南城市では、10月20日(土)から28日(日)まで、「半島芸術祭in南城」として、「南城市内各工房とギャラリーすべてをイベント会場(コア会場)として見立て、市内を回遊しながら、芸術の秋を楽しむイベント」が開催されています。その一環として、27日14時から、南城市文化センター・シュガーホールで、アフリカ映画「おじいさんと草原の小学校」が上映され、ロビーでは「アフリカ文化紹介」がなされました。(主催者:半島芸術祭in南城実行委員会・NPO法人レキオウイングス、後援:南城市・JICA沖縄国際センター)
「映画の背景紹介」
「シュガーホール」(さとうきび畑の中の音楽堂)は、南城市佐敷にあり、生の音を大切にする完成された音響空間を備えたホールです。上映開始30分前に到着。「ロビー」の「展示コーナー」には、「映画の背景紹介」「ケニア紹介」「アフリカ写真展」などがあり、来場者が熱心に見ていました。
「ティンガティンガの塗り絵」
「ティンガティンガ」は、エドアルド・サイディ・ティンガティンガが描き始めた、アフリカ・タンザニア発のポップアートです。とてもカラフルで鳥、野生動物、装飾的なイメージ、日常生活、スピリチュアルなイメージなどを描いています。「塗り絵コーナー」では、子どもたちが夢中になって色塗りをしていました。
「カンガの着付け」
「フェアトレード商品の販売」
「カンガの着付け」コーナーは大人の女性に人気です。担当者といろいろやりとりしながら、布を体に巻き付け、鏡に見入っていました。「カンガ」は、東アフリカで衣類や風呂敷などとして広く用いられる一枚布で、スワヒリの格言などをプリントしているのも見られます。展示コーナーの向かいでは、アフリカの民芸品や現地の女性グループが制作した「フェアトレード商品」が展示販売されていました。
上演開始時刻が近づいたので、ホールに入り、席につきました。中央付近には、JICAで研修しているアフリカ人などのために「招待席」が準備されています。主催者あいさつに続いて、ベンソンH.O.オグトゥ「ケニア共和国特命全権大使」のあいさつがありました。……沖縄に、「いちゃりばちょーでー」(一度会ったら皆兄弟)という言葉があるように、スワヒリ語に、「Mlima haikutani lakini binadamu hukutana(ムリマ ハイクタニ ラキニ ビナダム フクターナ)」という諺があります。「山と山は出会わないが、人と人は出会うことができる」という意味です。キリマンジャロと富士山のように、遠く離れた山同士は出会うことがないが、人間同士は、いつかまた出会うことができます。……
「おじいさんと草原の学校」は、84歳で小学校に通うことになった「世界最年長の小学生」-ケニアのキマニ・マルゲと幼い級友、理解者である女教師との交流を、実話に基づいて描いた、英国制作の映画です。……「もっと勉強して獣医になるんだ」と言うマルゲに、女教師ジェーンが、「100歳までかかるわよ」と言う。それに対して、「土に埋められるまで勉強するさ」と応えるマルゲ。「私にとって、自由は、学べる場所に行き学ぶことだ。私は、もっともっと学びたい。過去から学ぶべきだ。忘れてはならないが、前進すべきだ。まだ終わりじゃない、私はあきらめない、過去に打ち勝ち未来を変える。」(映画『おじいさんと草原の小学校』予告編 - YouTube、参照)……
小学校高学年から中学生くらいの、日本の多くの子どもたちに見せ、「生きるとは、学ぶとは、どういうことなのか」を考えさせたいと思いました。事実を真正面から取り上げ、残酷な場面があるにもかかわらず、激しく心を揺さぶられ、清々しい気持ちのまま、見終えることができました。上映に関わったみなさん、ありがとうございました。
「つきしろ広場」で
「アフリカの音楽」と
「ダンス」を楽しむ
映画終了後、「つきしろ広場」で、「アフリカの音楽とダンス」の催しがあり、「ジャンベ」と呼ばれる、アフリカ生まれの深胴の片面太鼓を足にはさんで、素手で叩き出しました。力強くリズミカルな太鼓の響きと、透き通る女性の歌声、……まるで、広大なアフリカの大地で演奏しているようです。演奏に促され、ボランティアや研修生が、踊りながら、広場中央に出て来ました。輪は次第に大きくなり、リズムに合わせて楽しそうに踊っています。……
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