179第7話歓喜
ミーターの大冒険
第八部
地球
第7話
歓喜
あらすじ
ファウンデーション暦492年(西暦25059年)末、いよいよミーターとイルミナを載せたファー・スター2世号はアルファ星から出発して太陽系に入った。
人類の故郷の星系。懐かしい星、地球。
かつて、カビレ星系と言われていた太陽系。かつてアタカナと言われていた地球。
R・ミーター・マロウの主人アルカディアの志しを携えて、アルカディアや同士ジスカルド・ハニスらのなし得なかった志しの実現の領域に確実に入ろうとしていた。
はたして地球の放射能汚染を除去することができるのか?
そしていよいよ太陽系外縁部のオールトの雲を抜けて待望した太陽系に突入して行く。
鋭さを増したミーターの推理力は予測通りに土星に遭遇させ、地球のかたわれともいわれる月に不死の従僕の気配を感じさせる。
そしてついに不死の従僕が太陽系第3惑星地球の大きな衛星、その名も月(Luna )にいることを確信する。
新たな天体物理学者のミーターは、不死の従僕が月にいる理由を全て「宇宙潮流」理論で纏めあげる。
そしてミーターは人類と「宇宙潮流」との関わりについて惑星環境の土壌「墾化」現象に言及する。
ところが、ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は月の軌道目掛けて一直線のコースをとろうとしたところ、手前の火星地表で有機体とロボット(通常のロボットの反応とは違う)の存在をキャッチした。
ミーターの直感は火星に着陸する選択をする。
直感は当たった。
ダニール・オリヴォーがいたのであった。あのアルカディアの念願であった、アルカディアに成り代わってミーター・マロウが不死の従僕に会えたのであった。
ダニールに誘導されたミーターは、ダニールの月基地に、水の大貯蔵タンクを見せられる。
ミーターはほぼ単独でオーストラリアのウェルスクリークに降り立つ。ほかにダニールの助手ペイリー・リャンとR・オーロラ・ルナセントが同行したが、彼らの地上での行動は、ミーターを除いて、2時間と制限されていた。
イルミナのリードによって北上したアース・オービターは、無事にニフのフニ山頂上に着いた。
案の定、双子座流星群は降ってきた。この年は例年とは違い、幸運にも何ヵ月も継続した。
流星群は成層圏に拡散している特殊水蒸気の雲に注ぎ、水蒸気を雨化させ、地上に雨を降らせ始めた。
ミーターは、北アメリカ大陸の頂き、南アメリカの頂きを踏破し、残るはアフリカ大陸、ユーラシア大陸のみとなった。
その間にイルミナは、アルファのモノリーさんのお土産である粉末の分析が完了していた。
その粉末の正体は、種だった。雨が降れば、地球の緑化が再生する。
イルミナは、忘れていたニュースをミーターに報せる。歓喜のニュースだった。
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イルミナ そうそう大事なニュースをミーターさんに届けるのを忘れていました。
ドースさんが、月にポニェッツ仕様のラヴェンダーエキスと一緒に、ハニスさんからの伝言でした。ごめんなさい!
ミーター 忘れるかなあ、銀河最強のイルミネーショナーが?
イルミナ ごめんなさい!私、多忙を極めていて大事な用件を忘れていました。でも今が絶好の機会でしょう!
読み上げますね。
「二人、元気で使命、順調に遂行だとドースさんから聞いた。ふるさとの星、地球って言うんだってなぁ!地球は太陽系の第3惑星なんだってな。
こちらも嬉しい知らせがある。コンパー君はターミナスの行政官になった。ということは、そんなに遠くない将来に今の行政権を内部から切り崩しにかかれるってことだ。
それから、彼を通してトランターとの強い絆を隠密裏に築き上げつつある。
あの瓦礫の山のトランターの地表は今ではすっかり見違える森と農園に変えることが出来た。
それから、ガイアグループについては、やっぱり、イオス星だ。
イオス星でドースさんが教えてくれた。ガイア人は、移動のネオ・シンナックス人との交流を果たして、ネオ・ファウンデーションを企てている。
坊やとお嬢ちゃん、やっと俺の将来も見えて来たようだよ。
じゃあ、またね!」
ミーター 凄いニュースだ、ヤッパリ、アルカディアの願いは成就しつつある。
イルミナ 喜びですこと。歓喜ですね。
それはそうと、ミーターさん、喜んでください、大量の雨のせいで、モノリーさんの種が発芽して来ましたよ。
それに大気中の放射能濃度が5パーセント減少してきました。
ボス、どうしましたか、大丈夫ですか?
ミーター しょっぱくない涙が留まらないんだ!
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