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仏語、英語学習者。アイザック・アシモフのファン。ノース・ホワイトヘッド思想信奉。縄文志向、仏陀志向。

ミーターの大冒険 オーロラへ 5 「我ら銀河の子」

2022-04-05 07:51:50 | ミーターの大冒険
5 ミーター、音痴ってこの世の中には実在するのね。アンソーアさんの歌は聴けたもんじゃないわねぇ!ミーター、あなた、また思い出しているのね。そういうの「追憶の鍵」を開けているっていうの、知ってた。

 イルミナ、控えろ!アルカディアは、目を瞑って、聞いているじゃないか。
 それにしてもイルミナ、君は僕の頭の中も読めるのか?いや聴けるのか?恐れ入った能力じゃないか!あれから何年過ぎたんだろう。アンソーアさんがアルカディアの館に再訪した夜から。

 さっき言ったでしょう。私は「心理スキャン備え付け最新鋭イルミネーショナー」って。あなたのいまの白昼夢とやらも、お茶の子サイサイなんですよ。
 それにしても、アンソーアさんは音痴だわ!
 強いて誉めろと言えば、う~そうね、ここシンナの地表から私たち二人が見上げる天空かしら!シンナの星空って、銀河一かも知れませんね!オーロラと横たわる銀河が公差しているの。ずっと観ていたいわ。

 イルミナ、僕の追憶はターミナスのアルカディアの館のあの夜のことで、ここシンナのことじゃない。
 で、その音痴な歌っていうものの歌詞は分かるのか?スキャン・アップしてくれないか?

 分かったわ。今出すね!

「冷たい銀河の風に打たれても
僕らは怯まない
なぜって 
僕らは高邁な理想に燃えているから
セルダン先生のあとを追いかけて
たとえボロなスペースワゴンだって
へいちゃらさ

優しい銀河の風に打たれて
僕らは涙する
だって僕らは銀河の子 
我らの命 愛 夢 勇気は銀河の塵でできている
ドーニック先生から教わった織姫と彦星
貿易商人は三年に一度も
恋人に会えなかった

熱い銀河の風に打たれて僕らは戦う
なぜって銀河はそれを望んでいる
ファウンデーションはきっと大銀河を復興し
希望が愛に変わる
宇宙の果てまで紫(モーブ)に染まる

美しい銀河の風に打たれて女たちは踊る
オルフェウスの琴の音に心が溶かされた
ニンフのエリディケのように
たとえドースが R であってもセルダンを助けてアンドロメダまで行っちゃうよね」

https://youtu.be/3U39Gymkcxw

yatcha john s. 『ミーターの大冒険』 オーロラへ 5  「我ら銀河の子」


ミーターの大冒険 オーロラへ 10 「コンポレロン・宇宙潮流・ジョン・ナック」

2022-04-05 05:11:07 | ミーターの大冒険
10 ミーター、驚いたわ、ファー・スター2世号は、新たなジャンプを繰り返す度に、もう一つのアクチュアル・フォース(actual force ) を見つけて、それらと摂取、融合して、枯渇したプラズマ・エネルギーを再生しながら飛び続けているわ。

 えへん、それが、ファー・スター2世号の独自で、優秀たる所以さ。これだけは、オリンサスさんの独創性なのさ。「宇宙潮流」に沿って突進する技術なんだ。まるでオリンサスさんが生きてるみたいだ。

 ミーター、「宇宙潮流」って「オリンサス」さんの技術ですって?

 イルミナ、「宇宙潮流」という真理は、ハニスさんが、ベリス岬の洞窟で再発見した、ガール文書のなかの一つ『ジョン・ナックの歴史思想書』の一部に記されてあった宇宙構成三要素の一つ暗黒エネルギーに関係のある概念なのさ。
 オリンサスさんは、若いとき、コンポレロンの友人から、それとの接触技術を教わったと聞いている。それを若いときはずっと無視してきたが、ハニスさんと知り合ってから、やっと重い腰を上げたように夢中になった。
 ハニスさんがアルカディアと知り合いになったのは、ベリス岬の洞窟で、「ガール文書」の一部を発見してからで、その中に「ジョン・ナックの歴史思想書」があった。その本には二万年以上前に故郷の星のある望遠鏡のことが記されてあった。その名前が、「すばる望遠鏡」。そのプロジェクトが「SuMIRe」。これによって宇宙誕生の神秘がやっと抉じ開けられた。この宇宙の起源138億年前のある瞬間、この宇宙はインフルエーションによって惹き起こされ、ビッグバン現象を起こした。その時、暗黒エネルギーが筋状に「シワ」をつくって宇宙潮流を構成した。この宇宙潮流が宇宙全体を繋いでいる。この宇宙潮流のシワに沿って進むのがジャンプなんだ。
 重要な真理がある。コンポレロンはターミナスのちょうど銀河の反対側に位置していて、シンナックスやヘリコンに近いばかりじゃない。伝説だが、目的地のオーロラ、そして最終目的地の人類のふるさとアタカナに辿り着く道しるべの星なんだよ。単にターミナスの同盟星ということではない。もしかしたら、反ミュールの星にも関係が深い。

 じゃあ、ミーター、それって誰かが、いわゆる「歴史消滅」から幕開けを図って、いよいよある人々にだけ、重要な真実のヴェールを開けつつあるっていうことね!その誰かって!

 そう、イルミナ、勘が鋭い!「不死の従僕」だろうかねぇ!

https://youtu.be/B7EAdAWRfV8

yatcha john s. 『ミーターの大冒険』 オーロラへ 10 「コンポレロン 宇宙潮流 ジョン・ナック」
Photo ∶すばる望遠鏡


ミーターの大冒険 オーロラへ 8 「オーロラ 変異体」

2022-03-31 05:07:35 | ミーターの大冒険
9 ミーター、シンナのオーロラは、綺麗だったわ!カルガンにもオーロラが見えるみたいだけど、オーロラのもともとの意味って分かる?これも図書館には記述がないわ!

 イルミナ、俺もターミナス産だけど、どうも最近のターミナスはおかしい、どこか狂いはじめてる。それも歴史記録消滅のせいかもね。お前のせいじゃないな。
 これもイオスで仕入れた情報なんだが、どうも伝説の故郷の星アタカナの、その伝説らしいんだよ。
 オーロラという気の多い、女神が主神に頼んだっていう話だよ。

 なにを?

 惚れた男が永遠に生きられるように。ところが若いたままでとは頼まなかったんで、彼はどんどん老けてしまって、ひからびて小さくなり、手足も動かなくなり、細い声しか出せなくなってしまった。それで彼女は仕方なく彼をセミに変えてしまった、という残酷な話なんだよ。
 なぜか、その星には謎めいた、秘密が隠されているようなんだよ。人類の遠い昔の物語だけど、なんか真実が隠されているみたいなんだ。

 寂しくもあり、悲しくも哀れな話なのね!
もしかしたらその人間の変異体。ロボットじゃなかったら、ミュールのことかしらねぇ!

 ミュール。ミュールって、うるさいな、イルミナ。
 ミュールは短命だったぞ!
 「変異体」っていうのは正しいかも知れないけど。待てよ、そうかもね。今回の探索任務のキーワードの一つは、「変異体」かも。でかした、イルミナ!

https://youtu.be/cUSl1dc_qCc

yatcha john s. 『ミーターの大冒険』 オーロラへ 9 「オーロラ 変異体」

ミーターの大冒険 オーロラへ 12 「ファウンデーション歴55年」

2021-12-12 15:25:23 | ミーターの大冒険
12 ミーター、あと三回のジャンプでコンポレロンの太陽の星域に入るわ。
 でも、やっぱりハニスさんの発言には納得できないわ。なによ、『時代遅れの風采の相棒君』って、宇宙一の美女イルミネーションに向かって、失礼だわ!

 イルミナ、まだ怒っているのか。あれは、ハニスさん特有の誉め言葉なんだ。なにか新しい情報を掴んだ時によく嫌味な皮肉をいう癖があるんだ。あのコンパーさんの人を煙に巻くような態度じゃない純粋な人間味がハニスさんの性格なんだ。もう少し彼を理解してやった方がいい。
 それにしても、「時代遅れの風采」とはピッタしだわな!今では図書館の設備はスミルナやシウェナの方が見事だから。
 
 なによ、ミーターまで。なぜ、スミルナやシウェナの方が凄いって知ってて言ってるの?
グレディアさんがターミナスで初めたラベンダー農園は、その後、彼女の娘アルカディアさんや孫娘のアルシアさんによってスミルナに移植されたんです。そしてアリシアさんによって、さらにアグロフォレストリーがシウェナに移植されて、両方の星は繁栄したんですからね。みんなターミナスのおかげなんですからね。それで図書館も立派になって。それでもトランターにあった旧銀河図書館の全蔵書は私のところに移転されたのよ。

 ごめんごめん、
 確かに「銀河帝国辞書編纂図書館」という呼び名は古すぎるけどな、ハニスさんが、オリンサスさんの我々に伝えきれなかった伝言について思い返していたところなんだ。ハニスさんは、僕にこの船に乗り込む前に伝えてくれたんだ。

 オリンサスさんが、例のお前の図書館の隣にある「辞典広場」のルイス・ピレンヌ博士の銅像の下で倒れていたところをコンパーさんが見つけて介抱してあげた、ということは知っているよな。実はそこになにか重要な真実を発見して、それを僕らに伝えたかったんじゃないかと思っていたんだが。ずっと気にはなっていたんだ。僕は今、お前の今の言葉でなにか気がついたようだ。

 いわば、ハーディンの秘密がな。すなわちそれは「アルーリンの謎」と言い換えられるってことさ。「辞書編纂財団」のルイス・ピレンヌにも関係があるかもね!

 なによ、回りくどい言い方ね。私のどんな言葉で、ミーターが何に気がついたって言うんですか

 お前の「グレディア」っていう言葉さ。なぜハーディンが彼の次女に「グレディア」という名をつけたかということ。
 お前に確認したい。「銀河百科辞典」第一版は何年に発刊した?

 ミーター、それは確か、ファウンデーション歴55年だわ。それが何か???


 

yatcha john s. 『ミーターの大冒険』 オーロラへ 12 「ファウンデーション歴55年?」




ミーターの大冒険 オーロラへ 10 「コンポレロン 宇宙潮流 ジョン・ナック」

2021-11-27 14:34:43 | ミーターの大冒険
10 ミーター、驚いたわ、ファー・スター2世号は、新たなジャンプを繰り返す度に、もう一つのアクチュアル・フォース(actual force ) を見つけて、それらと摂取、融合して、枯渇したプラズマ・エネルギーを再生しながら飛び続けているわ。

 えへん、それが、ファー・スター2世号の独自で、優秀たる所以さ。これだけは、オリンサスさんの独創性なのさ。「宇宙潮流」に沿って突進する技術なんだ。まるでオリンサスさんが生きてるみたいだ。

 ミーター、「宇宙潮流」って「オリンサス」さんの技術ですって?

 イルミナ、「宇宙潮流」という真理は、ハニスさんが、ベリス岬の洞窟で再発見した、ガール文書のなかの一つ『ジョン・ナックの歴史思想書』の一部に記されてあった宇宙構成三要素の一つ暗黒エネルギーに関係のある概念なのさ。
 オリンサスさんは、若いとき、コンポレロンの友人から、それとの接触技術を教わったと聞いている。それを若いときはずっと無視してきたが、ハニスさんと知り合ってから、やっと重い腰を上げたように夢中になった。
 ハニスさんがアルカディアと知り合いになったのは、ベリス岬の洞窟で、「ガール文書」の一部を発見してからで、その中に「ジョン・ナックの歴史思想書」があった。その本には二万年以上前に故郷の星のある望遠鏡のことが記されてあった。その名前が、「すばる望遠鏡」。そのプロジェクトが「SuMIRe」。これによって宇宙誕生の神秘がやっと抉じ開けられた。この宇宙の起源138億年前のある瞬間、この宇宙はインフルエーションによって惹き起こされ、ビッグバン現象を起こした。その時、暗黒エネルギーが筋状に「シワ」をつくって宇宙潮流を構成した。この宇宙潮流が宇宙全体を繋いでいる。この宇宙潮流のシワに沿って進むのがジャンプなんだ。
 重要な真理がある。コンポレロンはターミナスのちょうど銀河の反対側に位置していて、シンナックスやヘリコンに近いばかりじゃない。伝説だが、目的地のオーロラ、そして最終目的地の人類のふるさとアタカナに辿り着く道しるべの星なんだよ。単にターミナスの同盟星ということではない。もしかしたら、反ミュールの星にも関係が深い。

 じゃあ、ミーター、それって誰かが、いわゆる「歴史消滅」から幕開けを図って、いよいよある人々にだけ、重要な真実のヴェールを開けつつあるっていうことね!その誰かって!

 そう、イルミナ、勘が鋭い!「不死の従僕」だろうかねぇ!

https://youtu.be/B7EAdAWRfV8

yatcha john s. 『ミーターの大冒険』 オーロラへ 10 「コンポレロン 宇宙潮流 ジョン・ナック」
Photo ∶すばる望遠鏡