【やさしい俳句入門】(埋字2・中七を埋めてみる)
上五の埋字問題は
雪つみて小さき墓の並びをり 高野素十
ということでした。「雪つみて」・・・「なるほど!」と思いました。
わたくしの書き込みには「海光や」「春の川」「秋の声」とありましたが
記憶に残っているのは、第一案が「海光や」でしたが、「あれ・・これ季語じゃないな!」と。そしていろいろと考えてみたわけです。
松井氏「雪かぶり小さき墓の並びをり 緑蔭に小さき墓の並びをり
紅葉谷小さき墓の並びをり 盆供養小さき墓の並びをり
こんな埋字が出ました。この中で、『盆供養』というのは墓と連想がつきすぎていて少し平凡です。『紅葉谷』というのは作り上げた絵葉書のような景で奇麗すぎます。『緑蔭に』というのも、何か小さき墓に作者が込めた寂しさが出て来ません。緑蔭とした緑の色彩感が少し過ぎるからです。
小さい墓が並んでいる淋しい感じを表わすのには、雪を組み合わせるのが一番効果的だったと思います。『雪つみて』と『雪かぶり』ですが、雪がつむというのは、墓石に雪がのっている状態です。これに対して、『雪かぶり』は、もう少し雪が多く埋もれた感じになります。
とすると、小さき墓はその形がよく見えないので、重点が雪の方にゆき、墓が並んでいることがもたらす淋しさを損うことになります。一応、作者の心に近寄ったのですが、もう一息というところでした。」と。
この松井氏の解説も非常に的確であり、「う~~む、なるほど、なるほど」と相槌を打ちながら読んでいました。
さて今日は【中七を埋めてみる】ということで、次の問題に挑戦なさってみてください。
雨晴れて「 」垣根かな
わたくしの書き込みもありますが、先入観が入ってしまいますので、それは次回に回します。ただこの句には季語がないので、「そうか・・なにかの季語を入れるんだなぁ~」とは思います。
次回は小休止して「地貌季語(ちぼうきご)」という記事をお伝えします。
※埋字2・中七を埋めてみるの正解は、そのときに・・・
※典比古
6月の初めころ、三浦半島で異臭騒ぎというニュースを知った。なんだか気になったので、ちと調べました。
その後再び7月17日もこの異臭騒ぎがあった!!
杞憂にすぎなければいいのですが・・・・
中村修さん「せなにそらにあざ」