーのビオ・ポリティック

Michel Foucault)(1926.10.15~1984.6.25)

依存症の独り言---重信房子論

2010-07-17 23:37:35 | 日記
依存症の独り言


2010/07/17
重信房子 刑確定に思う
15日、あの日本赤軍の重信房子被告に懲役20年が確定した。
重信被告は現在64歳。
おそらく仮釈放はないだろうから、未決拘留期間を差し引いても、再び社会に復帰する時は80歳近くになる。
まあ、懲役20年は軽すぎる、日本赤軍のやってきたことを考えれば、そう考える方もおられるかもしれない。
が、私の知る限り、彼女は巷間言われるような最高指導者ではなかった。
というか、日本赤軍にはそういう立場の人間はいなかった。
重信は、広告塔というか、スポークスマンというか、そういう立場だったと思う。
だから、懲役20年は、そんなもんかな、とも思う。
刑期満了時の年齢を考えれば、実質、無期懲役に近いし、大腸癌を患っているから、そこまで生きられないかもしれない。

重信は、身柄を拘束された時、下の写真にあるように両親指を突き立てている。
まだまだ闘うぞ!というポーズにも見えるが、産経新聞のインタビューを読む限り、自分たちの思想や行動が現実離れしていたという自覚はあるようだ。
が、自覚するのが遅すぎたし、それによって自らの過去の行為が免責されるわけでもない。

両親指を突き立てる護送中の重信。


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重信の年齢を見て感じるのだが、このところ検挙される過激派の活動家は50代~60代が圧倒的に多い。
それは、1980年代以降、革命運動に身を投じる若者が激減した(皆無に近くなった)ということを示している。
つまり、過激な左翼学生運動は70年代で終わったのだ。
理由は時代が変わったからである。
車はもちろん、テレビもなければ洗濯機もない。
共同トイレに風呂なしの、4畳半の安アパートに住み、冷蔵庫がないから生ぬるいサントリーのホワイトをチビチビ呑む。
そんな貧乏暮らしでも、大学進学率は15%くらいだったから、エリート意識というか、一応、知識人の端くれという自覚はある。
全共闘運動の背景には、そんな、当時の学生が置かれた時代状況もあった。

でも、時代は急速に変化した。
80年代に入ると、60年代までは確かにあった「貧困」を社会から感じなくなった。
カラーテレビとクーラーと車が当たり前になり、世は隔週休2日制へと急速に流れていく。
もう、共産主義とか革命とかいう言葉が完全に死語になる時代が出現したのだ。
にもかかわらず、共産主義や暴力革命を信仰の域にまで高めていた一部の活動家たちは、そんな時代の変化に盲目だった。
要するに、彼らは、カルトに侵されたのも同然の状況にあるのである。
だから、21世紀になっても、60代になっても過激派であり続けることができるのだ。

ただ、過激派は、既に党派としての影響力は限りなく小さくなっている。
明大(生協)を拠点としていた革労協(社青同解放派)は、もう実質的に絶滅している。
革共同中核派も四分五裂の状態で、最大の拠点校だった法大からも締め出されている。
革共同革マル派も、その核であった早大から追放された。
つまり、過激派の3大党派は、絶滅への道を歩んでいるのである。

が、だからと言って安心はできない。
彼らに大きな思想的影響を受けた者たちが、社会のあちらこちらに浸透しているからである。
1番が教員、次がメディア、そして法曹(弁護士)である。
教員で言えば、北海道、広島、大分の各教組は完全に過激派の指導下に置かれている。
メディアも、NHK番組改変問題を見れば、NHKや朝日新聞に相当数の過激派シンパがもぐり込んでいるのが分かる。
主要な地方紙(北海道、河北新報、中日、西日本など)も同様である。
弁護士は、元中核派の大幹部である角田富夫氏の盟友であり、福島瑞穂氏の夫である海渡雄一氏が日本弁護士連合会(日弁連)の事務総長を務めていることで、その傾向がよく分かる。

9条擁護、歴史教科書、共謀罪反対、反戦平和などの市民運動には、100%過激派、もしくはその同調者が絡んでいる。
一般市民、普通の人という面をしながら。
また、重信は、1991年から日本国内で活動しており、2000年に逮捕されるわけだが、その間も、また逮捕後も彼女を支援する人たちがたくさんいるということを忘れてはならない。
そして、それらの人たちのほとんどが、民主党や社民党を支持している。
JR総連(革マル派)の組織内候補が、今回の参院選で民主党から立候補・当選したことは記憶に新しい。

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最後に日本赤軍について簡単に書いておこう。
日本赤軍の母体になったのは共産同赤軍派である。
赤軍派は、1969年11月の安保決戦時に、日本刀と爆弾で武装し、大型ダンプカー5台に分乗して首相官邸と警視庁に突入・占拠する計画だった。
が、直前の11月5日に、武闘訓練中の突撃要員のほぼ全員が警察に検挙されてしまう(大菩薩峠事件)。
結果、追い詰められた赤軍派残党は、海外に革命根拠地を求めることになる。
北朝鮮に根拠地を求め、よど号をハイジャックしたのが田宮グループであり、パレスチナに根拠地を求め、後に「日本赤軍」を名乗るようになったのが重信たちである。

それにしても、「日本刀と爆弾で武装し、大型ダンプカー5台に分乗して首相官邸と警視庁に突入・占拠する」、これで革命が起こると思う(爆)
今思えば、まるでマンガだが、当人たちは死を覚悟していたのだから素直には笑えない。
そう言えば、「最後に確認しよう。われわれは明日のジョーである」と田宮たちは声明文に書いた。
イスラエルのロッド空港乱射事件で唯一生き残った岡本公三は、裁判で「我々3人の戦士は、死んで、オリオン座の3つの星になる」と述べた。
「明日のジョーである」
「死んで、オリオン座の3つの星になる」
彼らが、いかに幼稚で劇画的な心象風景の中で生きていたかが実によく分かる言葉である。
かくいう私もそうだったが……(泣)
が、赤軍派は京大、同志社、大阪市大、桃山学院大、東大医学部などが拠点だった。
一般的に言えば「頭のよい若者」たちである。

私が、オウム真理教のサリン事件と赤軍派(日本赤軍)に同質性を感じるのはこの辺りである。
あさま山荘事件で死刑が確定している坂口弘(連合赤軍)も、当時の己とサリンの実行犯を重ね合わせるような反省文を書いていた記憶がある。
若者は未熟でありながら「真理」に弱い。
「真理」に洗脳されると、若さ故に暴走する。
私たちは、右も左も宗教も、「真理」や「正義」、あるいは「絶対」を叫ぶ勢力は警戒しなければならないと思う。
これが、「日本赤軍」から私が学んだ教訓である。

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コメント
気がつけた人と気がつけなかった人。犯罪に手を染められなかった人と犯罪に手を染めた人。己の正義を信じる事とそれに伴う事で犯罪を犯す事とは別問題である。正義であると判定されるのは恐らくはご神仏であり、人間が勝手に己の行いを正当化する部分が非常に難しくここが、特に企業や宗教というお金儲けの部分が出てくると肯定する範囲と境界が変わるのでしょうね。犯罪を平気で犯す人達は、と決め付けては失礼に当たると思いますが、オウムを思い出してもどこか家庭環境が、どうも親との繋がりが薄い、友人関係が希薄であるとか、なにか親の存在が薄い様な気がします。勿論両親がおられない方でも立派である方はおられますから、あくまで世間一般では、というくらいでしょうが。池田教でも親よりも子よりも、まず、先生が一番とやりますね。北朝鮮でも親兄弟より元主席であり将軍様が一番とか。子供が自分の親を尊敬出来なくてどうする。無論色々立場とかあると思いますが、どんな親でも子供ならどこかに尊敬や愛情があると思います。そして親が子供を愛さなくてどうしますか。カルトの問題は親子の愛情の間に割って入って、生命が当たり前に持っている愛情関係にひびを入れることにより、容易に犯罪に手を染める人間を作れるところだと思います。勝手な正義、勝利より、まず自分の親を尊敬し、子供を愛しなさいと。他人を尊敬し他人を、というか人を愛しなさいと。カルトを知れば知るほど、歪んだ愛情と教育にぞっとします。創価と関わって、落ちこぼれだった自分にいつまでも愛情を、何となく感じさせてくれる親兄弟に本当に感謝しています。

投稿: 大阪は今日も雨 | 2010/07/17 20:20

あの有名な「東京大学」を卒業し社会人になってから「新興宗教」に嵌り、金主様の為に懸命に働く人が居ますから、私の様な無能で、働く事に夢を懸けた高校出だけの「労働者」には理解しがたいことです。

東大や有名大学を出ると世間では有り得ない事でも「有り得る」これも昔?の東大出の内閣総理大臣が「自白」しましたから、どうにも「日本東京帝国大学」は別として「東京大学」は理解できない学校ですね。

最近の政治家は「真理」にも弱く「事実」も理解しようとしない人が多い様で心配の種は突きません。「有能」な大政治家が心配するなら兎も角、「無能」な「一国民」が政治家の心配をする。嫌で変な時代になったものです。

信重さんも結局は「幼稚」なのでしょうか?逮捕されて「指」を立てていた姿を思い出すと、彼女にとっては全人生は何だったのでしょう。懸命に命を懸けて牢獄で一生、隠れていてソゾロ出てきて、国会議員になる奴が居る。可哀想で哀れですね。

投稿: 猪 | 2010/07/17 20:47

あんたのブント仲間でしょ。
他人のふりするところ団塊の世代らしいわ。

投稿: | 2010/07/17 21:28

いつも拝読致しております。坂様が挙げられた以外に、僧侶や牧師、神父など宗教従事者にも左翼シンパ(=特アシンパ)が少なからずおります。エリートというよりは、問題意識の強さと現状・政府批判に、正義や真理追求が相俟って、左翼に取り込まれた従事者が大半かもしれませんが。
 機会あらば、坂様の経験や人脈から見た、宗教(従事者)と左翼の関連記事を掲載していただきたいです。
因みに、私は北海道石狩管内在住、30代男性、キリスト教徒(日本福音ルーテル教会)です。
多少、記事とズレて申し訳ありません。

投稿: アル中やもめ | 2010/07/17 21:38

私の両親は共産党支持(過激派とは違うのは管理人さんの言葉で判ります)でしたが、私の身辺親族はもっと温厚で、医者になった者もいます。私の頭は世間並みと思ってますが、亡き親にいつも反論したのは、では なぜ、共産主義が政権を革命で奪い取った中国や北朝鮮が貧しく、人民が虐げられている!! 親は反論できず、日本が悪かったで終わりました。私はいつも家族(女房、子供、<孫に言いたいがまだ若すぎる>)に言ってます。米国も嫌いだが、もしもの時は絶対に米国に逃げる(中国か米国の選択なら)
中国人は逃げるのは、アングロサクソン系国家のアメリカ、カナダ、オーストラリアが多いのもその証左ではありませんか!

投稿: 一都民(団塊世代の貧乏人) | 2010/07/17 21:55

参考になりました。
先生の仰る通りだと思いました。
私は大分市民ですが、
大分には、カルトな作法を使う人たちがいて、
裏で地域を監視・管理しているつもりのようです。
カルトな作法と言うのは、盗聴を含む諜報活動であり、
ほのめかし等の威圧や誇示を用いた縛り行為です。
その人たちは、私の体験から判断すると、創価学会であり、社民党員であり、自治労(地元の公職員)であり、警察であり、在日韓国・朝鮮人であり、自民党員であり、地元新聞社であり、地元テレビ局であり、NHK職員であり、NTT職員であり、
ホテル従業員であり、地元の大手事業主さん連中であります。このメール内容なども抜かりなく、周知されるのが毎度の事のようです。こんな事送信すると、常識的な人が読めば可哀相な人とか思われてしまう、しかし先生ならば有り得るかもしれないなぁ、ぐらいは思って頂けると思い、一応報告することにしました。大分にはカルトが存在して、個人に対して監視・管理、そして掌握に近い行為を行っています。その仲間に特亜の在日を含んでいることも問題だと思います。

投稿: ちゃわん | 2010/07/17 22:51

彼らの同族が民主党にもその支持団体にもいる訳ですね。
民主党は旧社会党出身者だらけです。