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仏語、英語学習者。アイザック・アシモフのファン。ノース・ホワイトヘッド思想信奉。縄文志向、仏陀志向。

ファウンデーションの夢 第四部 嵐の気配 第1話 涙の黒い太陽

2022-07-10 16:53:43 | ミーターの大冒険
ファウンデーションの夢 
第四部
嵐の気配
第1話

涙の黒い太陽

前史

銀河暦 12028年 
 ダニール・オリヴォー、宰相を辞任。ハリ・  セルダン、宰相になる。
銀河暦 12038年 
 ハリ・セルダン、宰相を辞任。
銀河暦 12040年 
 ウオンダ・セルダン生まれる。
銀河暦 12048年 
 ドース・ヴェナビリ、死去。ベリス・セルダン生まれる。
 ハリ・セルダンの盟友ユーゴ・アマリル没。
銀河暦 12067年 
 ハリ・セルダンに対する裁判の結果、公安委  員会は百科辞典財団をターミナスに放逐。



物語の大枠

第一部 ダニールの地球探索
第二部 ガイア
第三部 ウォンダとガールの地球探索
第四部 嵐の気配
第五部 Tee Tree
第六部 ベイタ・ダレル
第七部 アルカディア・ダレル
第八部 アルカディアの遺言

第四部の大枠

21 第1話 涙の黒い太陽
22 第2話 帝国辞書編纂図書館
23 第3話 ドースと孤児レイチ
24 第4話 時間霊廟
25 第5話 嵐の気配




あらすじ

 ガールは、久しぶりのヒューミンとの再会に歓喜するやいなや、突如として眠気を催して、睡眠に陥ってしまう。

 ガールは、催眠術に懸けられていたのだろう、気がつけば見知らぬ航宙船のなかにいる自分に気がついた。見上げれば、容姿端麗な女性が立っていた。
 そして親しげにガールに話しかけてくる。
 
 無事に任務が完了した。放射能防御シールドのカーテンに護られ、二人は荒涼とした地球の大地を踏みしめた。ガールは朧気ながらに地球の光景を眺め、また遊んで走り回るウォンダを目を円くして眺めていただけであった。もう一つの使命など忘れていたように。

 ただウォンダが地面の割れ目から湧きだしている水に狂喜して、なにやら汲んでいるのは覚えていた。しかもその泉の回りにはクローバーが密集していたことも。

 再生の命というものなのであろうか!
 ウォンダが汲んだ水は三つに分けられ、それぞれ透明、紫、黄色のシリンダー・ペンダントに入れられ、そのうち紫のシリンダーはターミナスに避難した彼女の妹ベリスに渡してくれるようにウォンダがガールに頼んだ。

 ターミナスのパークサイドで彼女を見失った。地球の大地から脇だした泉に狂喜していたウォンダの姿にオーバーラップし、「星界の涯」の意味を沈思するガールであった。

 方や、ウォンダの妹のベリスは、その場所を訪れていた経緯をその日のうちに母マネルラに手紙をしたためていた。
 
 なぜか祖母ドースが夢に現れて、不思議な一連の作法で新たに新設された公園のある場所を訪れるように指示されていた。

 これは不思議な事件で、後に、ジョン・ナックの『歴史思想書』たる書籍はその図書館には存在せず、ベリスが訪れた涙の黒い太陽の像は次の日には消えていた。誰一人ターミナス人は、知らなかったということになる。

 これが、後の後のベイタ・マロウによって発見されるまでは。



21

 「もう十分、読者は理解できたであろう結論を再確認してもらおう。要するに科学の進歩は人類の想像力の範囲内を一歩でも出てしまえば、危険極まりなく、自らに破滅をもたらすのである。ニフが選民と呼ばれることをある民族は、嫉妬し、原子力のなんたるかを既に獲得していた理論を盗み、その事実を闇に葬ろうとした。それが二度の原子爆弾投下という、戦争を終結させるという美名のもとに極めて少数の意見である時暴走した。
 ニフとは現地語で『二不』であり、皮肉にも人類の歴史上、どこの場所にもあり得なかった一回のみ原爆投下されたという意味であり、その痛みを知っている唯一の民という意味なのである。その悪魔は、嫉妬という人間の醜い奇形を生むのである。諸君、そのことを最後の警句としてこの書を閉じることとする。」『ジョン・ナックの歴史思想書(22世紀の思想家)の結論部』

 お母様マネルラへ。サリプでの暮しはいかがですか?
 こちらは一人でも大丈夫です。

 実は大変なことがありましたのでお手紙書きました。
 でも全然心配はいりません。

 昨夜、お祖母さんドースが夢に現れて、「図書館でジョン・ナックの本を読んでから例の公園へ行くように、家に咲いているジンジャーの花を髪にさしてね。」と言われました。

 その通りに言われた場所には、昨日までなかった丸い黒い顔の像が土に埋まっていたのです。 私が手をかざすと黒い部分が黄金に輝いて初めて見る文字が浮かび上がりました。
 そうしたらなぜだかその文章の意味が分かったのです。その分は次のようです。

 『我らはニフ人、シンナックスを経由してここ銀河のはずれまでやってきた。
 ここに「涙の黒い太陽」の像を埋める。
 放射能の悲惨さを忘れないためだ。
 我らが〇〇のニフから宇宙に飛び出したのはいうまでもない。
 空が放射能で黒く覆い光を遮り四十日の間、太陽を見ることがなかったからだ。
 その教訓のため、ここにこの像を埋める。ここに記念として別紫蘇(ラベンダー)の種を撒いていく。
 宇宙が蘇る、その礎を開く時が来る。
 そして一人のシンナックスの青年がその意味を理解するであろう。』

 その青年とは誰でしょう。萌葱色の霧雨が降っていました。大地が霞んでいました。
 公園は泉のせせらぎと小鳥が囀ずる声だけでした。
 空には虹がかかっていました。
 今日の不思議な出来事に物思いを寄せていました。
 お姉さんウォンダは今頃どうしているんでしょう。
 その時、誰かが私を見ているような気配を感じたのですが! 
            
ベリスより。


yatcha john s. 「涙の黒い太陽」






草・然・丈

2022-07-10 08:50:09 | ミーターの大冒険
Chloe Chua
天才女子ヴァイオリスト
今に生きる我らの誇り

Vivaldi も雲の上から涙を溢すでしょう
我らが協同して
「人類」という福祉を高らかに合掌するのは
大いに許容できます

戦後
荒れ野原に響き渡る明日への飛翔の光
単なる音の調べと言うのには
西郷さんの石段の下の
傷痍軍人のアコーディオンを思い出す

しいて敢えて言うならば
憚りでも百円は痛かった

旨は要するに「旨」
四季とは
はじめもおわりも批評精神の対話に如かず
自問自答終わることなし

草・然・丈は
仏(ほとけ)とは、人に成りたることに如かず
問い続けること
それ
次を迎える人の意気地

令下
心を鬼にして
ガレージのシャッターを抉じ開ける
その形相(ぎょうそう)は大いに許容されて
憚れず

yactha john s. 「 草・然・丈 」

https://youtu.be/dacAUD8YhtA










スペクトラムな水晶体

2022-07-10 08:46:13 | 宇宙意識から神性意識、そして統一意識へ
梅雨明けを仄めかすような
黄色い花の一粒の滴り
朝のはじまりに弾ける
スペクトラムのヒカリたち

ケン・ウィルバーさんも瞑目して
天地の融合を知らせる

人の意識は時代を超えて波飛沫(しぶき)を増幅させ
もうすぐ
きらびやかな宝石たちの夢の調べを奏ではじめるだろう
でも地上はまだまだカオスで充ちている
依然として痛みや綻びが方々で見うけられる

僕も明日の数学の積分の試験を気にせず
躊躇う気持ちの湿気を拭い去り
イエスと共に一匹の羊を担う
透明な水晶体でありたい

試験準備も手につかず
もう気分ははすでに海浜公園の下の
砂地に立って
彼方を目指して風を送っている僕を描く
躊躇う気持ちは微塵もないほど

https://youtu.be/htzN-yq2arA

yactha john s. 「 スペクトラムな水晶体 」