【岡潔の思想】

【地貌季語】『藤沢俳句歳時記』

【地貌季語】『藤沢俳句歳時記』
 一昨日の中七字の埋字の答えは
      雨晴れて「燕(つばくろ)並ぶ」垣根かな     
※詳細の記事は次回に回します。

 本日の記事は【地貌季語】(藤沢俳句歳時記)(藤沢市俳句協会平成13年5月)
 
 今年の1月、句友でもあります藤沢俳句協会の副会長をされている神谷章夫氏より『藤沢俳句歳時記』<(有)湘南グッド・平成13年5月>を「藤沢市俳句協会のホームページ」にUPするため、あらたにワードで打ち込みをしてもらいたい・・・
ということで、わたくしの担当が「鵠沼・辻堂・羽鳥・大庭」地区。

※典比古
 『藤沢俳句歳時記』は、これから立ち上げる予定(年内)の藤沢市俳句協会のホームページにとりあえずupし、その後徐々に、20年の歳月による変化や新しい項目をホームページ上で追加する予定ということです。(神谷章夫さんより)

 このときに二上主宰から以前聞いておりました、「地貌季語」という言葉を思い出した。初めて聞く方もいらっしゃるかと思いますが、まずはこの「地貌」を辞書で調べますと、「地表面の高弟・起伏などのようす。地形。地勢。」(デジタル辞泉)とあり、地理の用語ですが、今この言葉を「地貌季語」として提唱されているのが宮坂静生氏
   
 宮坂静生氏プロフィール(現代俳句協会ホームページ
     
  宮坂氏によると「俳人前田普羅が句集『春寒(しゅんかん)浅間山』(靖文社, 1946)の序文において、自然をすると謂う以前にまづ地貌を愛すると謂わねばならなかった」と述べていることに感動し、氏も使わせていただいているということである。

 このことは今、食の世界でも「地産地消」という言葉があるように、その土地、土地の風土で獲れる農産物、また水産物をその地域消費しようということと相似象でもあるように思います。
 
 「地産地消」「地貌季語」も、戦後これだけ世の中が急激な変貌を遂げたことに対するアンチテーゼのような理念でもありますが、実作中心で、そのようなことはあまり考えたことはなかったのですが、ただ『歳時記』と実景との違和感は、吟行などにでかけるたびに多々感じてはいました。

 そもそもこの『歳時記』自体が京都を中心とした気象の風光、景物やらをまとめたところから発展したという経緯があり、例えば沖縄、東北、北海道の地域においては、かなりの違和感を持つ方が圧倒的に多いのではないかと思われます。

 その反動というか、この『歳時記』自体を、地域の『歳時記』として作成しようという試みが近年多く散見するようになりました。

 わたくしがかかわった『藤沢歳時記』も、地元の俳人のそのような思いから作成されたものでもあり、その「おわりに」には「前会長北澤瑞史が提案された『藤沢俳句歳時記』がようやく日の目を見ることができた。(中略)俳句歳時記というものは本来、季語をタイトルとして解説、例句といったものが多いが、この集は限定された地域のものであり・・・・云々」(歳時記編集委員長・西野洋司)」とありますように、最近では沖縄でも2017年『沖縄歳時記』(文學の森)が出版されています。また小さな地域でも、この『藤沢歳時記』のようなものが、多く作成されているのではないでしょうか。
 また変わった処では『台湾歳時記』(黄霊芝著言叢社2003年)も発行されたという。

※典比古
  文中「北澤瑞史(みずふみ)」とは、わたくしが平成26年まで所属しておりました茅ヶ崎の結社「季」の創刊者です(鹿火屋の編集長でもありました)。
藤沢紗智子著 『北澤瑞史の豊穣世界―秀句鑑賞』(ブログ・ににんより)

 さすがに『藤沢歳時記』作成の頃は、「地貌季語」という言葉は、まだ人口に膾炙されておりませんでしたが、これからはもっとたくさんの、地域を主体とした「地貌歳時記」が発行されるのではないでしょうか。

神谷章夫氏は「湘南アカデミア」で「白南風」句会の講座をお持ちです。
※沖縄歳時記
※台湾歳時記

※尚、中田雅敏著『歳時記の宇宙より』(雄山閣出版・1997年)に「地方歳時記総展望」があり、詳しく書かれています。


     平成13年『藤沢歳時記

   






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