近江鉄道13駅の各ホームに、滋賀県立大学の学生が制作した木製ベンチ合計23脚が設置された。
↑写真:滋賀報知新聞より
この取り組みは、近江鉄道線地域公共交通安全再生協議会(会長・三日月大造滋賀県知事)が滋賀県産材の木材を活用した駅待合環境整備の一つで、官学連携プロジェクトとして滋賀県立大学の環境科学部環境建築デザイン学科の学生ら有志で構成される団体「多賀木匠塾」と共同で制作したもの。
↑写真:滋賀報知新聞より(五箇荘駅ホームに設置した「近江巡り」のベンチ )
団体には約90人の学生が通い、木工建築などを学びながら社会貢献活動にも日々励んでいる。同協議会から制作の依頼を受け、昨年12月から各班に分かれ、ホームに設置するベンチやモニュメントのデザインを協議してきた。
その一つ「近江巡り」と名付けたベンチには、背もたれ部分を本線25駅に合わせ板25枚で固定し、駅名とともに近江鉄道のマスコットキャラクター「駅長がちゃこん」をあしらった。そのほかにも近江鉄道の車両をイメージしたベンチなど合計23脚を今年2月に完成させた。
↑写真:滋賀報知新聞より(近江商人をモチーフにデザインした待合室のモニュメント )
この日、五箇荘駅のホームには近江巡りのベンチ1脚と、ユニットベンチ3脚が学生たちの手によって設置された。また、五箇荘駅と尼子駅には、掲示板の役目を担うモニュメントも取り付けられ、市民や観光客が親しみやすい駅を演出した。
「背もたれのカーブは駅を利用する子どもや大人、老人が並ぶ様子を表現した。駅によって少し異なるデザインを楽しんでもらえたら」とベンチのデザインを考案した中野菫さん。てんびん棒を担ぐ近江商人のシルエットをモニュメントにした山内梨紗子さんは「五個荘の文字の五から五角形、近江商人の三方よしの三から三角形を取り入れデザインした」とそれぞれ制作への思いを話す。
リーダーを務めた植松時右さんは「限られた期間でスケジュール管理など大変だったが原案を形にすることができた。多くの人に利用して欲しい」と話した。
<滋賀報知新聞より>