”スローライフ滋賀” 

競泳女子、五輪代表切符つかんだ彦根市出身の「大橋悠依」!

 湖国滋賀県で生まれ育った競泳日本女子のエースが東京五輪へ挑む―。
東京都内で4月3日に開幕した日本選手権の女子400m個人メドレーで、彦根市出身の「大橋悠依」=イトマン東進、草津東高―東洋大出=が優勝し、競泳女子で第1号となる五輪代表切符を掴んだ。

↑写真:京都新聞より

 2021年競泳日本選手権では東京五輪会場となるプールで、他を寄せ付けない大きく、ゆったりとした泳ぎが際立った。
初の五輪切符を手にした大橋は「欲しい色のメダルを取ってこそ、オリンピアンと名乗れると思う」。競泳女子を背負う覚悟がにじんだ。

 走ることも、球技も苦手だった三姉妹の末っ子は彦根市のスイミングスクールで基礎を築いた。
全国では無名だったが、草津東高卒業までに100m背泳ぎや200m平泳ぎなど4種目で滋賀県記録を樹立。
腕全体で水をつかむ技術と、力に頼らない大きな泳ぎは異彩を放った。北島康介さんらを育てた平井伯昌(のりまさ)・日本代表ヘッドコーチの目に留まり、目指す景色が変わった。

 だが、順風満帆ではなかった。極度の貧血やけがに悩み、大学2年で挑んだ日本選手権は予選最下位。宿舎から会場へ移動できないほど落ち込み、「体も気持ちもしんどかった」と水泳を止めることも考えた。10代から活躍するトップスイマーも多い競泳界で才能が花開いたのは21歳。初出場の世界選手権200m個人メドレーで日本新記録を樹立し、銀メダルを獲得。一躍、脚光を浴びた。
 
 今大会の決勝は、予選から3秒以上もタイムを縮めての圧勝だった。五輪代表に届かなかった16年の選考会を振り返り、「ぎりぎりで狙うのではなく(五輪への)通過点として挑めた。5年間の成長かなと思う」と語る。紆余曲折(うよきょくせつ)を経て真の日本エースに成長した大橋が今夏、メダルに挑む。

 レース後、大橋は隣のレーンを泳いだ盟友の清水咲子、谷川亜華葉(あげは)と健闘をたたえ合った。
彦根市にある自宅のテレビで決定の瞬間を見届けた父親の忍さんは「目指してきた夢がかなった」と喜んだ。前回五輪の選考会は3位で惜しくも出場を逃したが、「娘にとって遠い夢だった五輪が現実味を帯びた」という。その後は2種目で日本記録を樹立し、世界選手権でメダルを獲得するなど日本女子の第一人者に。
 4月6日に決勝がある200m個人メドレーでも五輪出場を目指す娘に「ライバルは多いが、頑張ってほしい」とエールを送った。

 幼少期から彦根のスイミングスクールで練習を重ねた大橋。
小学校から高校まで指導した奥谷直史・堅田イトマンスポーツクラブ所長(草津市)は「いつも通りの力を出した結果だろう。彼女にとっては、ここからがスタートだと思う」と語った。最近は年に1度顔を合わせる程度だが、失敗レースの後でも直ぐに泳ぎを立て直す大橋に「気持ちの切り替えがうまくなった」と成長を感じる。今年の初めにも会い、「落ち着いていて、五輪延期などに神経質になっている様子はなかった。元気に本番を迎えて」と語った。
 
 喜びの声は高校の恩師からも。滋賀県立草津東高で担任だった滋賀県職員の藤江隆史さん(彦根市)は「教え子がオリンピアンになるなんて、なかなか経験できない。本番はベストな状態で臨んで欲しい」。
 滋賀県水泳連盟の沢弘宣理事長(大津市)は「大橋選手は国体に滋賀県代表で出場するなど地元を大事にしてくれ、五輪出場は滋賀の小さい子の励みになる。高みを目指して欲しい」と声を弾ませた。

<京都新聞より転載>
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