マンションの販売が好評なようです。 こうなると、日本人は他の人達も渡っているのだから、私達も渡らないとおかしいわよ、となる。 でも、こういう時こそいろんな業者が跋扈しやすいし、真面目な設計事務所も人手が足らなくなる。 そもそも、前項で述べたように、販売価格=土地代+建物代+関連会社の利益、で成り立っているのです。 この、建物代がいくらになるのか、冷静に分析してみて下さい。 そして、この考え方はミニ開発している建て売りについても同様だと思います。 若い奥様の懐具合を考え、売らんか商法でのミニ開発は、10年後子供達が大きくなったからといって売れると思いますか。 よーく、考えてみましょう。 日本人は、銀行までグルになって一緒の方向にダダーと動きますし、この間モラル優先ではなく、商売優先ですからね。 まず貴方は、不動産業者の提供する3次元図面や、写真に誤魔化されていないかと、ゆっくりと深呼吸して自問自答しましょう。 写真だとクラウンクラスに見えるが、あんたが言う建物代だとカローラよね、と気づかれた奥様、貴方は賢い。 営業マンに聞いてご覧なさい。 きっと、こう言うでしょう。 ですから、お得なのです、今が買い時ですよと。 そしたら、設計図を見せて貰いなさい。 そして、ここまでで賢くなった奥さんの灰色の脳細胞で必死に考えてご覧なさい。 建て売りの場合は、家や土地神話についての項を参考にして下さい。 マンションの場合は、スラブ厚(床のコンクリートの厚さ)、壁厚は150mmは有るか、隣との間で太鼓現象は起きないか、通気はどうなっているの、玄関の遮音性能は、と矢継ぎ早に質問なさい。 それらに、すぐに答えられないような業者だったら、貴方はまず、眉を化粧するのではなく、唾を付けて一歩引いてみましょう。 1階や、床部分で排水管が方向転換する部屋を勧められたら、トルネードを思い出して、排水管の叩き音は聞こえないわよねと。 わー、やばい、元営業マンの私に、あちこちから刺客が差し向けられたって、昔の仲間が知らせてくれた。 逃げよー。
どうです、髪黒々、ふさふさのご主人は前項を奥様が納得できるように説明してくれましたか? 出来ない? それで家を新築計画しているとしたら、奥様がしっかりしないとミスをしますよ。 私は素人判断で、家のグレードは自家用車の10倍としたランク分けを考えたら良いのではと思っています。 大きく見れば建設コストの何割かを粗利益とする訳ですから、建築関係も自動車関係も考え方は一緒になると思います。 すなわち、2500万円の建設費であれば、本来は坪単価も関係すると思いますが、250万円グレードの車、つまりマークⅡやティアナクラスですから、モダンリビングですよ。 では、1000万円の家ではカローラクラスで、贅沢云ってはいけないの、と考えるのは早とちりです。 車でも、安全性能、騒音性能など一生懸命努力しています。 建築は一生に一度程度ですから、まじめな業者が見積書に詳しく書いてくれてあったとしても、素人には分かりにくい。 ましてや、あわよくば儲けてやろうとヒューザ擬きの不動産会社が、内容のよく分からない仕様書、見積書でごまかす可能性もあるのですから要注意です。 ですから奥様が大見得切って、私は洗面化粧台などでボコボコと音がするのが大嫌いなの。 夜、リビングや寝室で排水音が聞こえたりすることはないでしょうね、しっかり通気は取ってくれているの、排水音はどの程度に抑えるような社内基準になっているの、30dBA(これをデービーエーと発音して下さい、黒々ご主人がインターネットか何かで、A特性のデシベル値だなどとしたり顔して云うでしょうが、無視無視)は切っているのでしょうね、と建設会社に言ってやる。 ヒューザー擬きの会社の営業マンでしたら、フニャフニャと意味不明なことを言ってその場をごまかそうとするでしょう。 そんな会社との契約はお止めなさい。 カローラでは、車同様何もかもは望めませんが、居住性に関しては30dBA程度の排水音としておかしいとは思いません。 是非頑張って下さい。 30dBAだと、2階で流した排水が微かに認識出来る程度のレベルです。 我が家のようにジャー、グルグル、ビッシャーンの失敗は私達、先達だけにしましょう。 25dBAならほとんど聞こえることはなく、クラウン以上のレベルと考えて良いでしょう。 ベンツレベルなら20dBA程度でないとおかしいと思いますよ、セレブな奥様。
寝室の扉をそーっと開け、妻を起こさないように音も立てずに抜き足、差し足で階段を下り、頻尿の気が出た惚け頭が1階のトイレに行くのに対し、妻はたまーにだが、起きるとドタドタと廊下を渡り、2階のトイレの扉をギー、バタン、中でジャーと何かの音に続いてバタン、ジャー、グルグル、ビッシャーンと排水音。 やがてギー、バッタン、ドタドタ、そして寝室の扉をビッシャーン、そしてドッテーン。 この間、私は布団の中に頭も潜り込ませ、耳を両手でふさいで、じっと耐えている。 自分で選定してしまった、かつての愛しのパートナーだから、誰にも文句を言えない。 しかしこれが仮に、私がマンション生活していて、上階に前述の様な大嫌いな同胞が住んでいて、彼が音の主だったとしたらどうだろうと想像する。 許せない、バット持って押し掛けてやる、となるのではないか。 どうして排水音がそんなに大きいのか、理論的に解明してみよう。 例えば6階のトイレで、貴方のお尻から出た弾丸は、水洗させると速度v=gtの早さで排水縦管を落下して行くのです。 私はこの時、この弾丸はエレベーターのように真っ直ぐ落ちていくのかと思っていましたが、そうではなく空気(これを通気と云うそうです。)が管の真ん中を上に向かって上昇し、弾丸はまるで野茂投手のトルネード投法で放たれた玉のように、管の内壁面を擦るように旋回しながら落下していくそうです。 ちなみに、北半球では台風のように時計回り方向で旋回するそうで、1階の縦から横に変わる配管の位置で、古田捕手のキャッチミットよろしくバーンと受け止めるというのですから、大変なものです。 ところが貴方の弾丸のように、固くて大きな場合真ん中を空気が逆流できず、pv(この場合のv=体積)=constantで、下の排水管が水などで満水の場合、vが限りなく小さくなるのですから、pすなわち圧力は最大限に上がって、キャッチミットにぶつかる時は、バババーンのバーンと貴方の弾丸は砕け散るのです。 ねー、すごいでしょう。 すなわち、排水管はすごーい音が出てもおかしくないのです。
私が後になって分かったことは、空調機の吸込み口にはゴミ取り用のフィルターが付いていて、このフィルターが目詰まりを起こすと、四角い箱の中はバキューム状態となって、ストローのようにドレン管から臭気を引っ張る可能性があるということです。 このことに着眼しないで、冬場のトラップの封水が切れた期間に長期間運転していたとすると、保温材などにも臭いがしみ込んで、私が体験したような臭気漂う豪邸というケースも起き得るように思います。 かつての住宅と違って、外部との密閉化がより進んだ今日、このような事例は他にもあるような気がします。 こんな原因なら、俺だったら最初から分かっていたよと仰るお宅、おー頭良いねー。 それなら、奥さーん、ご主人に空調機での臭いの犯人はフィルターだった訳だが、風呂場での同様の犯人は誰だ、と聞いてみて下さい。 普段、偉そうに何もしないご亭主に限って、すぐには答えられないでしょう。 私ら中高年以降、秋風が吹く度に、枯れ葉よー、と嘆き悲しみ、髪を洗った後どれだけ枯れ髪が散ったか、洗い場の排水口に集まった髪を一本一本数えた経験者にはすぐ答えが出せるが、60歳前後になっても髪が黒々、ふさふさしていて、わしゃー、まだ若いのだなどと超脳天気な、同胞として風上にもおけないような、かつ、その答えがすぐにも出せないご亭主なら、直ちに離縁状を突きつけてやりなさい。 今まで、大した苦労もせずに、風呂場の清掃もしたことのないようなご亭主だったなら、やっぱり金の切れ目が、ですよ。 私ら苦労人は、風呂場のトラップに溜まった髪の毛を取り除いた経験を重ねているので、トラップにうまく、こびりついた髪が、昔教わった毛細管現象でトラップの水を掻き出してしまう可能性のあることを知っていますもの。
台所や洗面化粧台の排水管の下に、ウニュニュと曲がったトラップ管はご存じですよね。 この封水がしっかり働いていれば、臭いが逆流することはないそうです。 ですから、松濤町の豪邸はこの封水がどこかで切れていたのが原因だ、とは当時の私の頭でも分かった。 しかし、当初から臭いの問題があったのであれば当然保証問題になって、すぐにも何らかで問題解決したでしょう。 その後に発生したとして、さらに設計事務所や施工会社を交えて調査しても原因究明できなかったとすると、この家の空調機のドレン配管は、雨水系の排水管に接続していたであろうと推定しています。 何故なら最初に一番怪しいと思うのは、空調機のドレン配管でしょうから。 しかし現場を調べて、このドレン管が雨水系統に接続されているのを確認できれば、ここから臭いが室内に上がってくると云う犯人説は、早々に取り除かれたと推定されます。 仮に雨水系統と汚水系統の接続箇所の封水が冬場、雨が降らなかったために切れていたとしても、その細い管を通じて臭いが上がってくるということを、理論的に説明することはでき得ないのです。 それが惚け頭になって、神さんのお力もお借りして解明が出来たのです。 まず、空調機を四角い箱と想定して下さい。 CHは送風機で、四角い箱の上から空調された空気をサプライダクトと云う風道を通して、各箇所に送り出しているのです。 送り出された空気は、リターンダクトもしくは廊下などを通して四角い箱の横に戻ってくるのです。 順調にCHが行われている時は、例え冬場はドレン配管に水が溜まっていなくても臭いが逆流することはあり得ません。 なぜなら、例えば10cm角の箱の上から2cmの筒で送り出され、箱の横に戻ってくるという空気の流れの原理に対し、その箱の下からストローのように細い管を通してトラップの切れた排水管から臭いが逆流するには、圧損計算からしてもやはりあり得ないのです。 この辺は、失礼ながら奥様には分かりにくい。 ちょっとー、この変な惚け爺さん、何かゴチャゴチャ言っているのよー、とご主人に聞いてみて下さい。 技術屋のご主人なら、もしかするとここで原因究明出来るかも知れません。 技術屋さんでなくても、奥様同様に私の言っていることがまったく意味不明のようで、俺もまったく分かんねー、と仰る様でしたら頭の切れ目も縁の切れ目ですよ。