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歯科の口唇周辺ヒアルロン酸注入は「違法」

2013-04-23 | 医科歯科ニュース

歯科医院の過密・過剰の状態が大都市部から地方都市、さらには都市周辺部へと広がりつつある。一方で歯科医院経営は、二極化すなわち成功している歯科医院とそうでない歯科医院の状態が明確になり、歯科医師なら誰でも社会的な成功を収めるという旧来のスタイルが通用しなくなった。さらに、国は財政状態の悪化から健康保険制度における国の負担を圧縮、削減し、歯科においては診療報酬のマイナス改定とレセプトの審査強化、高点数指導の導入・強化していることから、もはや保険診療だけでは医院の経営、運営は成り立たない。

とりわけ歯科医を苦しめているのが「高点数指導」で、保険請求で高点数を出す歯科医院を集団あるいは個別に指導・監査して、高点数を理由に不正、水増し請求の温床と決めつけ「疑わしきは罰する」姿勢を強めている(臨床現場では患者の便宜をはかる目的で複数の歯科治療を同時に行う結果、高点数請求となるケースもある)。こうした中、数年前から歯科診療の新たな治療範囲として、ヒアルロン酸注入によるしわやたるみ、張りを改善する診療術が投げかけられ、多くの歯科医がこぞってこの施術を学び、導入し始めていることは周知のとおりだ。そして歯科経営改善の打開策として「起死回生の治療スキル」は瞬く間に、広がる。
しかし、JHM本紙では先ごろ医師法に精通する弁護士を介して、厚労省の担当技官(歯科医)に、施術の核心ともいえる医科、歯科を巡る「治療範囲」について説明を求めたところ、歯科医が行う口唇周辺のヒアルロン酸治療は違法であるとの見解を得た。担当技官からは「認められるのは唇のみ」として、かねてから議論のあった口唇周辺はクロとなる。「唇」部位に対して美容目的での施術であっても、歯科医に許されている歯科医業の範囲であれば歯科医師としては禁止されない、としている。

ここでいう範囲は、平成8年「歯科口腔外科に関する検討会」で明文化された口腔外科の診療領域に限られることはいうまでもない。つまりほうれん線(鼻唇溝)など口唇周辺は口腔領域を超えるものと解釈された。ただ示されている口腔外科の診療領域が、口角から刺針し口腔内の内側からヒアルロン酸を注入しほうれい線の治療を行う行為を認められるか否か?は、見解の分かれるところ。JAASでは先述の弁護士からの正式な意見書を待って、会としての正式な見解を発表することになる。
(以下 本文はJHM109号に掲載中。JAAS会員には毎号お送りしています)


こちらからの転載記事です。

http://www.e-jhm.jp/modules/jhm/index.php?page=article&storyid=845