日本の建設会社が今、マッサワから少し離れた地域で二カ所、橋を建設しています。
日中は40度を超える気温。私も実際行って実感しましたが、あの暑さで何かするのは並大抵のことではありません。街も昼間は人がほとんど歩いてません。世界で一番暑いと言われる地域ですから。立ってるだけでクラクラという感じです。


(株)フジタの薬丸所長に橋の建設現場に案内して頂きました。
橋はアスマラからマッサワに通じる主要道路にあります。左の写真に注目。左のかまぼこ型の丸いカーブが70年前にイタリアが作った橋、かなり老朽化しています。その右に今、新しい橋を建設中。土台にあたる橋台を作り、その上に橋げたを…今一本乗っかっているのがわかりますか?橋桁は全部で6本渡します、一本が84tもあるんですって。
今度は右の写真に注目。私が訪ねた時は2本目の橋げたを動かす直前で、運ぶ為に下にロール(黄色)をかませる所でした。大きなトラッククレーンですれば簡単なんだそうですが、すべて人の手中心なので大変!何をするのも日本でするより3倍の時間がかかるそうです。


かっこいい職人さんに会いました!現場で総指揮をとっている山村康裕さん。橋をつくって30数年、盛岡から鹿児島まで日本各所、ボリビア、来年はニカラグアで橋建設の予定だとか。
エリトリアの10ナファの紙幣には橋が印刷されていることを私に嬉しそうに教えて下さったり、「この現場は本当に大変じゃった」と言いながらも優しい目で橋を眺める姿、きっと橋は子どものような感じなんだろうなぁと思いました。
近くに難民キャンプがあるので、働き手はソマリア人が多いのですが、言葉が通じませんから、英語と広島弁のまざった大声が響きます!
「Fasterっ!Fasterじゃ言うとろーがーっ!!」現場には緊張感があります。ハンマーやバールなど道具に名前を張りつけたり様々な苦労があったそうです。教える方も教えられる方も大変です。でも休憩時間になると皆さん笑顔!言葉は通じなくとも雰囲気が良い現場です。
労働時間は朝6~11時、暑い時は4~7時。砂塵や竜巻で目も開けられない状況があったり、全身アセモができたり…毎日水は1.5リットルを2~3本飲んでいたそうですが、山村さんの体重は10kg減ったそうです。

エンジニアの林孝志さんは私が行きの飛行機で出会った日本人!
橋の説明をしている時の表情はこの笑顔!山村さんと一緒で本当に嬉しそう。この暑さで働くことは苦痛だろうと思っていましたが、いやいや…やる気いっぱいです。
「楽しいですよ。ケンカしたり色々ありますけど物が作られていくことはエンジニアとして楽しいです。これが僕の仕事です。」
こんな笑顔で語れる好きなことを、私もいつも持っていたいなと思いました。
およそ一年の予定で春に始まった工事。長さ35m幅11m、大型トラック同士が対面通行でき、歩道もついている橋が完成に近づいています。