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仏語、英語学習者。アイザック・アシモフのファン。ノース・ホワイトヘッド思想信奉。縄文志向、仏陀志向。

ミーターの大冒険  エピローグ  第9話   時期の問題か所在の問題か?

2022-09-18 15:16:21 | ミーターの大冒険
77第9話時期の問題か所在の問題か?
ミーターの大冒険 
エピローグ 
第9話
 
時期の問題か所在の問題か?



あらすじ

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ハニス ミーター君、君がいたトランターでプリーム・パルヴァーの時代がようやく過ぎようとしているみたいだな。アルカディアさんがトランター滞在中何を考え、その頃、アルカディアさんの心に重くのしかかっていたことというのは何だったのだろうか?銀河復興の時期の問題か、故郷の星の所在の問題なのかな?

ミーター ハニスさん。なにを藪から棒に、僕に訊くのですか?そういうことについては、ハニスさんの専売特許ですよ。僕は、ずっとアルカディアと一緒にいた、ということで、彼女の側にいて情報を共有できたというだけですよ。もちろん知っていることはすべてお話しできますけど。

ハニス すまん。近頃の習慣でね。俺は、アルカディアさんのその頃の気持ちがどうであったか、集中して考えるようにしているもんで、君に訊いて、自分の納得を、再確認したかったんだよ。
まず「時期」の問題から、じっくり考えたのだがね。
 ドーニックがハリ・セルダンの「心理歴史学」に微妙な修正を与えて、晩年のハリがそれに狂喜して頷いた、という。その根拠は何だったのだろうか?

ミーター ハニスさん。なんという深い洞察力のあるご質問をされますね!そう、アルカディアもその点について、何度も繰り返し自問していました。
 今、その詳細をお答えします。
 ガール・ドーニックの「人類故郷星調査報告書」が、ボー・アルーリンを通して、ハリが亡くなる数週間前に届けられたということです。
そして、それを読んだハリは、深く納得して、後事を二つのファウンデーションに託せたのです。その故郷星の名前は「ガイア」あるいは、別の資料では、「アタカナ」。
 その報告書の中で、特に注目すべき点は、「人類歴史一般仮説」という時間カオス、ガール流に言えば「証古学」の法則、つまり人類は500年をもって固定された文明は交替するというのです。
 そしてその「所在」については、アルカディアは、言い伝えられた銀河の中心、トランターから、「極素輻射体」と同じ原理を使って、銀河中心部の「大ブラックホール」を一直線に飛び越えて、その「極素輻射体」の青色極細照射の直線部分の最終点を、「反対側の端」つまりターミナスと位置付けたのです。
 ここからが、謎解きですよ。ハニスさん。
 もっと正確に言うなら、この煙に巻くような「反対側の端」の意味は、「円には終わりがない」というもう一つの公理からの調整からは逸脱できないのです。
 そう、第二ファウンデーションは、トランターです。
 しかし、ターミナスの偏向によって今や第二ファウンデーションの拠点は破壊されて、別の星に移っているのではないでしょうか?どう思われます、ハニスさん。

 でもね、ここからが本番です。ハニスさん。そして、その逆に、今度はターミナスから始発点にして、その照射をしてみましょう!
 
yactha john s. 『ミーターの大冒険』エピローグ 8 「時期の問題か?所在の問題か?」


ミーターの大冒険  エピローグ  第8話  銀河の希望ポエニッツ号

2022-09-17 19:51:37 | ミーターの大冒険
76第8話銀河の希望ポエニッツ号
ミーターの大冒険
エピローグ
第8話

銀河の希望ポエニッツ号



あらすじ
 アルカディアが81歳で亡くなった。彼女の知人のジスカルド・ハニスはアルカディアに感銘を受けていた。そこでミーターとオリンサスとの面倒をみると同時に、ミーターから彼女の遺言の全てを聞く。ハニスは、ミーターとともに彼女の遺志を継ぐことを決意する。それは銀河復興を成し遂げることであり、危険で無謀にみえる挑戦でもあるのだが...
 ミーターは、ハニスの人柄に感銘を受け、彼の並々ならぬ過去の業績を知る。ハニスとミーターの対話は果てしなくつづいていき、ターミナス最初期のガール・ドーニック、ボー・アルーリン、サルヴァー・ハルディンの関係に及んで、いよいよアルカディアの遺志を継ぐ三人の方向性が見えて来た。

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ハニス ミーター君、大変ご苦労でした。アルカディアさんの悲願の第一段がついに無事に完了した。君の働きぶりは見事だった。『銀河の希望ポエニッツ号』の勇姿が物語ってるじゃないか。

ミーター ハニスさんこそ。いろいろ助けて下さって、僕は嬉しかったし、名誉なことだと思います。出来れば、われわれの考えにターミナス政府が理解してくれればよかったんですけどねぇ。

ハニス それは、残念ながら、この政府は腐って来てる。望むらくはない。秘密裏に進める他なかった。
 それにしてもあの母なるダークマターの威力とやら、信じがたいが、賭ける他ないと言うのかね、ミーター君。

ミーター なにを今さら!きっとアルカディアは間違っていませんよ。ハニスさん。信じてみましょうよ!ドースさんも請け合っていたじゃありませんか。こう言われてたじゃありませんか。

『三人さん。有り難う。あなたたちの勇気はきっと銀河全体の希望となりますよ!このエキスは培養され、大量生産されて、さらに強固な放射能除染液になります。あとは引き続きアルカディアの意向を完遂して下さい。必要なときは駆けつけますから』と。

ハニス う~む、ミーター君。ドースさんはアルカディアさんとそっくりの美人だったなあ。いつかイオス星で、ラベンダーの温泉に入るのも、悪くないかも知れない。

ミーター ハニスさん、なにを呑気なことを!僕はまっぴらごめんですよ。僕はぬるま湯党ですからね。
 そうだ!『銀河の希望ポエニッツ号』を全表面、ラベンダー色に塗るのを忘れた。

yatcha john s.

#ファウンデーションの夢,ミーターの大冒険 #宇宙意識コインシダンス♯宇宙潮流♯美しい気魄♯ノスタルジア #美しい気魄 #精神感応力 #アシモフィスト


ミーターの大冒険  エピローグ  第7話  極素輻射体

2022-09-16 02:13:33 | ミーターの大冒険
75第7話極素輻射体
ミーターの大冒険 
エピローグ 
第7話 

極素輻射体



あらすじ
 アルカディアが81歳で亡くなった。彼女の知人のジスカルド・ハニスはアルカディアに感銘を受けていた。そこでミーターとオリンサスとの面倒をみると同時に、ミーターから彼女の遺言の全てを聞く。ハニスは、ミーターとともに彼女の遺志を継ぐことを決意する。それは銀河復興を成し遂げることであり、危険で無謀にみえる挑戦でもあるのだが。
 ミーターは、ハニスの人柄に感銘を受け、彼の並々ならぬ過去の業績を知る。

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ハニス ミーター君、「極素輻射体」(Prime Radiant )というのが、今一わからない。君のデータベースから探ってみてくれないか!
 
ミーター ハニスさんの研究熱心には舌を巻きます。またここの渚に来ていましたね。どれどれ、端末を見せてください。お役にたてるかどうか怪しいですがねぇ。

ミーター そうですね、ハニスさん。ハリ・セルダンの心理歴史学の研究と密接に関係があるカオス理論を形状的に現出させた機能的道具としかわかりません。ハリ・セルダンの初期の研究同僚のユーゴ・アマリルがそれを頻繁に使用していて、ハリの孫娘ウォンダが幼児の時からそれを遊具としていた立方体、という文脈がアルカディアの『続・追憶の鍵を開けて』に見られます。

ハニス 助かるね、ミーター君。もう少し捕捉してくれたまえ。

ミーター OKです。それに...ハリ・セルダンが初めて心理歴史学の理論の端緒を思いついたトランターのワイ地区の件(くだり)が気になります。なにやら、ハリ・セルダンが、当時宰相であったエトー・デマーゼルが親友のヒューミン自身であったこと、そして当時忌むべき禁断のロボット・ダニール・オリヴォーと同一人物であったことを初めて看破したのが例のワイ地区の事件の時だったのですよ。彼らロボットの「第零の法則」に心理歴史学の真髄を見出だしたと推測できます。
 もしかしたら、『児童のための知識の書』に出てくる「不死の従僕」そのものなのではないでしょうか?
 それにですね、かの不死の従僕は、彼の盟友から引き継いだんだものだったんです。「第零の法則」の継続活動は、その盟友の強い意志だったんですが、その盟友の名前がなんと、「ジスカルド・レベントロフ」!

ハニス なんだって!実に妙だ!ミーター君。オリンサス爺さんから、彼は俺の爺(祖父)さんと若いときからの知り合いで、孫に「ジスカルド」とつけたのは俺の爺さんだって聞いている。なんの風の吹きまわしなんだか?

yatcha john s. 『ミーターの大冒険』エピローグ 8 「 極素輻射体」




ミーターの大冒険  エピローグ  第6話  敵を欺くには味方から

2022-09-15 02:46:31 | ミーターの大冒険
76第6話敵を欺くには味方から
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第6話 
敵を欺くには味方から



あらすじ

 ハニスの直感とミーターの柔軟性のある論理思考が冴え渡る。「心理歴史学」の権威のハリ・セルダンを唸らせた、地球探査の報告書を携え戻ったガールの真実発見とはなんだったのか?
 「微細心理歴史学」という真理なのか?
 ベイタ・ダレルが、ガールの見解を正確に踏襲していた、ということなのか?

 ミュールの必然性とは、ますます展開が際立って来たようだ。

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ミーター ハニスさん、僕のデータでは、サルヴァー・ハーディンの時代とミュールの時代とでは約250年の隔たりがありますが、彼ら同士の関係について何かの真実があると思っているような口振りですね。よかったらこの僕に教えてください。
 大事なことなんですね!

ハニス そうなんだ。ここに身を寄せて貰ってから、そこにターミナスの秘密の根幹部分が隠されているのにやっと気がついてきたんだ。ベイタ文書にハーディンの真意について次のような記録がある。
 「たぶんそれは、心理歴史学者だったら事の真相を悟ったからでしょう─それも、悟るのが早すぎてハリ・セルダンにとって都合が悪かったからでしょう。しかし、われわれは心理歴史学者ではないから、このようにあちらこちらつまずいて歩き、五里霧中でさっぱり真相をつかめずにいる。これがハリ・セルダンの狙いなのですよ」。
 このラベンダー畑のおかげでこの霧が晴れて来た感じなんだね。
「アルーリンの真実」というやつがねぇ!

ミーター アルーリン?あの心理歴史学者ですか。ウォンダとステッティンの仲間第一号の。あのハリに「礼儀正しい盟友」と呼ばれた「ボー・アルーリン」ですね!彼とハーディンの関係について何か?

ハニス 大いにありそうなんだ。ハーディンは根っからの政治人間であったと記録されているが、実はアルーリンの元で心理歴史学の真髄を叩き込まれたんだ。アルーリンは彼を唯一の心理歴史学の後継者と任じていた節がある。

ミーター それがミュールにどういう関係があるんですか、ハニスさん?

ハニス そこなんだよ!ターミナスが生き残り、徐々に銀河の覇権を握るきっかけをつくったのがハーディンなんだがね。そのプロセスというのは、科学技術と宗教という一見場違いにみえる組み合わせによって最初段階は近隣のアナクレオン星域を奪取して行った。銀河全体が原子力技術の忘却によって衰退していくのを横目に見ながら、ターミナスだけが隆盛して行った。他の世界は必然的にターミナスの科学技術の助けだけに命を繋ぐ活路のように仕組んで行った。巧妙なからくりを造り上げて着実に遂行して行った。
 しかしその巧妙な仕組みもついに最近、機能してない。

ミーター ハニスさん。どういうことですか?ハニスさんは、アルーリンとハーディンがそういう筋書きを最初から仕組んでいたと勘ぐっているんですね!

ハニス ミーター君。お見事!ドンピシャだ!流石ホームズの二代目。そこまで分かっていれば、あとは簡単。あとはミュールのことだけだ。

ミーター ハニスさん。ごめんなさい。ハーディンとミュールの関係がもうひとつわかりません。お願いです、ご説明してくれませんか。

ハニス うん、そこなんだよ。「ホルレッゴールの戦い」って分かっているよね。ミュールの勝因は、よく彼の強烈な精神作用力と言われているが、実は原子フィールド抑制機の意味合いの方が重要な気がしている。俺の勘繰りというのは、彼はファウンデーションの科学技術、特に原子力技術に対して、もっと正しく言うなら、原子力を極度に嫌悪していたと理解出来るんだよ。
 その意味で、アルカディアの見解は的を得ている。ファウンデーションの弱点をミュールは的確に利用したということ。

ミーター なんですって!それじゃ、ミュールが正義でターミナスが悪だと言うんですか?
 ガールとアルーリンは私たちターミナスを欺いて来たですって!
 全くの逆??
 にわかには信じられません。ハニスさん!あなたは正気ですか?何のために今までターミナスは戦ってきたんですか?この銀河を復興し、正義を打ち立てるためじゃなかったのですか?あなたの方こそでっち上げじゃあないんですか?

ハニス ミーター君。そんなに怒るなよ。ロボットならもう少し冷静になったらどうなんだ。もう一回、最初からシュミレーションをしてみないかい。冷静に冷静に、真相究明するのが推理探偵の肝だろう。

ミーター わかりました。ごめんなさい。アルカディアも言ってました。「宇宙の謎は神妙、そう簡単には真相は掴めないものだ」と。
 それにしても!ガールとアルーリンの目論見は深淵過ぎます。ロボットの僕にはその論理は、全く把握困難です。その目論見を見事にベイタは深く理解した唯一の人物。そしてアルカディアは祖母の遺志を継いだと。

ハニス ミュールについてだがね。彼の威力は、強烈な精神作用力だと言われているが、彼の存在の由来が、今問題になって来たということなんだ。ミュールの存在を深く探れば、きっとその先に我が人類の故郷、最古の(惑星)世界が見えて来るに違いない。そして、さらにその先に銀河復興が。

yatcha john s.


ミーターの大冒険  エピローグ  第5話  ハニスの気づき

2022-09-13 20:20:06 | ミーターの大冒険
73第5話ハニスの気づき
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第5話 
ハニスの気づき


あらすじ

 アルカディアが81歳で亡くなった。彼女の知人のジスカルド・ハニスはアルカディアに感銘を受けていた。そこでミーターとオリンサスとの面倒をみると同時に、ミーターから彼女の遺言の全てを聞く。ハニスは、ミーターとともに彼女の遺志を継ぐことを決意する。それは銀河復興を成し遂げることであり、危険で無謀にみえる挑戦でもあるのだが。
 ミーターは、ハニスの人柄に感銘を受け、彼の並々ならぬ過去の業績を知る。

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ミーター ハニスさん。よく最近はここに来られるみたいですね!ここの景色は格別ですね!僕もアルカディアとよくここに来ました。なんか、アルカディアは、「銀河のふるさとの星がもし実在するなら、こんな風景の世界」だと僕に呟いたことを思い出します。
 そして、確かベニス岬の洞窟ってこの裏側でしたよね。

ハニス ミーター君。俺を心配して来てくれたんだな。
 この岬の夕日は、綺麗だ。沈みかけの太陽になにかしかの糸口があるとずっと思ってきた。キミのデータベースの情報の整理にはもってこいの場所だからな。
 過去の銀河の歴史の神妙なからくりが見えてくるようなんだ。言ってみれば、隠されている盲点が沈みかけの瞬間に見える気がする。
 例えば、銀河のふるさとの星とトランター、トランターとターミナス。消された人類の歴史記録の結束点の前と後。
 ハーディンのターミナスとミュール。みんな裏と表が一回転して、真実相がなんとなく見え隠れしてきたんだ!
 キミの独り言の中に出てくる、「分かるかね、ワトソン君!」ってねぇ。あれは、『児童のための知恵の書』の一部なのかい?

ミーター そんなこともハニスはご存知でしたか。お恥ずかしい限りです。そうなんです。よくアルカディアと話が盛り上がるときの二人のフレーズなんです。
 僕が「流石、天下のホームズ」と言えば、彼女は決まって僕に「分かるかね、ワトソン君!」と答えたものです。

ハニス ミーター君。沈みかけの太陽になにかしかの糸口があるとずっと思ってきた。

yatcha john s. 「 ハニスの気づき 」