Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

映画「PとJK」「3月のライオン 前編」まとめ感想

2017-04-11 23:49:56 | 映画


先日の日曜日に、高松のシネコンに「PとJK」と「3月のライオン 前編」を観に行きました。
もともとは土曜日に見に行くつもりだったのですが、あいにく濃霧でフェリーが出ず、翌日に持ち越しとなりました。1日経てば霧が確実に晴れるという保証はなかったので心配でしたが、日曜日はそこそこの天気になったのでよかったです。翌週に延ばしたら、もう見られる時間の上映がないかもしれないし。

で、感想ですが、公開前からいろいろ批判されていた「PとJK」も、神木君が1人で番宣頑張ってた「3月のライオン 前編」も、どちらもよかったです。

「PとJK」のほうは、予告や番宣が“警察官と女子高生の秘密の結婚”の部分だけ取り上げていたので、恋愛ものである以外どういうストーリーなのか想像できなかったのですが、思った以上に内容が濃くて深いものがありました。全国の高校生に、この映画を見てHRで話し合ってほしいくらいです。昔から恋愛ものの漫画に興味がなくて、ほとんど読んだことがなかった上に、ひと昔前に過激な性描写の少女漫画が流行ったこともあって、「もしかしたらがっかりするかも」と勝手に身構えておりました。反省。同時に、ここ数年乱発されていた少女漫画原作の映画をスルーしていたことも、ちょっと後悔しています。もしかしたら傑作があったかもしれないのに…まあ、「恋空」は見なかったことを後悔してはいませんけど。ガッキー&三浦春馬の黒歴史…夕飯は唐揚げとそうめん…うっ頭が。。。

この映画は、公開前から“26歳の警察官が16歳の女子高生と結婚する”という設定がSNSで非難されて罵詈雑言を浴びていましたが、映画では主人公カップルが結婚する理由が主題としてちゃんと描かれていましたし、結婚しても清い関係でいたり、年齢差はあっても2人の関係は対等で、女子高生のカコが警察官のコウタのいいなりになったりはしてなくて、各方面にきっちりフォローが入った脚本でした。2人の出会いは、カコが年齢をごまかして参加した合コンでしたが、それは良くないことだと映画の中で提示されていたのはよかったです。細かいことを言えば、それなりにツッコミどころはありましたが、それらを差し引いても良い映画だったと思います。その良さが宣伝に盛り込まれてなかったのは残念ですが。

カコを演じる土屋太鳳ちゃんは、彼女以外にこの役を演じられる人はいないと思えるほど役にハマっていました。当て書きのところもあるかもしれませんが、出会ったばかりの男性に一目ぼれして、10歳の年の差をものともせずに結婚してしまう女子高生という突飛な役に説得力を持たせられるのは、彼女だけでしょう。難を言えば、不良たちに拉致されて、ガムテでぐるぐる巻きにされる場面で「太鳳ちゃんなら助けが来る前に不良どもを全員ぶちのめせるだろうに…」と嘆きたくなりましたが。映画の冒頭の、待ち合わせ場所に向かって疾走する姿がとても素敵だっただけに。また「るろうに剣心」みたいに、彼女の身体能力をフルに生かした映画に出てほしいなー。「トリガール!」にはちょっと期待してるけど、どうだろう?

コウタ役の亀梨和也は、警察官という堅い職業の役にはあってなさそうに思ってましたが、映画を見てコウタというキャラクターを知ったら、その違和感は消えました。女子高生のカコと比べたら大人なはずのコウタが、まだまだ未熟で悩んでいたり勘違いしたり、でもその分反省して改められる柔軟性もある、というのも好感が持てました。16歳から見れば26歳は大人に見えるかもしれないけど、まだまだコドモよねー、なんて思ったりもして。そんな私が26歳の頃はどうだったかというと…(遠い目)。

カコのクラスメートの大神(高杉真宙)は、最初は三角関係を描くためにいるのかなと思ったら、かなり重要な役だったので驚きました。対して同じくカコのクラスメートのミカド(玉城ティナ)と二郎(西畑大吾)は、素直ないい子なんだけど、ちょっと出番が少ないのがもったいなかったです。中盤のある場面で、カコとミカドと二郎が3人で大神の家を訪れる場面は、高校生の子供を持つ親目線で「なんてええ子たちなんや…」と泣きそうになりました。てか普通に中高生の親世代やん、私…。

中高生向けのラブコメ映画だと思って見てたのに、最終的には警察官のワークライフバランスにまで話が及んでいたのは意図的なのかなりゆきなのかわかりませんが、これはこれでアリだなーと感心しました。「警察官が市民の安全のために命を捧げるのは当然」だという考えは、どうかなーと思うので。警察官を自衛官に置き換えても同じことで。

長くなりましたが、このへんで「3月のライオン 前編」の感想に入ります。原作の漫画はちらっとしか読んだことがなかったので、原作と比較してどうこうとか思うこともなく新鮮な感覚で見ることができたのはいいのですが、登場人物が多くて名前が覚えきれなかったり将棋に詳しくないので主人公ら棋士たちが何の試合をしてるのかわからなかったりするのが見ていてちょっと大変でした。「シン・ゴジラ」みたいにテロップを多用してくれたらよかったのに。あと、途中で登場人物が心の声で会話しだした時は引いてしまいました。モノローグが会話みたいになってるのは漫画でよく見ますが、実写映画でやられると戸惑いますね。なんでそうしちゃったのかなぁ。

映画のストーリーは、17歳の少年プロ棋士・桐山零(神木隆之介)の成長物語で、零は強い棋士や強くない棋士と対局したり、義姉の香子とドロドロもといギスギスしたり、近所に住む川本3姉妹と仲良くなって癒されたりしながら成長していきます。しかし、残念ながらこの前編で一番面白くて印象に残ったのは、零が将棋を指す場面でも川本3姉妹との団欒でもなく、後藤(伊藤英明)や島田(佐々木蔵之介)や宗谷(加瀬亮)らA級棋士たちが火花を散らして対局する場面でした。なんていうか絵面がすごくて、カツ丼と豚骨ラーメンとうな重を一度に食べたみたいな気分になりました。あと高橋一生のヒゲ。高橋一生がヒゲ!染谷将太が特殊メイクするより、高橋一生のあごにヒゲがあるほうが私には衝撃でした。

同じ将棋がテーマの映画ということで、何度も「聖の青春」を思い出しながら見たのですが、当たり前ですが映画の世界の空気が全然違っていて、勝手ながら戸惑ってしまいました。あちらの主役が清盛ならこちらは義経ですから、当たり前ですが(関係ない)。染谷将太が演じる棋士・二階堂はあきらかに村山聖がモデルだろうから、余計に混乱しました。原作者の羽海野さん的には、二階堂というキャラクターは「もう1人の」「こうあってほしかった」村山聖なのでしょうか。

有村架純演じるダークヒロイン・香子のキャラが強烈すぎて、対極の聖母系ヒロイン・川本あかりの印象がかなり薄く、ぶっちゃけ見た後は「前編に出てきた川本姉妹とのエピソードは必要だったんかいな?」とまで思ってしまいました。ハチクロの時もそうだけど羽海野さんの漫画に出てくるキャラには、ちょっと実写化しづらい、漫画だからこそ存在できるところが多々あって、ハッタリのきく棋士と違って川本姉妹はそれが悪いほうに出ちゃったのかなーという気がします。あるいは、この監督が、日常パートを描くのを苦手とか。後編では川本姉妹の出番がもっと増えるみたいだけど、大丈夫かな?と心配です。

香子は、原作で読んだ時は「こりゃひでぇ」としか思わなかったのですが、映画で彼女と零の因縁を見たら、「こりゃひでぇ」と思う気持ちは変わらないけれど、それ以上に香子の父親の幸田柾近のほうが「もっとひでぇ」だったので、香子を悪く思えなくなりました。そのせいで、零とあかりがどうなるかよりも、零と香子がどうなるのかのほうが気になっちゃう、という。後編でちゃんと解決するのかな?それともうやむやに終わっちゃうのかな?

…でもまあ、私が一番気になってるのは島田の胃の具合と、高橋一生のヒゲがどうなるのかってことなんだけどね!4/22には後編が公開するから、早めに見に行かないとね!高橋一生のあごひげを拝めるのは、この映画だけ!…かもしれないからね!

映画の内容とは直接関係ないけど、神木隆之介と加瀬亮が(将棋で)対決するのを見て、「SPEC」を思い出しました。ここに戸田恵梨香がいないのが不思議なくらい。あと、伊藤英明と加瀬亮が対局する場面で、「後藤さん(伊藤英明の役名)、目つきがヤクザみたい」というセリフを聞いて、思わず「違う。ヤクザはそっちじゃない」と突っ込みたくなりましたが、あれは狙ってたんでしょうかねぇ。


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