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いつの日か妊娠、そして出産するその日まで… 

体外受精&顕微授精セミナー④

2006-03-17 11:52:39 | IVF&ICSI セミナー

3月15日(水)

今日は、体外受精や顕微授精によりおこる
『多胎』や生まれてきた子供の『先天異常』について書きたいと思います。

 体外受精では平均2~3個の胚を子宮に戻すので
必然的に自然妊娠よりも多胎妊娠の割合が高くなります。
最近では、多胎防止に力を入れている病院が多くなり
私の通っている病院もその一つで、
子宮に戻す胚の個数は1~2個としています

【多胎妊娠の問題点】
・早産率の増加(低出生体重児の増加)
・未熟児(心臓や肺などの器官が未熟なまま生まれてくる)
・妊娠中毒症のリスク増大
・一児胎児死亡
・臍帯相互巻絡 などなど…

多胎妊娠は出産のリスクが大きく、
母体や子供への影響が大きくなるので
受け入れてくれる病院が少ないのが現状のようです。
私の住んでいる県では大学病院をはじめ
3つの病院でしか多胎妊娠を受け入れていないそうです

生まれてきた子供の発育には自然妊娠でも体外受精でも個人差があり
多胎の場合でも単胎と同じような発育をする子供もいます。
けれど、多胎の場合は早産率や低体重で生まれてくる割合が高く
先天異常や罹患率も高いことから
体重や身長の発育、精神的発達が遅れることも少なくないそうです。
これは、多胎妊娠だから必ず未熟児などの問題があるという訳ではなく
多胎妊娠のリスクが高いという事です。

先天異常率は、自然妊娠で約3~5%だそうです。
私の通院している病院で治療を行い生まれた子供の先天異常率は約6%
ということで、体外受精の方がとても高いという事はありません
この先天異常は多胎妊娠に多くみられます。
上記にも触れたように、多胎妊娠により未熟児として生まれてくる為に
起こる事も少なくありません。

体外受精では多胎妊娠が多いため先天異常が多い傾向にありますが
体外受精の方法により先天異常が高くなるという訳ではないのです

体外受精を行う方には、精子数がとても少なかったり、運動率が低かったり
女性の年齢が高かったり…という事で夫婦のどちらかもしくは受精卵に
染色体異常があることが多いそうです。
そのような理由から体外受精(特に顕微授精)では染色体異常率が高い
と言われているようです。

つまり、卵子を体外に取り出して受精させたり(体外受精)
細いガラスの針によって精子を卵子に注入して授精させる(顕微授精)
という方法により、先天異常をもった子供が生まれるというわけではなく
多胎妊娠やご夫婦または受精卵の染色体異常のために
染色体異常率が高くなるということのようです。

多胎妊娠は入院する日数も長くなるし、
経済的にも負担が大きくなるってしまいますが
一度に2つの命を授かるなんて奇跡のように思います
不安も大きいだろうけど、生まれたら喜びは2倍になるような。
私の兄の友人は3つ子を出産したそうです。
聞いてはいないけど、たぶん不妊治療していたんじゃなかな。
双子は想像できても、3つ子の育児って想像できません
おっぱいだって二つしかないしw
きっと親とかに助けてもらわないと何をするにも大変そう。

体外受精や顕微授精の技術が確立された当初は
多胎妊娠が多かったようですが、今は徐々に減ってきているようです。
将来は今よりも技術が高まり、多胎妊娠はもっと少なくなる事でしょう。
そう考えると、医療の進歩って凄い
昔は子供が授からなかったら諦めるしかなかったと思います。
(昔は不妊症の人は少なかったようですが)

不妊治療を受けられる境遇に感謝しながら
今後もっと不妊症について理解される世の中になるよう祈ります

最後に、私の参加したセミナーの情報に目を通して頂いた皆様
本当に有難うございました。
つたない文章で、皆さんにご理解頂けたかどうか分かりませんが
同じように今後ステップアップを考えていらっしゃる方々に
少しでもお役立ていただければ幸いです
皆様にコウノトリさんが舞い降りますように。。。あいでした


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これはあくまでも私の通っている病院での情報です。
治療に使うお薬、スケジュール、データ、料金などは
もしかすると病院によって違うかもしれないのでご注意下さい
また私の理解が間違っていたり、
書き間違いがあるかもしれませんのでご了承下さい
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体外受精&顕微授精セミナー③

2006-03-12 14:13:54 | IVF&ICSI セミナー

3月12日(日)

今日は、体外受精で起こりうる『卵巣過剰刺激症候群』について
お話しようかと思います。

卵巣過剰刺激症候群
 ( OHSS : Ovarian Hyperstimulation Syndrome )

体外受精の際に多くの卵子を得るために排卵誘発剤を使います。
この排卵誘発剤により卵巣が腫れてしまったり、
腹水が溜まってしまうことがあるそうです

初期症状では、卵巣腫大と軽度の腹水により…
腹部の不快感・膨満感・緊満感・圧迫感、口渇、体重増加。

進行症状では、卵巣腫大、多量の腹水、胸水により…
悪心・嘔吐、下痢、腹部苦渋感、呼吸困難、心悸亢進、強度脱力感、
頭痛、乏尿、血液濃縮、血栓塞栓症。

【OHSS のリスクファクター】

・35歳以下
・痩せている
・多嚢胞性卵巣症候群
・卵胞数 > 35個
・血中E2値 > 4,000 pg/ml
・hCGによる黄体期管理
・妊娠周期

採卵後にはOHSSの症状を和らげるお薬を処方して下さるそうです。
もし胚移植時(移植数日前の診察時?)に、
このOHSSの症状が酷い場合は胚移植を中止することもあるそうです。
この場合、受精卵は凍結保存し、
OHSSの症状が改善されてから改めて胚移植を行うそうです。

OHSSというのは前から耳にしてはいましたが、本当に大変そうよね。
軽度で済めばよいですが、重度になると
私は体外受精を行う時にこれが一番の不安です。
普通は一度に1~2個しか排卵しないのに
薬で無理やり10個とかの卵子を育てるなんて
そりゃぁ卵巣への負担は大きなものでしょう。。。

でも、こういうリスクもあるという事は
必ずきちんと知っておかなければならないと私は思っています
他の誰でもない自分自身が受ける治療については
先生にお任せしっぱなしではなく、治療のメリット&デメリットを
きちんと把握した上で、望んだ方が安心出来るのと思うので。

我が家は私も旦那も卵子を体外に取り出し、
受精(顕微授精)させることに不安や抵抗はありません
私は昔の仕事柄、こういう事にちょっと知識がありますし、
旦那も医療関係者なので多少知識があるからだと思います。
でも、普通は体外に卵子を取り出して受精させるなんて
抵抗があって当たり前だと思います。
なので、今度は『多胎』や『先天異常』についてご紹介したいと思います。
もしかして皆さんが一番気になる事なのではないでしょうか?

なんだかじらしているいるようで嫌な感じなので
これだけは書いておきたいと思います↓

『体外受精や顕微授精をしたからといって
 生まれた子供に先天異常が高くなる訳ではない』
という事です


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これはあくまでも私の通っている病院での情報です。
治療に使うお薬、スケジュール、データ、料金などは
もしかすると病院によって違うかもしれないのでご注意下さい
また私の理解が間違っていたり、
書き間違いがあるかもしれませんのでご了承下さい
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体外受精&顕微授精セミナー②

2006-03-10 10:21:28 | IVF&ICSI セミナー

3月10日(金)

今日は、体外受精(顕微授精)の採卵~妊娠判定までの流れを
紹介したいと思います。

採卵前日
当日は麻酔をかけるので22時以降は奥様のみ絶飲食。

採卵日当日
夫婦で来院
 ↓
採卵:局所麻酔が主流。採卵後2~3時間の安静(状態による)。
 ↓
採精 
 ↓
結果説明:卵子と精子の状態などの説明、これからの事を相談。

採卵翌日
病院より電話で受精卵の数と卵の状態を教えてもらう。

胚移植当日
その日の卵の状態について説明があり、ホルモン測定のため採血あり。
移植後は30分ほどベッドで休む(休まなくてもOK)。
胚移植する個数は多胎妊娠を防ぐ為私の通っている病院では1~2個です。
個数は年齢、過去の治療暦や妊娠暦、胚の状態などによって決まるそうです。   

診察
採卵日より10日目。
ホルモン測定のため採血と超音波で卵巣の腫れや子宮内膜の厚さを診る。

妊娠判定日
採卵日より14日目。
ホルモン測定のため採血と超音波での診察。
血液中のhCGを測定し、妊娠判定を行う。
(100mlU/ml以上→正常妊娠、5mlU/ml未満→陰性)

採卵後の卵子と精子ですが…

卵子は3~6時間培養され、精子は検査・調整されたのち
一緒にして体外受精をするか、顕微授精をします(採卵当日)。
翌日(培養1日目)受精を確認する。

胚移植には3通りあるそうです。
・培養2~4日目の胚を移植する
・培養5~6日目の胚を移植する
・培養2~4日目の胚を移植した後、培養5~6日目の胚を移植する 
 (二段階胚移植という)

二段階胚移植は体外受精を何度しても妊娠に至らず、
卵子の質が悪い場合に限って行うそうです。
初めての場合は2~4日目の胚を移植しますが、
5~6日目の胚を移植した場合と妊娠率に差はないそう。
余った胚は液体窒素中で凍結となります!

採卵日当日は夫婦揃って…という事ですが、
旦那様がどうしても一緒に行けない時には
近隣に住んでいる場合は自宅で採精して持っていくことも可能だそうです。
遠方の場合は事前に凍結した精子を使って行うそうです。
けれど、凍結精子を使う場合は運動率が下がっているので
体外受精ではなく顕微授精に限るそうです!
(凍結精子を使うと体外受精での受精率は下がりますが
 顕微授精での受精率は下がらないそうです。)
ちなみに体外受精でも受精率は70%、顕微授精の受精率は80%です。

我が家は旦那の仕事が忙しく、
休みを取ることはもちろん、遅れていくことも出来ないので
自宅で採取するか、凍結しておいてもらうしかなさそう
仕事柄また、まだ下っ端だからしょうがないのですが、
もっともっと不妊症が理解される世の中になるといいのになぁ
そしたら、治療しやすい環境が整い
もっと治療出来る方が増えて子供も増えると思う。
きっと子供が欲しくても仕事が忙しくて
なかなか通院出来ない方も少なくないはず。
治療にもよりますが働きながら通院するのは大変だと思います。

こちらの病院では体外がダメだったら顕微…というのではなく
初めての体外受精であっても「一度に両方試しませんか?」
とお勧めするそう。
卵子が10個採れたら、5個ずつ体外と顕微にするということ。
それは経済的な負担を考えてだそうです
体外がダメだったら顕微へというとまた多くの費用が掛かります。
なので、受精率の高い顕微授精に半分まわした方が良いというお考え。
だから体外と顕微はセットといった感じですね~。
料金の説明があった時は、確かに経済的負担は大きいなと思いました
先生が両方を勧めるのも分かる。。。
料金は病院によって違うと思うので公開しませんが、
体外と顕微の料金差は5万円くらいでした。
また先日紹介した卵巣刺激法によっても料金はかわってきます。

今年の10月から出産一時金が30万円から35万円に上がります。
そして、いずれは無料にするという動きみたい。
それに対して特定不妊治療費助成金は、体外受精と顕微授精にだけで
年に10万円が限度の通算2年しか支給されません。
この差ってなんなんでしょう

無いよりはマシですが、出産一時金のアップ分の5万円だけでも
不妊治療にまわしてくれたらいいのにぃ。
出産費用は病院にもよると思いますが40~50万円くらいで済みますが
不妊治療はいつまで続くか分からないのです。
体外受精や顕微授精を何度かしたら100万円は超えてしまうでしょう
必ず授かるという保障はどこにもなく、皆さん頑張っています。
仕事の関係で治療出来ない方の他に
金銭的に厳しくて治療を諦める方もいらっしゃると思います。
もっと助成金を増やしてくれるか、保険適応にしてもらえたら…
きっと沢山の新しい命が産まれてきてくれることでしょう
子供を望んでいるのに治療出来ないなんてホントに辛いと思います。
治療出来るだけでも恵まれた環境なのだと思って頑張ろう

最後に…妊娠されている方で、
気分を害された方がいらっしゃったらごめんなさい

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これはあくまでも私の通っている病院での情報です。
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体外受精&顕微授精セミナー①

2006-03-08 14:26:27 | IVF&ICSI セミナー
3月8日(水)

今日は昨日、参加した『体外受精と顕微授精のセミナー』について
書きたいと思います!!

人数は20人弱くらいで、ほとんどの方がご夫婦で参加されてましたね。
セミナーはスライドを使って、体外受精(顕微授精)の流れを中心に
凍結の話、精子や卵子についてなど一通り説明されました。
全部を書く事は難しいのですが、
簡単に紹介出来ればいいかなぁと思います

まず卵巣刺激について…

体外受精を受ける際、多くの卵子を採取し受精させ、
質の良い受精卵を選択し移植することで妊娠率が高くなると
考えられているそうです。
その為に卵巣刺激を行う訳ですが、これには3つの方法があります。

・ロング法
・ショート法
・アンタゴニスト法

卵巣刺激法は年齢や卵巣の働き、排卵誘発剤の注射の反応性により
どれを行うか決められるようです。

ロング法とショート法は使うお薬や注射は同じで
ショート法の方が採卵や移植の日にちが早くなり、
それに伴って薬の服用や注射する日も早くなるものもあります。
アンタゴニスト法は、卵巣刺激中のLHサージを抑制し、
早期排卵を阻止する目的で使うお薬がロング法やショート法とは違い
これは他の病院ではあまり使われてないようです。

また、体外受精を行う周期の前の周期は卵巣の働きを補い月経を起こし、
規則的にする作用があるお薬を服用します。
(前周期は必ず避妊するそうです!)
この薬ので体外受精の周期の卵胞の大きさのばらつきが少なくなり
スケジュールをコントロール出来るそうです。

排卵誘発剤(hMG-FSH)の注射ですが、
遠方の場合は近くの他の病院で打ってもらうことも可能らしいのですが
ほとんどの方はご自分で打っているそうです
体外受精を行う周期の生理3日目から採卵数日前のhCG注射の前日まで
毎日打つので、確かに通うのが大変な方も多いかも。。。
前に私がお尻にhCGを打ってもらっている時に隣のベッドで
看護師さんに注射の仕方を教えてもらっているような方が
いらっしゃったのを思い出しました~。
カーテンをしていたので会話だけの判断ですが、たぶんそう。
自分で注射を打つって結構怖いかも
注射は全然平気なのですが、自分で打つなんて出来るかなぁ?

今日は短くてすいませんが、この辺まで。
続きはまた近々書きたいと思います。

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これはあくまでも私の通っている病院での情報です。
治療に使うお薬、スケジュールなどは
もしかすると病院によって違うかもしれないのでご注意下さい
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