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仏語、英語学習者。アイザック・アシモフのファン。ノース・ホワイトヘッド思想信奉。縄文志向、仏陀志向。

ミーターの大冒険 オーロラへ 9 「オーロラ 変異体」

2021-11-20 04:46:19 | ミーターの大冒険
9 ミーター、シンナのオーロラは、綺麗だったわ!カルガンにもオーロラが見えるみたいだけど、オーロラのもともとの意味って分かる?これも図書館には記述がないわ!

 イルミナ、俺もターミナス産だけど、どうも最近のターミナスはおかしい、どこか狂いはじめてる。それも歴史記録消滅のせいかもね。お前のせいじゃないな。
 これもイオスで仕入れた情報なんだが、どうも伝説の故郷の星アタカナの、その伝説らしいんだよ。
 オーロラという気の多い、女神が主神に頼んだっていう話だよ。

 なにを?

 惚れた男が永遠に生きられるように。ところが若いたままでとは頼まなかったんで、彼はどんどん老けてしまって、ひからびて小さくなり、手足も動かなくなり、細い声しか出せなくなってしまった。それで彼女は仕方なく彼をセミに変えてしまった、という残酷な話なんだよ。
 なぜか、その星には謎めいた、秘密が隠されているようなんだよ。人類の遠い昔の物語だけど、なんか真実が隠されているみたいなんだ。

 寂しくもあり、悲しくも哀れな話なのね!
もしかしたらその人間の変異体。ロボットじゃなかったら、ミュールのことかしらねぇ!

 ミュール。ミュールって、うるさいな、イルミナ。
 ミュールは短命だったぞ!
 「変異体」っていうのは正しいかも知れないけど。待てよ、そうかもね。今回の探索任務のキーワードの一つは、「変異体」かも。でかした、イルミナ!

https://youtu.be/cUSl1dc_qCc

yatcha john s. 『ミーターの大冒険』 オーロラへ 9 「オーロラ 変異体」


ミーターの大冒険 オーロラへ 7 「カルガンの浜辺 ミュールの秘密」

2021-11-18 23:12:58 | ミーターの大冒険
7 ミーター、あなたってホントは凄いRなんですね!見直したわ。あなたの回りを囲んだ女の子の数、ありゃ、あなたまるでアイドルみたいじゃないの!

 何言ってるんだい、イルミナ。人間の女の子にもててもしょうがないじゃないかい。それより、珊瑚礁の海の中、最高だったぜ。

 ロボットが海の中に入るなんて!
 ミュールはなぜ、カルガンを本拠地にしたの?昔から銀河一の歓楽街たったことは知ってるけど。アルカディアの『追憶の鍵を開けて』、『何度も何度も繰り返して』を読んでもサッパリわからないわ、そこんとこ、教えてくれない、ミーター。

 この銀河の秘密の秘密ばらして、どうする。ミュールの謎解きが銀河復興の要なんだ。秘密はこの本にちゃんと書いてある。『追憶の鍵を開けて 続編』。でもこれは公表しない。お前の図書館には余計にそうだ。

 ケチ!尊敬しようと思ったのに。ミーター、最低!

 そういうな!図書館には提示しないという約束なら、お前だけには教えてもいい。そんなこと、普通に考えれば簡単だ。人間社会の濃厚な縮図が歓楽街なんだ。そこでかりそめであるけれど、本音で、男女がぶつかりあう。金銭が絡んでたとしても赤裸々な人間の心理と実像が浮かび上がる。その感情の機微を掴んだんだよ、ミュールは。そして彼はその彼自身の独自な能力、感応力で銀河も支配できると目論んだ。この旅は、ミュールの実態を究明する目的もあるからね。これからだよ。

 ふ~。全然わかりやしない、けどね~? そうすると、もしかしたら、不死の従僕とも関係あるっていうの?
 でも、なぜベイタは一日だけの滞在でミュールの首根っこを押さえられたのか、なんとなくわかった気がしてきたわ。要するに、ミュールは完璧に孤独だった。ベイタはこの盲点を潜在的に捉えた。彼女の感応力の根源は、限りない「慈しみ」だった。そうなのね?長いベイタとミュールの闘争は、最初から結末がハッキリしてたのね!
 じゃあ、聞くけど、ミーター、ミュールの感情操作は、どこから来たの?ねえ、ミーター、聞いてるの?

https://youtu.be/cUSl1dc_qCc

yatcha john s. 『ミーターの大冒険』 オーロラへ 7 「カルガンに浜辺 ミュールの秘密」


ミーターの大冒険 オーロラへ 8 「coast to coast  シンパシック・ハーヴェイ号」

2021-11-18 22:55:44 | ミーターの大冒険
8 ミーター。カルガンの北極地に向かうのね?

 いいや、オーロラに行くんだ。銀河の反対側のね。シリウス星系の。4年前に行った星系だよ。もう一度トライだ。イルミナ、今度は超新星バーストを上手く逸れてくれよ。カルガン図書館のデータを注入したんだからな。
 まずそのデータを詳細にチェックしてくれ。どこかにアタカナについて暗示されてるかも知れないからな。そしてコンポレロンに向かう。今分かっているのはコンポレオンだけだ。コンポレオンでオーロラの所在が分かるかも知れない。そしてソラリア、メルポメニア、アルファ。そしてガイアについてもな!それらを辿って行けばアタカナはきっと見つかる!

 アタカナとコンポレオン以外は、みんな初めて聞く名前だわ!ターミナスの図書館はもう役に立たないのね。意気消沈。
 でも、何であんたが知ってるの?

 ハニスさんの指示だ。それから、イオスでレオナルドさんからコンポレオンの所在については教えてもらった。ソラリア、メルポニア、アルファとガイアについては、その名前だけだ。でもアタカナは教えないって。

 何ででしょうね。おかしいわね!

 レオナルドさんはこう言った。
 「ミーター君、私はそれを知っている。しかし、君たちがこの銀河を復興するからには、君自身の能力でその謎を解決するんだ。まずコンポレオンに行きたまえ。」ってね。
 まあ、まかしときな。きっと僕が探し出してみせる。ヒントはコンポレオン、そしてオーロラだ。そこに行けばなんとかなりそうな気がする。

 「そんな気がする」ってどう言うことよ? ミーター、ロボットって論理的に行動するんじゃなかったの?当てずっぽじゃおかしいんじゃないの!怒るわよ!

 まあ、怒るな。イルミネショナーが怒って、どうする。そういえばこの船、歴代の英雄たちの乗り物だっていうこと知ってた? この船の心臓部はシンパシック・ハーヴェイ号の部品が使われているって、レオナルドが言ってた。

 ふ~ん? ところでミュールについてはどうなのよ!それも秘密?

https://youtu.be/X55v4-Gvj2g

yatcha john s. 『ミーターの大冒険』 オーロラへ 8 「 coast to coast  シンパシック・ハーヴェイ号 」


ミーターの大冒険 オーロラへ 6 「Taking off 追憶の鍵を開けて②」

2021-11-17 04:10:47 | ミーターの大冒険
6 「アルカディア、僕だって遠慮する場面ぐらいはわかってますって。」

 ミーター、なに独り言、いってるのよ!わたしよ!アルカディアじゃ、ありません、イルミナよ!あなた、もうボケが入ったんじゃないの!イオスの温泉浸かりすぎでね!ミーター、起きてください。またアルカディアの夢、見ていたんでしょう。フライト・プランを教えて。

 な~んだ、イルミナか。

「アンソーア。二人の人生って、第一ファウンデーションと第二ファウンデーションの確執を埋めるためだけの人生だったのかしら?二人の宿命だったのかしら?でもこれでよかったんですよね。二人頑張ったわ!ねえ、そうでしょう。」

 「そうだね、アルカディア、大変な人生だった。そのせいで僕はだいぶ歳より老けて見えるだろう。でももう解決した。ドースさんのお陰でね。人間型Rを何体か第二ファウンデーション員の替え玉にしてね。もう僕たちの役目は終わった。少しはくすぶっては行くだろうが。
 そして今、やっとこういう風に二人で会える。こんな星の下でね。」

 「これでセルダンプランは元通りになったのかしらね?
 ねえ、アンソーア、この銀河の下で二人だけで乾杯しましょうか?手に手をとって。
 あらっ、ミーターの姿が見えないわね、ミーター!」

 なんだ、イルミナか?行き先は決まってる。オーロラ!その前に、アルカディアと彼女のおばあさんベイタの思い出の星カルガンに行ってみる。それにミュールの謎解きは、またこの銀河の復興にも役立つに違いないからさ。

 な~んだ、はないでしょう。フライト・プランがなければ、何処にも行けないわよ!

 https://youtu.be/OuMakyoHBU8

yatcha john s. 『ミーターの大冒険』 オーロラへ 6 「Taking off  追憶の鍵を開けて②」
「」は、ミーターによるアルカディアとアンソーアの再開の追憶


ミーターの大冒険 オーロラへ 4 「アルカディア 追憶の鍵を開けて①」

2021-11-14 15:06:03 | ミーターの大冒険
4 ミーター、教えてくなれい。たまにあなた、ニヤニヤして、思い出しているようで、そうやってボオッとしてることが多いわね。ちゃんとその理由はわかってますけどね。取りあえず、聞いてみようとして。
 わたし、こう見えても心理スキャン備え付け最新鋭イルミネショナーですから、あなた、顔がなくても、ちゃんとわかるんですからね。

 何が最新鋭だって? 4年前のあの事件じゃ、こっちはもう停止寸前だったんたぜ。お陰で熱いお湯に浸かったり、こんな時間の無駄になってるんだ!

 あれは、しょうがなかったのよ。あれは宇宙潮流のデータがターミナスのデータではもう古くなっていたのよ。今ではシウェナや、カルガンの航宙技術の方が進んでいるんですから。あっ、いけない。またカルガンって口走ってしまったわ。ミーター!ミーター!また思い出しているのね。やっぱりアルカディアのことねぇ!

 「ミーター、今日のちょうど50年前の夜から初まったのよね! ちょうど今日よね! 行くわね! 『追憶の鍵を開けて』の続編やっと書けるわ。何しろ今まで公務で必死だったんですから。ベイタおばあちゃんのカルガンの話から100年目ですよね!

 トントントン。

 なによ、ミーター、聞いているの?」

 「アルカディアお嬢様、ちゃんと聞いてますよ。
 お嬢様、窓に何か当たったみたいですよ。
どうしたんですか?お嬢様、突然階段から降りて行って。危ないですよ、もう歳なんですから。」

 「アンソーアさん。そうだと思った。ちゃんと一階の玄関の鍵を開けたわ。ようこそ我が家へ。今はこの家、ミーターと二人だけですけど。お入りになって。アンソーア。二階の窓に木枝を当てたのがあなただってすぐわかったわ。あなたも大事な公務を終えたのですね。
 お入りになる前に、あなたがターミナスの人間かどうか、確かめられたら、どうぞお入りになって。」

 「アルカディア、久しぶり! 
 歌えるよ。あれから毎日、『我らは銀河の子』の練習は、欠かさなかったからね。
 ニュートンから歩いて来たんだ。途中、夕方からずっと以前のお宅のラベンダー畑にいたんだ。あの薫りで、もう一度昔の僕に戻れたような気分だよ。
 今回はちゃんと一階の玄関からお邪魔しましたよ。玄関の鍵を開けてくれてありがとう、アルカディア!」

 ねぇ、ミーター! 寝ているような、泣いてるような!

 イルミナ、もし僕が人間だったら「泣いている」と思うよ。
 ところで、あの奇跡のベイタさんの思い出のカルガンまで、どこくらいだい。
アルカディアの遺言の一つなんだからね。
 
https://youtu.be/_HXT5wSN4VA

yatcha john s. 『ミーターの大冒険』 オーロラへ 4 「アルカディア 追憶の鍵を開けて① 」