
未来のわたしにはどんな色が似合う?
ここ最近、僕のポケモン熱が異常な高まりを見せています。その原因を作っているのは、他でもないセレナちゃんである。
サトシとゲッコウガの絆の力とかカロスリーグでサトシが今度こそ悲願の優勝を成し遂げられるのかとか、今回の『ポケモンXY』は僕にとってこれでもか!ってくらい熱い要素が散りばめられているシリーズなんだけど、なんといっても一番強く主張したいのはセレナちゃんの物語が本当に美しく纏まっていて、今回のシリーズを通して視聴者に伝えたいことが作品を通してきちんと見えてくる構成になっているのが本当に素晴らしいのです。
セレナちゃんって元々は「やりたいこと」が特に決まっていなくて、たまたま2話でプリズムタワー付近で起こったガブリアス暴走事件の生中継に映っていたサトシの姿を見て、サトシに会いたくて旅を始めるわけじゃないですか。まぁ、この時点で歴代のヒロインにはなかったサトシに対する明確な「好意」を抱いている点で個人的にヒロインとしてはもう最大級のかわいさ力を見せてくれたわけですが、ただサトシたちの旅に着いていくだけのままというわけにはもちろんいきませんよね。

ポケモンと見つける夢
わたしのやりたいこと・・・夢って、何かなって・・・時々思ってたんだ・・・
ポケモンマスターになるという明確な「夢」を持つサトシと旅をしていく中で、「サトシは夢を叶えるために頑張ってる。じゃあ、わたしは...?」と焦りを覚えるセレナちゃん。ここでサトシは「焦らず、ポケモンと一緒に見つけていけばいいんだよ!」とアドバイスをしています。何だこのイケメンは・・・と思うわけですが、もちろんサトシなのでラブコメ方面の進展はありません。
とまぁそれは置いといて、このサトシの言葉は後々までセレナちゃんの心に残ることになります。
セレナちゃんの何がかわいいって、サトシの言っていたことをきちんと心に刻んで、自分がピンチになった時、「サトシならきっとこういう時絶対諦めない!」とサトシのことを思い浮かべるところなんですよ。サトシに対する一途な信頼を見せられるともうニヤニヤが止まらないくらいかわいさ力が爆発する。恋する乙女はかわいいっていうアレは、セレナちゃんが証明してくれました。

ライバル
わたしもトライポカロン見てみたい。
ポケモンパフォーマーがどんなことをするのか、すごく見たい!
ポケモンパフォーマーがどんなことをするのか、すごく見たい!
「経験したことに無駄なことは何もない」というサトシの言葉に背中を押され、ポケモンパフォーマーがどういうものなのか見てみたい!と自分の向かう先をきちんと見定めて動き出そうとするセレナちゃんが遂に描かれるシーンは胸が熱くなりました。ここまでくるのに実に39話です。こういう長期的な視点で段々と丁寧にキャラの成長を描けるのはポケモンの強みだと思いますね。
通常の深夜アニメ作品で、3クール目の終わりごろにヒロインが「やりたいこと」に向かって歩き出すなんていう時間をかけて段階を踏む丁寧な構成は尺的にそうそう出来るものじゃないでしょう。ポケモンという長期の枠組みでストーリーを構成できる作品だからこそ、「夢中になれる何かを持っていない」セレナちゃんが、サトシたちとの旅を通じて触発されて、夢を見つけていくという展開を描くのに十分な段階を踏むことが出来る。
もちろん長すぎても問題はあるけど、充電期間が長いほど、動き出した時のカタルシスも大きくなるものです。『ポケモンXY』はそのバランスと話の持って行き方が実に上手いですね。
前に向かって、未来に向かって、そして夢に向かって歩き出そう!という強いメッセージ性のあるテーマとサトシへの好意を膨らませていくセレナちゃんの圧倒的なかわいさ(←これが重要)が相まって、最高の物語を生み出すことに成功していると思います。「夢」と「ラブコメ」の2大テーマは少年・少女たちが織り成す物語の醍醐味です。(強い断定)
自分を探して夢のスタートに立った、1本目のキー

デビュー戦
そして、カロスクイーン・エルさんのパフォーマンスに憧れ、トライポカロンの道を歩むことを決心したセレナちゃん。だが、デビュー戦となるヒヨク大会で彼女は大きな失敗をしてしまう。
スポットライトに照らされ、観客が注目するなか、ランウェイを歩くフォッコがリボンを踏んで転んでしまう。衣装をかわいく魅せようとするあまり、フォッコの目線でドレスアップ出来ていなかったセレナちゃんが招いたミスだった。その場ですぐにやり直して続行していればまた違った評価があったかもしれない。でも、全く予想していなかった事態に、初挑戦のセレナちゃんはどうすることも出来ず、フォッコを抱きしめ、その場にうずくまることしかできなかった。

涙
一生懸命練習して、それでも何もできなかった悔しさ。セレナちゃんが流した涙がなぜここまで視聴者の心を惹きつけるのかと言えば、それは彼女が初めて心から悔しいと思えるもの、夢中になれるものがポケモンパフォーマーとしての道なのだとこの涙が証明しているからです。

決意
わたしチャレンジャーなんだよ
今日やっと夢のスタートラインに立てたの
今日やっと夢のスタートラインに立てたの
今までこんなにも本気で何かに打ちこみぶつかったことがなかった彼女だからこそ、初めての気持ちときちんと向き合ってこれから夢に向かって歩き出していくという演出が映える。
演出としては王道中の王道です。でも、やっぱりこれくらい真っ直ぐに悔しさを乗り越える描写をされると涙腺が決壊するのも無理はない。大きな決意の表情と共に髪を切るシーンとかもう泣かずには見られない...。本当にこの回は、何度見てもジンとくるセレナちゃんにとって原点のお話であり、これからの彼女を形作っていくうえでのターニングポイントともなる重要な回ですよね。

リベンジ
そして、前回の悔しさをバネに迎えたトライポカロン2度目の挑戦で念願の1本目のキーを手にするまでの展開がこれまた最高に燃える。ステージに上がる直前、舞台裏のトラブルでセレナちゃんの衣装が破れてしまう。またもや予想していなかった事態に戸惑うセレナちゃん。が、今回は諦めることなく咄嗟の機転で衣装を上手く直して見せた。
見せ方としてはわかりやすいくらいの演出でした。でもだからこそ成長がわかりやすく、感情移入しやすいのが素晴らしい。前回の失敗の経験があったからこそ、今回の優勝があるのだという展開は王道だけど熱い。セレナちゃんが夢を見つけてから初優勝を果たすまでに80話、年数にすると初回放送からこの時点で約2年近い時間が経過していますから視聴者が感じるカタルシスは相当なもの。ホントね、髪切って以降のセレナちゃん回は神回しかないし、BGMでドリドリが流れるのは反則なんですよ。
そして...夢を現実に近づけた、2本目のキー

ライバル対決
セレナちゃんが2本目のキーを手に入れたトライポカロン・ヒャッコク大会。この大会で注目すべき点は自身にとっては苦いデビュー戦となったヒヨク大会で優勝したライバルであり友達でもあるサナに勝って優勝するところでしょう。

上(ヒヨク大会)/下(ヒャッコク大会)
その証拠にヒャッコク大会におけるテールナーの衣装は、衣装をかわいく魅せようとしてフォッコが歩くことまで考えてあげられずに失敗したヒヨク大会の衣装を踏襲したもの。もちろん今回はテールナーが舞台で動き回ることをきちんと考えられた装いになっています。こういう細かいところまできちんと意識しているところは本当に感心する。

イーブイ
そして、この回はイーブイとの絆を更に深めるきっかけにもなった。観客席でセレナちゃんの大会を応援していたイーブイだが、ムサシのパフォーマンスの花火に驚き観客席から逃げ出してしまう。
イーブイがいなくなったことを知ったセレナちゃんは棄権のリスクを冒して、イーブイを探すことを決断。そんなセレナちゃんの一生懸命な姿を見て、イーブイにも響くものがあったのでしょう。臆病なイーブイが勇気を出してセレナちゃんの元へ駆け出したシーンはイーブイの小さなでも確かな成長を表したものだったと思う。
2度目の優勝とイーブイの成長。ヒャッコク大会はまさに「夢」を現実に近づけた大会だったと思います。
失敗もあったけど、ポケモンたちと乗り越えた、3本目のキー

トラブルは突然に・・・
イーブイのトライポカロンデビュー戦となったレンリ大会。だが、テールナーの枝の上から足を滑らせたイーブイは、ステージに崩れ落ちてしまう。観客たちが注目するステージの中央でうずくまるイーブイ。誰もがヒヨク大会の苦い失敗を思い浮かべるこの状況で、

笑顔
セレナちゃんは笑顔でもって、イーブイを励ます。このシーンの破壊力は凄まじい...。デビューしたばかりの頃は何もできなかった。でも、あれから旅を続けて、たくさん練習もして、自分の夢に向かって取り組んでいく気持ちを再確認して、多くの経験を自分の糧にしてきた。ステージの上で今、自分がすべきこと。それは不安な気持ちでいるパートナーに精一杯の笑顔を向けて励ますこと。そんなセレナちゃんの内面的な成長が色濃く表現されたステージでした。

大事なのは失敗で諦めないこと
優勝は逃したけれど、この大会はデビュー戦でイーブイが楽しめたこと。それこそが最も大きな成果だった。セレナちゃんの笑顔に精一杯応えるために立ち上がったイーブイ。トレーナーとポケモンが一体となって作り出すパフォーマンスの美しさが垣間見えた大会でした。

みんなで乗り越えた、3本目のキー
そして、セレナちゃんが最後のプリンセスキーを手に入れたフレイ大会。テールナー・ヤンチャム・ニンフィア。手持ちのポケモン全員で力を合わせて乗り越える姿は良かった。前回の失敗を思い出し、不安そうなニンフィアに対し、
ニンフィア、失敗しても良いんだよ。
とにかく楽しく踊ればいいの。あなたのダンス、みんなに見せつけちゃお!
とにかく楽しく踊ればいいの。あなたのダンス、みんなに見せつけちゃお!
と、きちんとポケモンの事を見て支えていたのもセレナちゃんが旅を通して成長しているのがよくわかる非常に熱い名シーンだ。
だが、それと同時にセレナちゃんは新たな壁にぶつかることになります。

楽しむこと、楽しませること
ヤシオさん「今日のパフォーマンス、自分で満足できる出来だったかしら?」
セレナちゃん「……楽しく出来たと思います!」
ヤシオさん「……それで?その次は?貴方にはクイーンとして絶対的に足りないものがある。それに気付かない限り、エルには勝てないわ」
セレナちゃん「……楽しく出来たと思います!」
ヤシオさん「……それで?その次は?貴方にはクイーンとして絶対的に足りないものがある。それに気付かない限り、エルには勝てないわ」
ヤシオさんから言い放たれた厳しい一言。ただがむしゃらに「楽しむこと」を大切にしてきたセレナちゃんが「クイーン」になるために足りないもの。チャレンジャーでいることとクイーンになることの明確な差をヤシオさんは指摘している。
マスタークラスを前にセレナちゃんの課題を浮き彫りにし、そこにヤシオさんを絡ませてくる展開は実に上手い。厳しい言葉を突き付けながらもヤシオさんがそれだけ、セレナちゃんに注目していることの裏返しでもあり、今後の展開を期待させる。
セレナちゃんに足りないもの――彼女ならきっと、それを見つけ、克服できるはずだと見込んでの言葉だったように思う。
「今」の自分の全てをぶつけ、「未来」への扉を開いたマスタークラス

「今」の自分の全て
ついに辿り着いた憧れのエルさんとの直接対決の舞台・マスタークラス決勝。自分の全てをぶつけ、挑んだが「クイーン」には及ばなかった。だが、ヤシオさんが指摘した「自分に足りないもの」。それを、エルさんのパフォーマンスを直に見ることで理解し、セレナちゃんは次への目標、自分の課題をきちんと見定める。
エルさんのパフォーマンス…、エルさんの笑顔は、みんなに力を与える…。私、みんなに与えて貰ってばかりだ…
悔しさよりも先に感じるエルさんの凄さ。それもまたエルさんの「クイーン」としての完成度の高さを表しているようでもあった。「クイーン」に必要なものは“与える力”。それはまさに「何もなかった」セレナちゃんがエルさんのパフォーマンスに憧れて夢を見つけたことに繋がるのでしょう。
そして、ここで終わりじゃない。ここからが新しい始まりなんだと。自分がエルさんに貰ったように今度は自分が誰かに“与える”ことが出来るようになりたい。このマスタークラスはセレナちゃんにとって、自分自身を見つめ直すステージになったのだと思う。
マスタークラスの後、可能性を見込まれたセレナちゃんはヤシオさんに「一緒に来ないか?」と誘われるわけですが、その誘いに乗るということはサトシたちとの旅の終わりを意味していました。今後の自分の進む道に迷い悩むセレナちゃん。だがそんな時、彼女にアドバイスを“与える”のはもちろんサトシの役目である。

でもさっ……、迷ってる時間があるんなら、まず動いてみる。それで失敗したって、何かは残る。無駄なことなんて何もないさ!
サトシさんのイケメン発言、効果は抜群だ!もうね、10歳とは思えない発言をちょいちょい残すサトシさん超絶カッコいい。そうだよね。迷ったっていい。あっちにぶつかって、こっちにぶつかって。迷いに迷って歩いてきた道っていうのは振り返った時にどこまでも広がっているもの。ゼロになることは決してないんだよね。長い間、色んな旅を続けてきたサトシが言うからこそ、ずっしりと重みが増す言葉になる。

その先にあるものを、自分でしっかり見つけたい!
何もなかった自分が、夢に向かって走り出すことが出来た。それはサトシたちと旅をするなかで、ライバルに出会い、エルさんに出会い、またたくさんの人と出会って、色んな経験が積み重なったからこそなんです。だから、中途半端に投げ出すことは出来ない。サトシたちとの旅を最後まで遣り遂げて、納得のいく答えが見えたら・・・それがセレナちゃんが出した答え。
ヤシオさんもそんなセレナちゃんの答えを尊重してくれた。きっとこれからの旅を通じてセレナちゃんはまだ得るものがあるのだろう。そして、それはきっと夢に繋がっている。カロスクイーンへの挑戦は、まだまだ終わらない。セレナちゃんが、未来への扉を開ける日が楽しみだ!
ざっとセレナちゃんのこれまでを振り返ってきたけど、初登場時から考えるともの凄い成長したなと感慨深くなる。やりたいことが見つからなかった一人の少女が今やカロスクイーンに挑み、同じ舞台で闘った、次期カロスクイーンに最も近い存在へと成長しました。
「未来のわたしにはどんな色が似合う?」という歌詞の問いに対して、アニメが見せてくれたのは「きっとどんな色だって合うはずだ!」と言う答えだったと思います。未来の可能性――夢の力に限界はない。そう思わせてくれる熱さがセレナちゃんの物語には詰まっていました。
カロスの旅が終わったらきっとセレナちゃんはヤシオさんの元に向かうことになるという現実が待ち受けているのが辛いけど、これからサトシ君とのラブコメ展開に進展があるといいなと思いました。当ブログはセレナちゃんの恋を応援しております。セレナちゃんかわいい!
ただ別れの時が来ると思うと今から心が締め付けられる
本当にXY組のメンバーが好きなんだ
セレナを超えるヒロインなんてそうそういないもの・・・
ハルカが好きだった俺はアドバンス・ジェネレーションが終わった時の虚無感が凄かった
その後のダイヤモンドパールが良作でヒカリも好感持てたからダメージはかなり軽減されたけどね
XYはセレナかわいいし作画良いし話はおもしろいしで現段階でなかなかに評価高いから最終回辛い人多いよな・・・