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ミーターの大冒険 第八部 地球 第8話 充満

2023-01-22 17:29:52 | 地球
180第8話充満
ミーターの大冒険
第八部
地球
第8話

充満

あらすじ

 ファウンデーション暦492年(西暦25059年)末、いよいよミーターとイルミナを載せたファー・スター2世号はアルファ星から出発して太陽系に入った。

 人類の故郷の星系。懐かしい星、地球。
 
 かつて、カビレ星系と言われていた太陽系。かつてアタカナと言われていた地球。

 R・ミーター・マロウの主人アルカディアの志しを携えて、アルカディアや同士ジスカルド・ハニスらのなし得なかった志しの実現の領域に確実に入ろうとしていた。

 はたして地球の放射能汚染を除去することができるのか?

 そしていよいよ太陽系外縁部のオールトの雲を抜けて待望した太陽系に突入して行く。
 
 鋭さを増したミーターの推理力は予測通りに土星に遭遇させ、地球のかたわれともいわれる月に不死の従僕の気配を感じさせる。

 そしてついに不死の従僕が太陽系第3惑星地球の大きな衛星、その名も月(Luna )にいることを確信する。

 新たな天体物理学者のミーターは、不死の従僕が月にいる理由を全て「宇宙潮流」理論で纏めあげる。

 そしてミーターは人類と「宇宙潮流」との関わりについて惑星環境の土壌「墾化」現象に言及する。

 ところが、ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は月の軌道目掛けて一直線のコースをとろうとしたところ、手前の火星地表で有機体とロボット(通常のロボットの反応とは違う)の存在をキャッチした。

 ミーターの直感は火星に着陸する選択をする。

 直感は当たった。
 ダニール・オリヴォーがいたのであった。あのアルカディアの念願であった、アルカディアに成り代わってミーター・マロウが不死の従僕に会えたのであった。

 ダニールに誘導されたミーターは、ダニールの月基地に、水の大貯蔵タンクを見せられる。

 ミーターはほぼ単独でオーストラリアのウェルスクリークに降り立つ。ほかにダニールの助手ペイリー・リャンとR・オーロラ・ルナセントが同行したが、彼らの地上での行動は、ミーターを除いて、2時間と制限されていた。

 イルミナのリードによって北上したアース・オービターは、無事にニフのフニ山頂上に着いた。

 案の定、双子座流星群は降ってきた。この年は例年とは違い、幸運にも何ヵ月も継続した。

 流星群は成層圏に拡散している特殊水蒸気の雲に注ぎ、水蒸気を雨化させ、地上に雨を降らせ始めた。

 ミーターは、北アメリカ大陸の頂き、南アメリカの頂きを踏破し、残るはアフリカ大陸、ユーラシア大陸のみとなった。

 その間にイルミナは、アルファのモノリーさんのお土産である粉末の分析が完了していた。

 その粉末の正体は、種だった。雨が降れば、地球の緑化が再生する。

 イルミナは、忘れていたニュースをミーターに報せる。歓喜のニュースだった。

 ミーターがその作業の最終段階でかつてオーストラリア大陸と呼ばれていた地域のタウンゼント山頂で早朝シルクベットから起き上がった時だった。しっかりとして威厳のある響きが頭上からあった。

180

ダニール ミーター君、よくやってくれた。大気中の放射能濃度が40パーセント減少した。君の地球での使命はほぼ達成できた。このように放射能防御服で、我らのロボットでも地上作業が可能な程度に放射能濃度が下がってる。
 このまま雨が降り続けば、もっと下がってくるはずだ。
 残りの作業は、月グループのチクタク作業ロボットたちが引き継ぐ。彼らが砂漠の緑化、マングローブ、珊瑚礁の再生、動物たちの転入、アグロフォレストリーの繁茂、など後の課題を引き継ぐ。

ミーター そうなんですね!よかった。私は、取りあえず、当初の目標をクリアしたんですね!

 不死様、ところでそのことをわざわざ私に伝えるために、こんなところに来られたのですか?他の要件がおありではないのでですか?

ダニール さすが、ミーター君。あのアルカディアの遺志を継いだ唯一無二の逸材。なんという推察力だ!

 放射能除去の最後の〆が二つだけある。それを完遂してもらおうと思って直接ここにきた。
 
 そして二つの〆の完遂後に、他のお願いもある。

ミーター 2万年の時を紡いで来られた不死様のために、何かできることがあるのでしたら、是非お受けいたします。
 まず〆の2つからお聞かせください。

ダニール ミーター君、いいかね、最後の2つとは、あのハリ・セルダンの系譜の起源であるヘリコン星に行ってもらいたい。そしてユーラシア大陸の中央に位置するアララト山の麓の「清き川」のほとりに地球移住者を選んで連れて来てもらいたいのだ。

ミーター 光栄です。最後の〆のお仕事聞いてはやるしかありません。

ダニール そしてもう1つの星に行って、同じように地球移住者を募って、同じく、その「清き川」のほとりに連れて来てもらいたいのだ。
 その星とは、シンナックス星だ。ガール・ドーニックの故郷の星だ。

ミーター いや、また銀河の半球の中間地点まで逆戻りですね!
 しかし、そのことと地球復興、銀河復興とはどういう関わりがあるのですか?
 教えて頂くことはできるのでしょうか、ダニール?

ダニール 要するに、ミーター君、「時を超える絆」だよ!
 ミーター君、よく聞きたまえ。
 地球の復興とは、放射能除去で完成するものではない。地球文明の再開と言ってもよい。
 それに、放射能が除去されたこの地球に、緑の環境が蘇ったとしても、肝心な住居人がいなければ、なんのための放射能除去作業だったということになる。

ミーター なるほど、ごもっともです。

 ダニール かつて地球文明の曙に2つに別れた民族がいた、アララト山の麓の「清き川」のほとりで彼ら2部族を原点に戻って会合させたいのだ。
 全銀河の人類の復興の記念としてな!
 それを「時を越える絆」と私は呼びたいのだ。

ミーター そんな大業を、あなた様は、こんな私にお任せになろうとされるのですね。

ダニール そうだ。任せられるのは、君だけだ。銀河の灯火の希望!誉れ高きホバー・マロウの後継者。それは、君なんだよ、ミーター君。

ミーター また目から涙が溢れて来ました。

ダニール それでいい。なぜなら、「歓喜」の次に来るもの、それは「充満」だから!充満とは内心の歓喜が外に溢れて出て、その歓喜を他のものに及ぼしていき、地表を満たして行くものだからな。


ミーターの大冒険 第八部 地球 第7話 歓喜

2023-01-21 15:52:28 | 地球
179第7話歓喜
ミーターの大冒険
第八部
地球
第7話

歓喜

あらすじ

 ファウンデーション暦492年(西暦25059年)末、いよいよミーターとイルミナを載せたファー・スター2世号はアルファ星から出発して太陽系に入った。

 人類の故郷の星系。懐かしい星、地球。
 
 かつて、カビレ星系と言われていた太陽系。かつてアタカナと言われていた地球。

 R・ミーター・マロウの主人アルカディアの志しを携えて、アルカディアや同士ジスカルド・ハニスらのなし得なかった志しの実現の領域に確実に入ろうとしていた。

 はたして地球の放射能汚染を除去することができるのか?

 そしていよいよ太陽系外縁部のオールトの雲を抜けて待望した太陽系に突入して行く。
 
 鋭さを増したミーターの推理力は予測通りに土星に遭遇させ、地球のかたわれともいわれる月に不死の従僕の気配を感じさせる。

 そしてついに不死の従僕が太陽系第3惑星地球の大きな衛星、その名も月(Luna )にいることを確信する。

 新たな天体物理学者のミーターは、不死の従僕が月にいる理由を全て「宇宙潮流」理論で纏めあげる。

 そしてミーターは人類と「宇宙潮流」との関わりについて惑星環境の土壌「墾化」現象に言及する。

 ところが、ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は月の軌道目掛けて一直線のコースをとろうとしたところ、手前の火星地表で有機体とロボット(通常のロボットの反応とは違う)の存在をキャッチした。

 ミーターの直感は火星に着陸する選択をする。

 直感は当たった。
 ダニール・オリヴォーがいたのであった。あのアルカディアの念願であった、アルカディアに成り代わってミーター・マロウが不死の従僕に会えたのであった。

 ダニールに誘導されたミーターは、ダニールの月基地に、水の大貯蔵タンクを見せられる。

 ミーターはほぼ単独でオーストラリアのウェルスクリークに降り立つ。ほかにダニールの助手ペイリー・リャンとR・オーロラ・ルナセントが同行したが、彼らの地上での行動は、ミーターを除いて、2時間と制限されていた。

 イルミナのリードによって北上したアース・オービターは、無事にニフのフニ山頂上に着いた。

 案の定、双子座流星群は降ってきた。この年は例年とは違い、幸運にも何ヵ月も継続した。

 流星群は成層圏に拡散している特殊水蒸気の雲に注ぎ、水蒸気を雨化させ、地上に雨を降らせ始めた。

 ミーターは、北アメリカ大陸の頂き、南アメリカの頂きを踏破し、残るはアフリカ大陸、ユーラシア大陸のみとなった。

 その間にイルミナは、アルファのモノリーさんのお土産である粉末の分析が完了していた。

 その粉末の正体は、種だった。雨が降れば、地球の緑化が再生する。

 イルミナは、忘れていたニュースをミーターに報せる。歓喜のニュースだった。

179
イルミナ そうそう大事なニュースをミーターさんに届けるのを忘れていました。
 ドースさんが、月にポニェッツ仕様のラヴェンダーエキスと一緒に、ハニスさんからの伝言でした。ごめんなさい!

ミーター 忘れるかなあ、銀河最強のイルミネーショナーが?

イルミナ ごめんなさい!私、多忙を極めていて大事な用件を忘れていました。でも今が絶好の機会でしょう!

 読み上げますね。
「二人、元気で使命、順調に遂行だとドースさんから聞いた。ふるさとの星、地球って言うんだってなぁ!地球は太陽系の第3惑星なんだってな。
 こちらも嬉しい知らせがある。コンパー君はターミナスの行政官になった。ということは、そんなに遠くない将来に今の行政権を内部から切り崩しにかかれるってことだ。
 それから、彼を通してトランターとの強い絆を隠密裏に築き上げつつある。
 あの瓦礫の山のトランターの地表は今ではすっかり見違える森と農園に変えることが出来た。
 それから、ガイアグループについては、やっぱり、イオス星だ。
 イオス星でドースさんが教えてくれた。ガイア人は、移動のネオ・シンナックス人との交流を果たして、ネオ・ファウンデーションを企てている。
 坊やとお嬢ちゃん、やっと俺の将来も見えて来たようだよ。
 じゃあ、またね!」

ミーター 凄いニュースだ、ヤッパリ、アルカディアの願いは成就しつつある。

イルミナ 喜びですこと。歓喜ですね。
 それはそうと、ミーターさん、喜んでください、大量の雨のせいで、モノリーさんの種が発芽して来ましたよ。
 それに大気中の放射能濃度が5パーセント減少してきました。

 ボス、どうしましたか、大丈夫ですか?

ミーター しょっぱくない涙が留まらないんだ!


ミーターの大冒険 第八部 地球 第6話 融合

2023-01-20 04:46:18 | 地球
178第6話融合
ミーターの大冒険
第八部
地球
第5話

融合

あらすじ

 ファウンデーション暦492年(西暦25059年)末、いよいよミーターとイルミナを載せたファー・スター2世号はアルファ星から出発して太陽系に入った。

 人類の故郷の星系。懐かしい星、地球。
 
 かつて、カビレ星系と言われていた太陽系。かつてアタカナと言われていた地球。

 R・ミーター・マロウの主人アルカディアの志しを携えて、アルカディアや同士ジスカルド・ハニスらのなし得なかった志しの実現の領域に確実に入ろうとしていた。

 はたして地球の放射能汚染を除去することができるのか?

 そしていよいよ太陽系外縁部のオールトの雲を抜けて待望した太陽系に突入して行く。
 
 鋭さを増したミーターの推理力は予測通りに土星に遭遇させ、地球のかたわれともいわれる月に不死の従僕の気配を感じさせる。

 そしてついに不死の従僕が太陽系第3惑星地球の大きな衛星、その名も月(Luna )にいることを確信する。

 新たな天体物理学者のミーターは、不死の従僕が月にいる理由を全て「宇宙潮流」理論で纏めあげる。

 そしてミーターは人類と「宇宙潮流」との関わりについて惑星環境の土壌「墾化」現象に言及する。

 ところが、ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は月の軌道目掛けて一直線のコースをとろうとしたところ、手前の火星地表で有機体とロボット(通常のロボットの反応とは違う)の存在をキャッチした。

 ミーターの直感は火星に着陸する選択をする。

 直感は当たった。
 ダニール・オリヴォーがいたのであった。あのアルカディアの念願であった、アルカディアに成り代わってミーター・マロウが不死の従僕に会えたのであった。

 ダニールに誘導されたミーターは、ダニールの月基地に、水の大貯蔵タンクを見せられる。

 ミーターはほぼ単独でオーストラリアのウェルスクリークに降り立つ。ほかにダニールの助手ペイリー・リャンとR・オーロラ・ルナセントが同行したが、彼らの地上での行動は、ミーターを除いて、2時間と制限されていた。

 イルミナのリードによって北上したアース・オービターは、無事にニフのフニ山頂上に着いた。

 案の定、双子座流星群は降ってきた。この年は例年とは違い、幸運にも何ヵ月も継続した。

 流星群は成層圏に拡散している特殊水蒸気の雲に注ぎ、水蒸気を雨化させ、地上に雨を降らせ始めた。

 ミーターは、北アメリカ大陸の頂き、南アメリカの頂きを踏破し、残るはアフリカ大陸、ユーラシア大陸のみとなった。

 その間にイルミナは、アルファのモノリーさんのお土産である粉末の分析が完了していた。

178

ミーター どうだった、その粉末の正体は?

イルミナ ミーターさん、素晴らしい贈り物ですよ。驚いたわ!
 植物の種のナノタイプですよ。細かい粒ですから、驚くべき量になりますよ。
 
 しかも、2万年前の地球上に繁茂していたと思われる種のおおよそ全種類よ!

 それに、2万年前の地球上の植生の地域別の全種よ。海の中、海の底までの。

 珊瑚礁に生きる植物、マングローブ各種、砂漠化を食い止める緑化に効果的なマメ科の植物など数え上げたらきりがないくらいよ。

 それにそれに、本来20年で成長するはずの植物がわずか2年で成長し、2年経つと平常に戻るように遺伝子が再構成されているわ。

ミーター ほんとかよ!アルファのバイオテクノロジーってそんなに凄いんだ。それにアルファ人にしては破格な親切!

イルミナ 一見、アルファは孤立主義で排他的だと思われますが、それは違うわよ。
 地球から出て行ったところは、だいたいコンポレロンまでの星間はスペーサーの勢力範囲だったんですから。
 アルファ人たちは、汚染されつつある地球に最後まで留まって放射能除去に励んだの。
 それで様々な放射能除去のテクノロジーを蓄積してこられたと考えるのが自然ですよ。

ミーター 分かるよ。よ~く理解できる。
 本来なら、地球の放射能からの回復の栄誉はアルファ人に帰するべきだ。
 感謝してます、モノリー先生!

イルミナ そうですね。それに地球回復の栄誉は、アルカディアさんが、言われていた通りに、四つのグループの強い絆のせいだということですね!
 それにスミルナやシウェナのアグロフォレストリーの伝統も忘れてはならないわねぇ!

ミーター む、その通りだ。四つのグループの融合の成果だな!第1ファウンデーション、第2ファウンデーション、ガイアと反ミュールの勢力、そして、俺とイルミナをここまで導いてくれたハニスさんをはじめ、数多くの人々、第零法則のロボットさんたちとの融合の結果だ!

イルミナ ミーターさんたら、とてもロマンチックなもの言いですこと。

ミーター 言い過ぎかな?

イルミナ いいえ、もうすぐ、銀河の夜明けが迫ってきていますから、もう少しの辛抱ですよ。
 ミーターさん、あとボルネオ島のキナバル、ユーラシア大陸の高嶺、アフリカ大陸のキリマンジャロが残っています。
 もう少しですよ。


ミーターの大冒険 第八部 地球 第5話 溶け込み

2023-01-18 21:11:31 | 地球
177第5話溶け込み
ミーターの大冒険
第八部
地球
第5話

溶け込み

あらすじ

 ファウンデーション暦492年(西暦25059年)末、いよいよミーターとイルミナを載せたファー・スター2世号はアルファ星から出発して太陽系に入った。

 人類の故郷の星系。懐かしい星、地球。
 
 かつて、カビレ星系と言われていた太陽系。かつてアタカナと言われていた地球。

 R・ミーター・マロウの主人アルカディアの志しを携えて、アルカディアや同士ジスカルド・ハニスらのなし得なかった志しの実現の領域に確実に入ろうとしていた。

 はたして地球の放射能汚染を除去することができるのか?

 そしていよいよ太陽系外縁部のオールトの雲を抜けて待望した太陽系に突入して行く。
 
 鋭さを増したミーターの推理力は予測通りに土星に遭遇させ、地球のかたわれともいわれる月に不死の従僕の気配を感じさせる。

 そしてついに不死の従僕が太陽系第3惑星地球の大きな衛星、その名も月(Luna )にいることを確信する。

 新たな天体物理学者のミーターは、不死の従僕が月にいる理由を全て「宇宙潮流」理論で纏めあげる。

 そしてミーターは人類と「宇宙潮流」との関わりについて惑星環境の土壌「墾化」現象に言及する。

 ところが、ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は月の軌道目掛けて一直線のコースをとろうとしたところ、手前の火星地表で有機体とロボット(通常のロボットの反応とは違う)の存在をキャッチした。

 ミーターの直感は火星に着陸する選択をする。

 直感は当たった。
 ダニール・オリヴォーがいたのであった。あのアルカディアの念願であった、アルカディアに成り代わってミーター・マロウが不死の従僕に会えたのであった。

 ダニールに誘導されたミーターは、ダニールの月基地に、水の大貯蔵タンクを見せられる。

 ミーターはほぼ単独でオーストラリアのウェルスクリークに降り立つ。ほかにダニールの助手ペイリー・リャンとR・オーロラ・ルナセントが同行したが、彼らの地上での行動は、ミーターを除いて、2時間と制限されていた。

 イルミナのリードによって北上したアース・オービターは、無事にニフのフニ山頂に着いた。

177

ミーター ここが、ガイアのドムさんが言ってたフニの山か。
 ここでどれくらい待つんだ、イルミナ?

イルミナ もう着きますよ!時間通りです。ほら、上から降りて来ましたよ、ミーターさんの懐かしい銀河の希望ポエニッツ号!

 ドースさんが、遙々イオス星から届けてくれました。

 ポニェッツ仕様のラヴェンダーの凝縮エキスと月と火星の水との溶液のお出ましです。

 ボス、お願いです、涙なんか流さないで下さい。月女のみんなに笑われますから。ターミナスの恥になってしまいますので。

ミーター で、イルミナ、そのラヴェンダーのエキスと水とウェルスクリークのゼオライトの粉末の溶液を巨大タンクで混ぜ合わせてればいいんだな?

イルミナ その通りです。その混合液を特殊蒸気発生装置で蒸発させ、成層圏で粒子状に漂わせる。

 あとは双子座流星群をひたすら待つ、という首尾です。

 流星が多ければ多いほど、地上に放射能除去機能が働きます。10日したら、次はフォルモッサのユイ山頂、それからシチュアンの峨眉山、それからアラスカのデナリ、....

ミーター 分かった、分かった。その都度、頼むよ。いくら俺が放射能防御が完璧と言ったって、働かさせ過ぎじゃあないのか?

 いい気分で、イオス星の温泉に入ってた頃が懐かしいってもんじゃないか?

イルミナ それから、夜間は必ず、あのアルファ星からのお土産のシルクベットで休んでください。

ミーター それなんだがな!そのシルクベットを開けてみたんだ。そしたら内部は全部粉なんだ。それを全部除いて、その粉を別のところにまとめて置いた。

イルミナ おかしいわね、ボス、その粉を詳しく検査する必要がありますね。
 どういう具合でそれがシルクベットに入れられたのでしょうかねぇ?

ミーター イルミナ、犯人は決まっている。アルファのモノリー爺さん!

イルミナ そうですね、でもその粉の正体を突き止めてからでしょう。犯人とか呼ぶのは、もしかしたら、貴重なものなのかもしれませんから。

ミーター イルミナ、1日の労働としては今日は過酷過ぎる。今日は、ニフに着いたお祝いとして、早くシルクベットに入る。
 あとは、アース・オービターの検査装置でその粉の正体を調査しておいてくれたまえ、イルミナ副長殿!

イルミナ とかなんとかおっしゃって、ボスったら、私がファー・スター2世号にいることをすっかり忘れているのね。でもリモートコントロールで十分可能ですから、喜んで調査して置きますよ。

ミーター イルミナ、なんか言ったか?

イルミナ 夜寝るロボットだなんて、銀河広しと言えども、ミーター・マロウ様以外にはいませんこと!

Photo ミーターによってフニ山が地球全体の希望として輝き出した。


ミーターの大冒険 第八部 地球 第4話 触れ合い

2023-01-17 05:53:26 | 地球
176第4話触れ合い

ミーターの大冒険
第八部
地球
第4話

触れ合い

あらすじ

 ファウンデーション暦492年(西暦25059年)末、いよいよミーターとイルミナを載せたファー・スター2世号はアルファ星から出発して太陽系に入った。

 人類の故郷の星系。懐かしい星、地球。
 
 かつて、カビレ星系と言われていた太陽系。かつてアタカナと言われていた地球。

 R・ミーター・マロウの主人アルカディアの志しを携えて、アルカディアや同士ジスカルド・ハニスらのなし得なかった志しの実現の領域に確実に入ろうとしていた。

 はたして地球の放射能汚染を除去することができるのか?

 そしていよいよ太陽系外縁部のオールトの雲を抜けて待望した太陽系に突入して行く。
 
 鋭さを増したミーターの推理力は予測通りに土星に遭遇させ、地球のかたわれともいわれる月に不死の従僕の気配を感じさせる。

 そしてついに不死の従僕が太陽系第3惑星地球の大きな衛星、その名も月(Luna )にいることを確信する。

 新たな天体物理学者のミーターは、不死の従僕が月にいる理由を全て「宇宙潮流」理論で纏めあげる。

 そしてミーターは人類と「宇宙潮流」との関わりについて惑星環境の土壌「墾化」現象に言及する。

 ところが、ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は月の軌道目掛けて一直線のコースをとろうとしたところ、手前の火星地表で有機体とロボット(通常のロボットの反応とは違う)の存在をキャッチした。

 ミーターの直感は火星に着陸する選択をする。

 直感は当たった。
 ダニール・オリヴォーがいたのであった。あのアルカディアの念願であった、アルカディアに成り代わってミーター・マロウが不死の従僕に会えたのであった。

 ダニールに誘導されたミーターは、ダニールの月基地に、水の大貯蔵タンクを見せられる。

 ミーターはほぼ単独でオーストラリアのウェルスクリークに降り立つ。ミーターは、ダニールの助手ペイリー・リャンとR・オーロラ・ルナセントと同行したが、彼らの地上での行動は、ミーターを除いて、2時間と制限されていた。
 ミーターは二人を無事にファー・スター2世号に帰還させた。

 ミーターの俊敏な動きは驚異的だった。無事に大量のゼオライトを採集し、アースオービターのコックピットを北に向けた。

176

ミーター やれやれ無事にゼオライトを搭載できたら、今度は操縦か?強度放射能帯をくぐり抜けるように操縦しなくてはならないからな!いくら放射能防御完備のアース・オービターとはいえ、何が起きるか分からないからな。

 それにしてもここら辺は太古には大海原があったと聞いているが、いけどもいけども荒れ地みたいだ。

 いいや、前方には底なし谷が見えるな。

イルミナ しっかり操縦桿を握って下さい。
 ここは古来、チャレンジャー海淵といって、地球で一番窪んだ裂け目ですよ。何しろ10000メートル級の深さですから。

ミーター チャレンジャーだって。俺のことかい?

イルミナ 余裕が出て来ましたね。
 ニフはもうすぐですから、そのまま北上して下さい。
 
ミーター ヨッシャ!
 イルミナ、ベニサラさんに会えるかな?

イルミナ またまた残念ですが、おあいにく様、ソラリアでグレディアさんにお会いできなかったように今回もご無理ですこと。エヘヘへ!

ミーター 500年前、ダニールさんがベニサラさんを夢想できたんだから、俺にだってできる!

イルミナ そうですね、ミーターさんはターミナス出発以来、数多くの魂と触れ合ってこられましたね。
 もうすぐフニの山が見えるはずです。
 
 そうしたら今度は地球の魂と触れ合えますね!