最近、お菓子作りをはじめました。
簡単なバナナケーキからはじまって、昨日はルイ14世の王妃マリーテレーズの愛したショコラババロアに挑戦してみました。
中にマリーテレーズの故郷スペインをイメージいしてパインと桜桃を入れたのですが、ショコラババロアのためそもそも入れた意味とは・・・となりましたが、それもまた味ですね。
17世紀、フランスではマリーテレーズがスペイン宮廷で好まれていたショコラを持ち込み、ショコラは大変貴重な品だったようです。
そのため、ショコラは「薬」とも呼ばれていたそうで、完成したショコラババロアを試食しながらマリーテレーズがショコラババロアという唯一の故郷スペインの思い出に浸れるババロアを食べながら彼女はどれだけ孤独な思いをしたのだろうと想像しました。
Versaillesではマリーテレーズがフランス語がたどたどしかった事や、大人しかったことやババロアが大好きだった事を消されてしまいましたが、そんなシーンがあればもっとマリーテレーズがルイに「王妃」という肩書きでしか尊敬されず、ババロアでしか孤独を埋められない心理描写もできたと思います。
最近、キッチンは私の小さな礼拝堂です。
食材やレシピに向き合っている時や包丁で食材を切るトントン、という音に癒されています。
料理を作っている時だけ、孤独、怒り、悲しみ、苦痛の全てが心を癒やせる場所なのです。
私は2000年の映画「ヴァテール」が大好きです。
実在したフランソワ・ヴァテールという一人の料理人の事を題材にした映画で、彼はほとんど台詞がなく料理をしているシーンが多いですがその中にメインデッシュやデザートはどんなに豪華でも、確かな「孤独」を感じるのです。
ニコラフーケがルイ14世をもてなすために3日間催した豪華な宴。
その料理や出し物の中に、衣装が豪華だろうが粗末だろうが「孤独」を誰しもが抱えている。
だから食べて、食べて、食べて、笑ってごまかすしかない。
そんな映画でおすすめです。
次はキッシュに挑戦しようと思います。