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ライ・トゥー・ミー 嘘は真実を語る Season1①

2010-05-23 21:20:37 | Title ラ行

第05話 憎しみの傷跡  Unchained

服役中のラテン系ギャングのボス、マニー・トリロが恩赦により釈放されることになった。最終決定の前に、彼が更正したことを証明してほしいという知事の依頼を受け、ライトマンはリアを伴い刑務所に向かう。面会中のトリロの様子からはウソを示す証拠は見つからないが、なぜかリアはかたくなにトリロの更正を信じようとしない。一方フォスターは、新人消防士の死亡事故の真相を調べていた。彼は仲間の消防士に殺害された可能性があった。

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<ポイント1:平静さをなくさせる策略>
物を食べながら尋問するシーンがあった。日本では考えられないやり方である。挑発に近い無礼な態度で対応されると、通常、人は自分の感情を抑えられなくなる。こうして、攻撃的な本性が隠されていないか否かをテストしただけである。

日本でも、これに類する企てがある。取調べの最中に、別の取調官が入室し、尋問官になにやら耳打ちをするのである。この行為は、被疑者に疑心暗鬼の強い不安を起こさせる。耳打ちの間に、たとえば、頬が微妙に持ち上がり、口角がわずかに力なく下がる悲しみに連なる後悔の念や、後頭部の髪に手を突っ込む羞恥心を示すしぐさなど、被疑者の顔の表情やしぐさに生じる微妙な変化を見逃さなければ、その後、「問うに落ちず語るに落ちる」展開になる可能性がある。第1話にも同じようなシーンが見られた。

<ポイント2:反応時間>
しぐさや表情の意味、効果を測る指標として、それらの出現頻度や反応時間が使われる。表情で言えば、オンセット、ピーク、オフセットの時間がそれぞれチェックされる。例えば、表情の写真を提示して感情を判断させる場合に、反応時間がもっとも早くしかも正確なのは喜びの表情であり、最も遅く認知に手間取るのは恐怖の顔である。

こうして、表情認知の国際比較などが行われる。同じような要領で、幾つかの質問に対するそれぞれの反応時間を比較すれば、反応時間の差異が欺瞞の有無の手掛かりとして利用できる。

複数の人たちを対象とした場合も同様である。質問に対する反応が平均よりもかなり遅い場合は、その場で嘘を練り上げている可能性が考えられるし、反応が素早ければ、事前に情報をキャッチし、準備していた可能性が考えられるわけである。

<ポイント3:表情の読解力の源泉>
表情の読み取りに関して自然に優れた能力を身につけたと思われる女性スタッフに向かって、ライトマン博士が静かにこう言う場面がある。人間は幼児期に虐待を受けると、人の顔色を気にして過ごす。だから感情を読めるようになる。生き残るための適応ゆえだと。

この点では、太閤秀吉の生い立ちは説得力を持つだろう。貧しい育ちの秀吉は、厳しい身分制度の下で虐げられ辛酸をなめつくし、猿眼といわれたよく動く黒く澄み切った瞳で、どんな時でも相手の感情の動きを読む「気働き」が格段に優れていたという。気難しい信長の信頼を得られたのは、一を聞いて十を知り、物事を素早く判断し、実行する戦略に富んだ人物だったところにあるとされる。無論それだけで天下を取れるはずはない。天が味方をし、無欲と至誠から滲み出た天性の笑顔の愛嬌が人々を引きつけずにおかなかったからだとも言われている。ただしかし、博士はこうも指摘する。こうした環境にいなくとも、研究(努力)次第で対人的な感性は高められるのだと。

人の気持ちを察する能力を高める訓練法については、ディーン・アーチャーの考察した簡素で有効な方法がある。SIQ(Social Intelligence Quotient)と呼ばれる。

第04話 結婚の真実  Love Always

次期大統領選に立候補を表明した韓国大使が息子の結婚式で暗殺される計画が発覚した。未然に防ぐため、ライトマン研究所の面々は招待客の微表情や動作から不審者を発見しようとする。だが、実際に銃撃されたのは大使ではなく新郎である息子の方だった。銃を持った犯人はまだ会場の中にいるはず。結婚式を収めたビデオテープを調達し、招待客1人1人の表情や動作を調べるが、犯人らしき人物を見つけるのに苦戦するライトマンだった。

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犯罪が発生したため大使館内に主席者全員が留められた時、年配の男性が自分はVIPなので自分だけ拘束を解くよう、シークレットサービスの係官に要求しているシーンがあった。これを見た女性スタッフが、即座にその人物の勤務先の電話番号と秘書名を尋ね、その嘘を見破ってみせた。なぜ即座に欺瞞行為と分かったのであろうか?

<ポイント1:怒ってごまかす>
犯罪の取調べではこのようなことがある。無実の者が犯罪の嫌疑をかけられ取調べを受けた場合、同じことを繰り返し聞かれても、無実であることを懸命に主張し、感情的な爆発はあまり見られない。他方、真犯人のほうは、アリバイなど何度も聞かれたりすれば、尋問の初期の段階では、大声で怒鳴る様子がよく観察されるという。追求を逃れるために、精一杯虚勢を張り、取調官を煙に巻き、ごまかし通そうとするかのようだ。したがって、取調べでふてくされたり怒り狂うような者は、犯人の可能性が高いと見なされもする。こうした傾向と軌を一にして、怒りを装ったごまかしの典型的な手法がプロの手でいとも簡単に見破られたシーンだったのである。

<ポイント2:暗殺者の顔>
左右の眉の内側が下げられ、同時に引き寄せられ(逆八の字型)、上まぶたが持ち上げられ(目が見開く)、まぶたの下を鼻の方向に引く(目の下の張り)ような形相は、テロ行為を企てている者の特徴とされた。本編では指摘されなかったが、これに唇を硬く締める(唇が横に広がる)要素が加われば、完璧な怒りの表情になる。この4つの要素が揃って現れなければ、怒りとは断定できないのである。ごまかしの怒りでは、見開いた目つきや目の下の張りなど、いずれかの要素が欠けているはずである。実際、暗殺者には、ターゲットを捕らえる直前、逃がすまいと一点に精神を集中する目つきから、獣のように光る異様な眼光が観察されていると言われている。
つまり、テロリストの顔は、目つきを含め、怒りに満ちあふれた憎悪の表情なのである。

<ポイント3:まばたき>
まばたきは、緊張やストレスなど不愉快な感覚が生じると増加する。誠実な人物が嘘をつく場合には、良心の呵責からまばたきが起きるので、まばたきは欺瞞の手がかりとなる。この場合は、相手の質問に対して嘘の答えを練り上げ、情報処理による判断終了後、何秒かして目を集中的にパチクリさせるのである。
涙腺で目を潤すだけなら1分間に6~10回で十分。読書中や会話中、テレビの視聴中などでは、普通1分間に20回(10秒に3回)程度起こる。10秒間に5~6回もまばたきが起これば、その少し前に嘘をついたか、思い出したくない想いが想起されて不快になったか、いずれかであると考えられる。本編の女性は後者であったようだ。
なお、人からの愛情を求めたり、話のしにくい状態で、顔を歪めたり肩をピクリと動かすなど、突発的に示されるチックの初発症状は、頻回なまばたきが特徴である。これは、脳の基底核の発達に問題があるとされている。逆に、何かに注意を集中しているときには、まばたきは止まる。高速道路での車の追い越しの際には、まばたきは起こらない。

第03話 優等生の悲劇  A Perfect Score

連邦判事の娘が殺害され、遺体が公園で発見された。最初は母親が犯人として疑われたが、その後アリバイが立証される。名門進学校に通う優等生と思われていた少女だったが、彼女の葬儀に参列していた友人から衝撃の事実を聞くライトマンとトーレス。激しい競争の裏側に一体何があったのか。一方、NASAの実験機が墜落事故を起こした。意図的な事故だったのか、それとも自殺か。フォスターとローカーは操縦士の発言の真偽を確かめる。

★『ライ・トゥー・ミーを100倍楽しむためのワンポイント心理学講座!』
<ポイント1:自信が揺らいだ時のサイン>
我々が自信を失うと、自分の身体の一部分が自分の身体の別の部分に触れる自己タッチを頻繁に行う。この行為には、自分の気持ちをなだめ、不安を癒し、冷静な精神状態に戻す効果がある。

人の視線を浴び自信が揺らぐ様な強度の緊張感から、両手を無意識に合わせてたたずむ自己タッチなどは、プラットホームや改札口での待ち合わせ場面など日常しばしば見られる。

とりわけ、言葉の切れ目で下唇を上唇に押し上げる動作は、自信の無さを示すが、この根底には悲しみの感情が隠されている場合が多い。このしぐさは、舌で唇を舐めるしぐさと同様、幼児期の口唇愛的な意味を帯びる強力な癒しの効果がある。

一方、眼鏡をかけ直すなどの準自己タッチは、自信を喪失し対応に苦慮している自分を覚醒させ、体制を立て直そうと再起をはかるしぐさである。目や耳をこする自己タッチは、更に一歩進めて、積極的ないし攻撃的な自分に転機をはかるしぐさなのである。

<ポイント2:表情の左右対称性>
頬を持ち上げ目じりにしわを生み出す目輪筋の動きがないと、本心からの喜びではなく、偽りの作り笑いであることは既に指摘した。だが、作り笑いはこれだけではない。感情を司る右脳の働きで顔の左側に感情が出やすく、強く表われる傾向がある。よく観察すれば、その歪みが感じ取れるはずである。

<ポイント3:無表情>
しわ取り注射で顔面の筋肉の動きが無くなるのとは異なり、表情が途中から押し殺されたように表われなくなり、ポーカーフェイスに変わることがある。これは、感情の抑制が働いたためである。こうして中断される直前の表情に、実は真の感情が示されているのである。眉や口などの微妙な動きを想起できれば、相手の気持ちを察知できるはずである。ポーカーフェイスの代わりに、別の表情を偽装して都合の悪い感情を覆い隠そうとすることもある。多くは笑顔が使われる。

<ポイント4:タイミングの取り違い>
声を張り上げてから、ワンテンポ遅れて拳でテーブルを叩くのは、最も触れられたくない核心部分を突かれて狼狽した姿である。怒りのことばを吐いているのに、顔に怒りの表情が遅れて出るなどもよく見られる光景である。声としぐさ、ことばと表情などは、ふつう同時に表わされるのである。

なお、人に願い事をする際、お願いしますということばと同時に頭を下げるのがふつうだが、頭を下げる動作をワンテンポ遅らせると、そこに依頼者の強い願いが込められているというように、相手は伝わりがちである。

第02話 小隊の秘密  Moral Waiver

ある軍隊の部隊長が性的暴行疑惑で告発され、真相を確かめるためにライトマンとリアが援助に呼ばれる。ところが告発した女性隊員はうそをついていることが判明。暴行を受けていたのは別の女性隊員だった。部隊長に彼女への暴行を認めさせるため、ライトマンはある仕掛けをする。一方、大学体育協会に援助に呼ばれたフォスターとローカーは、バスケットボールのスター選手が、大学の寄付者から賄賂(わいろ)を受け取ったかを見抜く。

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<ポイント1:ポリグラフ>
嘘をつくと緊張して唾液の分泌が抑えられるために口は乾き、コメやパンなど物が呑み込めなる。呑み込めなければ偽りありと判定されるなど、古来、中国・インド・ヨーロッパ諸国では、この生理的変化を嘘のサインとして活用してきた。ポリグラフは自律神経系のこうした原理に基づき、イタリア人のチェザル・ロンブローゾー(1985)が開発したが、気が動転して手に力が入り、持っていた卵を割ってしまえば、卵も立派な嘘の判定具とされもする。麻薬を使ったり、バリウムを飲んだりすると、自律神経系の活動が抑制されて、ポリグラフ検査では正確な結果が示せなくなりがちである。すぐれたヨガの修行者であれば、自律神経を自在にコントロール出来るという。

旧ソ連には、ポリグラフの欺き方を教える教訓学校が実際に存在していたと言われている。日本では、ポリグラフは90%前後の信頼性が認められるものの、実施の強制は出来ないし、情緒的な混乱や操作ミスなどで誤判定が起こる。実際には、事前の面接後、5~7個の項目がワンセットにされ、約15秒間隔で、例えば侵入口は玄関か、トイレの窓か、勝手口か、風呂場か、縁側かなどと質問する。幾つかのセットが用意されており、やり方としては、犯行知識法、緊張最高点法、対照法などが組み合わされて使われる。例えば、犯行知識法では、罪を犯した人物だけが知る知識について尋問する。
なお、日本書紀には、熱湯に腕を入れさせ、火傷の程度で被疑者の素性に関する主張の真偽を審判したという記録『盟神探湯(くかたち)』が記されている。

<ポイント2:後ずさり+腕組み>
自分がペテン師と見なされかねないような後ろめたい場に置かれれば、我々は皆、一刻もこの場から退散したいという気持ちになる。それ故に、後ずさりの身体動作があらわれる。同時にこの行動は、腕組みのしぐさが随伴する。腕組みは、脅かされているという感覚が生み出す自己防衛の反応だからである。腕組の意味はこれだけではないが、ここではこれ以上触れないことにしよう。

とにかく、嘘をついたために見破られるのではないかという恐怖感があると、逃走の準備と共に、身を縮めて自分を守ろうとする本能的なしぐさがほぼ同時に生じるのである。

第01話 嘘を見抜く男  Pilot

カル・ライトマン博士は真偽を見抜くエキスパート。パートナーのジリアンたちと共に、法執行機関や政府機関などの事件捜査の援助をしている。ある日、高校の女教師スーザン・マッカートニーが自宅で殺害された。容疑者として拘束されたのは信仰深い一家の息子で高校生のジェームズ。殺害したのは本当にジェームズなのか、調べを始めるカル。一方、連邦議会の議員に買春疑惑が持ち上がり、ジリアンは新たにパートナーとなったリアと共に捜査を進める。

★『ライ・トゥー・ミーを100倍楽しむためのワンポイント心理学講座!』
<ポイント1:握手>
相手の気持ちを推測するのに、手の握り方の強弱や振り方の加減からではなく、手の平の体温に基づいてなされていた。我々が何事かに恐怖を感じると、両足の骨格筋にたくさんの血液が集まり、そのため手の平は冷たく、顔は血の気を引いて白っぽくなるようになる。一時的に身体は動かなくなり、この間に逃げるか否かの判断が下される。と同時に、情動を司る脳はホルモンの分泌を促し、いつでも逃走出来る様に体勢を整える。恐怖という感情は嘘を述べることから生じることも少なくない。見破られはしまいかという恐怖を抱かせるからである。

<ポイント2:握り拳&腕まくり>
我々が怒りを感じると、両手に血液が集まり、手の平は暖かくなる。血圧は上昇しアドレナリンも分泌されるので、激しい攻撃行動も出来る。真実から人の目を逸らせるために、怒りがカモフラージュとして使われる事もある。

<ポイント3:瞳孔の拡張>
実際には、白目と瞳孔の間にある虹彩が直径2ミリから8ミリ近くまで収縮したり拡張する動きを指している。恐怖や怒りや性的欲望で虹彩は広がるのだが、8ミリ近くまで拡張した瞳孔(虹彩)の写真は大変珍しい。男性では女性のヌード、女性では赤ん坊を見ると瞳孔が広がりやすいので、撮影ではそうした工夫があったのかもしれない。ただし、東洋人は虹彩が茶褐色なために、瞳孔の開閉は分かりにくい。そのため、嘘を見破る場合、瞳孔の拡張は有力な手がかりとは言えない。

<ポイント4:微笑み>
本心からの喜びは、水平に広げられた口と目じりに出来る横じわを伴うが、4秒以上示されると作り笑いになる。笑ってごまかす偽りの微笑みには目じりの横じわがない。また、上まぶたが下がることによる細目も見られない。

<ポイント5:表情としぐさの違い>
表情は万国共通である。一方、しぐさは言語と同じ様に国・文化により異なる。例えば、欧米では、恥ずかしい気持ちは額への自己タッチに見られるが、日本では頭を掻くしぐさで示されるなどなど。

<ポイント6:嫌悪の表情>
有害な臭いを鼻孔で防御し、有害な食べ物を口から吐き出す大昔のなごりの嫌悪の典型的な表情については、被疑者の高校生が見事に示していた。それも、犯行とは異なる件の欺瞞と関連する自己嫌悪を強烈に示す表情であった。

[FOXより]


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