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Ate breve, obrigado!

日々のよしなしごとをそこはかとなく綴るブログ

美少年の軌跡?

2011-02-27 | 映画鑑賞
政治問題とか種々の犯罪なんかをニュースで知ると
ときどき無性にやるせなさや閉塞感をおぼえて
あーーーってなるときがある。

直接自分にかかわることじゃないし、何ができるわけでもないのに
必要以上に世を憂えてみたり。

そういうとき、精神を鎮めるためによく使う手は
ハリウッドセレブを頭に思い浮かべること。

桁違いにスケールの大きい規格外の存在に思いを馳せると
波立つ心が落ち着きを取り戻します。


というわけで(?)「ティーンエイジ・パパラッチ」を観てきました。

感想としては、パパラッチ稼業がどうとか
ローティーンの少年がパパラッチをやることの如何とかいうより

たまたまその子がアイドル性抜群の北欧系っぽい金髪少年だった、
という要素に大きく頼ってる映画だなぁということ。

ティーンのパパラッチというだけではない
付加価値(おもに容姿)がその少年にはあるので
彼を追いかけることだけでは
パパラッチの道徳観とかセレブとの関係性とかいった問題までは
踏み込みきれていなかったと思います。

だって、完全な金髪に青い目をした
子供でも大人でもない危うさみたいなものを持つ14歳の男の子が
自分の顔より大きなカメラを構えながら
大の大人の男たちに混ざってセレブを追っているんだよ。
その絵面だけで話題性十分。
彼自身が人気者になる要素がありすぎる(実際になってるし)。

パリス・ヒルトンなんて彼が目の前に現れるだけで「かわいい!」と興奮。
見た目だけでウエルカムなパパラッチって、なんだそりゃ!

さらに少年自身も自分がどう見られているかをかなり計算した上で行動していて
すごくしたたかだし賢い。ていうかちょっと憎たらしい。

本当はもっといろんなセレブのいろんなパパラッチ観を知りたかったのだけれど
ちょっとその少年のキャラクターが
パパラッチ稼業とは別のところで突出しすぎていたために
期待したよりは物足りない内容でした。


それでもセレブのプライバシー問題に関しては
たぶんパパラッチの一人だったと思うけれど
「有名人のプライバシーは売名行為を行った時点で消滅する」
とピシャリと言ってる人がいて
厳しいようだけどそうなのかもなーと納得しました。

売れるまでは広報担当とか付けて売名しまくるくせに
有名になった途端に撮影拒否だと? ふざけんな!
というのがパパラッチの理屈らしい。

たしかにね。
それが嫌ならパパラッチに追われない別の土俵で成功を目指せばいいわけだし。

その話題についてはパリスが意外としっかりした自覚を持っていて

「パパラッチはうざいけど、ゴシップ写真を撮られることが
私の仕事になってるから仕方ない。
パパラッチはハリウッドの必要悪」

と発言していました。

まぁ彼女は生い立ちからして常人とは違うし
「見られる」ということが好きなんだろうけれど
それしてもなんというかプロだな…というかんじで彼女への見方が変わりました。

あと、セレブゴシップ雑誌の編集者のコメントとして
セレブの私生活を覗き見したいという読者が多いから雑誌は売れていて、
彼らが買うからパパラッチ稼業は成り立つのだと言っていた。
そうだよね。買う人さえいなければ、誰も人に唾棄されながら覗き屋稼業などしないものね。

さらに、そうしてセレブを身近に感じることで
ファンはセレブが友達であるかのような錯覚に陥るのだとも。

(個人的には冒頭で述べたような使い方(?)をさせてもらってるので
セレブを身近に感じることはあまりないのですが…
というより、別世界の人じゃないと精神安定剤としての効果が失われてしまう!)


それより何より衝撃だったのは
14歳のときには多くの女性セレブの目尻を下げさせていた金髪美少年が
1年後にはなんとも残念な成長を遂げていたこと。

縦にも横にも変な風に伸び
顔の肉の付き方もなんかおかしくなっていて
劣化のスピードの速さに驚きました。

このぶんだとあと3年もしたら更にでくのぼうっぽく変貌していそう。
そして10年後には早くもお腹が出始めて
場合によっては頭髪が寂しくなってきたりして…

つまりこれって、一風変わった美少年の
短すぎる旬を記録したPVみたいな映画だったのかな?という気も。

長いつぶやき

2011-02-18 | 映画鑑賞
すこし前、「ソーシャルネットワーク」を観ました。

フェイスブック創業者の成功者の光と影を描いた人間ドラマ。
手にした成功の大きさを考えれば影というほどの影ではないかもしれないけれど。

(ネタばれするので、観る予定のある方はこの先は読まないほうがいいかも・・)



とんでもなく魅力的でないオタク(でも頭は良くてプログラムの才能はある)の主人公が
名門の家柄でスポーツマンのマッチョな双子から
SNSのアイデアをパクってブラッシュアップしてフェイスブックを作る。

その後、事業拡大のために創業時から一緒だった親友を裏切る。

結果、双方から訴えられて巨額の賠償金を請求されれることに。

映画は、フェイスブックの成功の軌跡と
弁護士を交えた3者の協議の場面が交錯しながら進んでいきます。


この作品にはいろいろなメッセージが込められているけれど
いちばん強く打ち出されてるのはたぶん
ひとりの地味な若者がひょんなきっかけで成功をおさめるも
得るものが多いかわりに失ったものも大きいよ、みたいな部分なんだと思う。

実際、事業拡大の流れに乗り遅れて失脚させられてしまう親友や
ネットを通じて傷つけてしまう元恋人への主人公の複雑な感情が
けっこうたっぷり描かれていたし。


ただ、私はあまりそういう部分に集中して鑑賞することができず
最初から最後までなんだかそわそわ落ち着かない気分だった。

初めのうちは「なんだろう、この気持ち悪さは?」
と不思議に感じていた違和感(というか怖さ?)の正体に、中盤くらいでようやく気づいた。

感じたのは、今ある権威が崩壊することへの不安。恐怖。

既成のどんな社会的権威やマスコミとのしがらみも持たず
自分たちのおもしろそうなことだけを
周囲との協調とかすべて無視して選択していく種類の人間。

映画の中の人物たちは私にはそのように見えた。


「その企画、おもしろいの、おもしろくないの? この世界ではおもしいやつが勝ちなワケよ」

なんてことを言ってそうなテレビマン、あるいはアーティストみたいなキャラって
イメージの中では存在するけれど
実際それで本当に「おもしろければ100億かけてもやる」
あるいは「おもしろくないからそんなやつは明日から死んでよし」
というような極端な決断をする人ってなかなかいないと思う。

でも、この映画の中の人物たちはやってしまいそうなんだ。


たぶん私の脳内はとても保守的なのでしょう。

映画を見進めるうち、たいした苦労もせずに着々と成功への階段を上っていく主人公より
「彼にアイデアを盗用された」と憤るも名声などでどんどん差をつけられてしまう
名門出のオボッチャマ2人のほうに、よほど肩入れしてしまいました。

だってさ、別に彼らだってがんばってないわけじゃないんだよ。
ボートでオリンピック出場するほどの実力があるわけだし、
つらいトレーニングだってたくさんしてるし
ちょっと父親の権力をかさに着ようとした描写はあったけど
基本的に「自分たちは紳士だ」っていう自覚はあるし、
主人公のコミュニケーション不全なオタクよりよっぽど出来た人間なのよ。

そんな彼らが出し抜かれ、コケにされることが正当化されていた映画。
極論するとこんな感想を持ちました。
つまり、エスタブリッシュメントの崩壊。ノブレス・オブリージュの精神の終焉。

斜陽メディアに身を置く人間としては、映画の主人公やナップスターのならず者を見て
(ナップスターの人の人格やエピソードなど多分に脚色されていることは承知のうえで)

「ああ、これからはこういうタイプの人たちとかかわり合い、渡り合い、
いずれ負け、使役される(?)時代が来るのか…」

と悲嘆にくれたくもなってくるのでした。

だって、こういうアタマのカタイ人間は
あの世界に行ったら彼らの価値観にそぐうことがこれっぽっちもできず
多大なストレスを被った末に役立たずの烙印を押されそうなんだもの。


(なんだ、結局は自分が安穏と暮らせる場所が浸食されることが嫌なのか。
新興メディアと堂々と対決あるいは共存する自信がないための不安なのか。
そんな気がするなぁ、情けないけど)

MJ forever

2009-12-04 | 映画鑑賞
今年の10大ニュースは、と聞かれて1位に挙げるのは
マイケル・ジャクソンの死だと個人的には思います。

少し前のことになりますが、「THIS IS IT」観ました。

土曜の夜の最終回、ほぼ満席の映画館。

各メディアや口コミでその評価の高いことは知っていましたが
評判は嘘ではなかった。

晩年の彼は、カメラの前に出てくるときはいつも
黒づくめの屈強な男たちに囲まれ、なんとなく猫背で弱々しくて
捕まった宇宙人みたいな悲哀と滑稽さをたたえていたように思います。
皆、そんな彼を異形のものを見るような目で見ていた気が。

でも、この映画のなかのマイケルは全然違う。

というか、本来あるべき姿を取り戻していました。

リハーサルステージで音楽とダンスのなかに身を置くとき
マイケルはその称号「King of Pop」にふさわしい
唯一無二の輝きをこれでもかというくらい放っていました。

そりゃ、全盛期と比べるといまの身体能力は確実に劣っているだろうし
いろいろな衰えもあるのは仕方のないことです。
それでも、あんなパワフルで魅力的なパフォーマンスをやりきることができる人は
ほかにはいないと思うし、これからも出ないかもしれない。

そして、この映画を見た多くの人が同様の感想を述べていますが
マイケルの人柄が本当に謙虚で、純粋で、温かかったのだということ。

スタッフに意見するとき、丁寧に言葉を砕いて
なおかつ相手が傷つかないように配慮しながら説明している姿は
世界のスターとは思えぬくらい謙虚で穏やかでした。

また、完璧なステージをつくるための熱意や
自分の楽曲を知り尽くしているからこそ出せる的確な支持など
これぞ真のプロフェッショナル。

「ファンが喜ぶ曲をやる」というようなことを言って
アップテンポのジャクソン5の曲を息を切らしながらも歌い踊っていたマイケル。

エンドロールが流れた後、自然と客席から拍手がわきおこったこと。

マイケルの全盛期を知らない世代の観客が少なからずいたにもかかわらず
あちこちからすすり泣きの音が聞こえていたこと。

これらの事実は、だれもがこのスーパースターに敬意を表し
その死を悼んでいることをあらためて感じさせます。

ああ本当に、世界の損失。惜しい人を亡くしました。

萬歳!赤壁!

2008-12-11 | 映画鑑賞
先日、ビリーズブートキャンプに入隊しました。

今さら・・・!!

トレーニングの内容はかなりきついし技を繰り出す速度もハンパないしで過酷ですが
うわさの名ぜりふ
「きみたちが今やってるのはなんだ?」「筋トレ!」「違う!ブートキャンプだ!!」
が聞けて大満足です。
しばらくは週末のたびに全身の筋肉を破壊させながら続けてみます。

***
日曜日に念願の『レッドクリフ』を観賞。
もうね、三国志好きの人は絶対観たほうがいいですね
観る前はキャストの顔ぶれに文句つけたりしてましたが、もうそんなことどうでもいいです。
ていうかむしろ一番心配してた諸葛孔明=金城武が意外とよかったことに感激

金城武、最初に『恋する惑星』で見て、一時すっごい好きだったのです。
よくわからないハリウッドデビュー作(なのに単館上映系)を見に行ったはいいが
満足度20%だったことも…
しばらくして熱が冷めてからは全然注目してませんでしたが
この孔明役をきっかけに彼への思いが再燃してしまうかもしれないです

そんなミーハーな面だけでなく、長坂坡の戦いや八卦の陣など、戦いのシーンも見ごたえがあります。
劉備の配下の武将たちの、イメージどおりの戦いっぷりには興奮させられました。
とくに私の好きな長坂での趙雲の勇姿…!
悲愴な決意で阿斗を守り戦い抜くさまに、「おまえこそ、真の無双よ!」と言ってあげたくなりました。

趙雲役の胡軍って、知らなかったのですけど、結構有名な俳優みたいですね。
小鼻の広がりが気になる顔ではありますが、上背があって声がヒーローっぽくて
かなりいい役者さんです。

主役の梁朝偉は今回もまたきれいな女優さんといちゃいちゃしていた…
彼はいつも役得な気がするのは私だけ?

孫権役の張震も以前好きだった俳優なのですが
今のところちょっと弟キャラ的な描かれ方のようです。
後半では呉君としての威厳に満ちた活躍に期待しています。
ところでレッドクリフは『ブエノスアイレス』以来のトニーレオンとの共演? 違うかな??
『2046』にもお互い出てたけど、からみはなかったような…?
とか考えると、さらにドーパミンがビシバシ分泌されてきます。

いろいろあるけどやっぱり中国はすごいなあ。いいなあ。
最近中国語圏の映画を全然見なくなってしまったけれど
これを機にまたチェックしていこうかしら。

後編は2009年4月公開予定だそうで、楽しみ&待ちきれません。
とりあえず無双でもやって気を鎮めるかー