咲-Saki- 第149局
以下、咲-Saki-本編最新話の感想になりますので未読の方はネタバレにお気を付けください。
(前回の感想はこちら→咲-Saki- 第148局 「助言」 感想)
前回、超早和了りによって場を圧倒する末原さんの前に成す術もなく、咲さんに見せ場がないまま準決勝大将戦の前半戦は終了した。嶺上開花が封じられ、一気にダンラスまで後退し、落ち込む咲さんの前に姿を現したのはやはり和だった。

咲さんが今この舞台に立っている理由――それは、お姉ちゃんともう一度会って、話をするため。そして、長野県予選での強敵たちとの出会いを通じて麻雀の楽しさを再び思い出し、全国にいるまだ見ぬ強敵たちとの麻雀を楽しみにしていたはずだ。
「全部倒す」と言っていた、あの時の強い気持ちはどこに行ってしまったのかと。たった数局、自分の思うような麻雀が打てなかったという理由でどうしてそんなにも弱気になっているのかと。思うような麻雀を打たせてもらえない、そんな強敵たちと戦うことを咲さんは楽しみにしていたんじゃないのかと、和は咲さんに問いかけるのだ。
ホント、今回の和は素晴らしかった。咲さんのことをよく見ていて、なおかつ、思うように打てない時でさえ、「麻雀なんだからそういうこともありますよ」とブレない価値観を持っている和だからこそ、こうやってハッキリとした励ましが出来るんだろうなぁ。こういうところは和の強みだよね。

和の言葉に背中を押され、咲さんは思い出す。自分が今このインターハイという舞台で戦う理由――照とおそらくは宮永姉妹の関係を語る際にキーパーソンになるだろう車椅子の女の子のこと。そして、あの時の思いは今もまだ消えず、自分の中に確かにあるのだと和に伝えるのだ。

今回の咲さんと和の一連のやり取りは完全に長野県予選決勝を彷彿とさせる流れだけど、和の問いかけに直接答えることなく手を引かれていたあの時とは違って、今回の咲さんは和の問いかけに対して面と向かってきちんと答えていて、なんだか成長を感じる演出になっていて良かった。こういうところ、さすがは立先生だなぁと思う。トイレに行く流れはやっぱり同じだけれども...(笑)それにしても、笑顔の咲さんがかわいすぎるよ、もう!
さて、いよいよ決勝進出を懸けた最後の半荘が始まる。席順はネリー、咲さん、爽、末原さんの順となった。
ネリーの親番から始まった東1局だが、この局も末原さんが超早和了りで爽から2000点の出和了り。前半戦から衰えることなく末原さんの勢いが続いているが、ダンラスである咲さんは黙っているわけにはいかない。東2局、親番を迎えた咲さんがついに動き出す。

ホヤウカムイによって、封じられていた前半戦とは違って、「意識が卓全体に通るような」感覚を咲さんは取り戻していた。久しぶりに本編でカッコいい咲さんが描かれるターンか!!と思いきや・・・

末原さんの策がこれまた見事にハマり、咲さんが卓上に及ぼそうとした支配は断ち切られてしまう。なるほど、これは以前にかじゅが衣の支配を逃れようとセオリー外の第一打を切ったときの状況に少しばかり似ている。
まぁセオリー外とはいえ、かじゅはチートイの目を見ていたし、ランダムに切ったというわけではないだろうけど、決まった流れに逆らう行為だから、全体をコントロールするような力には有効に働くこともあるのだろう。
とはいえ、末原さんの言うようにこれはそれなりにリスキーな行為だ。確実に手は遅くなるし、超早和了りを得意とする末原さんにとっては、その局で和了ることを諦めるくらいの覚悟は必要だよね。当然、負けている時にこの手は基本使えない。でも、確かに2位の状態で、かつ早和了りが難しそうな配牌がきた局はただ支配を及ぼされるよりは、はるかに良い作戦だと思う。
いやー、一筋縄ではいかないな準決勝の末原さんは。末原さんがこの準決勝のために用意してきた「対策」はまだいくつかあるんだろうか。
だが、咲さんもまた和を通じて部長から二つの伝言を授かっていた。一つ目は、「末原さんに表情を見られてる」こと。もちろん、咲さんにポーカーフェイスなど出来るはずもなく、この情報は気に留める事しかできない。だが、もう一つの伝言は咲さんがこの窮地を打開する足掛かりとなるものだった。

県予選の前、リアルにしかない表情や動作といった情報を読み取るからこそ強い咲さんは、リアルの情報が一切見えない「ネット麻雀」を打って特訓をするように部長に言われていた。
なるほど、あの時の特訓がここで活きてくるのか。普通では見えないものまで見えている咲さんが、末原さんに「卓全体に通る」感覚を断ち切られ、「見えていた」卓の情報が見えなくなってしまったこの瞬間に!

これこそが、「プラマイゼロ」も「嶺上開花」も封じられ、絶望的な状況に陥った咲さんが部長の「助言」によって見つけた答え。思うように打てない今のような現状にだって立ち向かい、楽しむためにネット麻雀の特訓をしてきたのだと語る咲さんの顔には笑顔が浮かんでいた。
いや、本当に今回は素晴らしかった。咲さんが立ち直ってくれたことも嬉しかったけど、この準決勝で咲さんがまた一つ大きな成長を遂げたことが素晴らしい。
準決勝大将戦の卓を囲んだ2人――爽と末原さんは咲さんに足りないものを秘めていた。難敵たちを相手に圧倒的なビハインドを抱えながらも全てを出し切り、今この瞬間を楽しもうとする爽。そして、怪物たちに翻弄されてもなお諦めず、二回戦の結果に悔し涙を浮かべ、怪物たちに一矢を報いようと「対策」を模索し続けた末原さん。
2人に共通するのは絶望的な状況に陥ってもなお、前を向いて這い上がろうとする強い意志だ。準決勝始まって以降、咲さんは完全に気持ちで負けていたけど、和に背中を押され、このゲームを楽しむのだと笑顔を見せた咲さんは、やっと勝ち負けの混在する勝負の土俵に立てたのだと思う。『咲-Saki-』の世界の神様は前に向かうものを好きでいてくれるはずなのだから。
ネリーの支配する流れ、爽の持つ残りのカムイと五色雲、末原さんの超早和了りとカン封じの対策、超えるべき山は高いけど、何といっても決勝で咲さんを待ち受けているのは山の主だからね。
この準決勝――を乗り越えられないようでは、深山幽谷の化身を攻略することも出来ないだろう。嶺上開花が封じられた状況で和了ってみせた今回の描写は来る穏乃との対決を連想させるものでもあってよかった。
さて、咲さんの和了りによって、点数状況は、臨海:140100点、姫松:123200点、有珠山:77000点、清澄:59700点となった。点差は依然として開いているし、ネリーも爽もまだ余力を残しているから、後半戦もまだ波乱がありそうだけど、立ち直った咲さんの活躍に期待することにしましょう。
次号は休載のため、次回は11月6日発売号で掲載予定。後半戦は咲さんの見せ場がきっといっぱいあるね!
以下、咲-Saki-本編最新話の感想になりますので未読の方はネタバレにお気を付けください。
(前回の感想はこちら→咲-Saki- 第148局 「助言」 感想)
前回、超早和了りによって場を圧倒する末原さんの前に成す術もなく、咲さんに見せ場がないまま準決勝大将戦の前半戦は終了した。嶺上開花が封じられ、一気にダンラスまで後退し、落ち込む咲さんの前に姿を現したのはやはり和だった。

強い相手と戦うの 楽しみだって言ってたじゃないですか
咲さんが今この舞台に立っている理由――それは、お姉ちゃんともう一度会って、話をするため。そして、長野県予選での強敵たちとの出会いを通じて麻雀の楽しさを再び思い出し、全国にいるまだ見ぬ強敵たちとの麻雀を楽しみにしていたはずだ。
「全部倒す」と言っていた、あの時の強い気持ちはどこに行ってしまったのかと。たった数局、自分の思うような麻雀が打てなかったという理由でどうしてそんなにも弱気になっているのかと。思うような麻雀を打たせてもらえない、そんな強敵たちと戦うことを咲さんは楽しみにしていたんじゃないのかと、和は咲さんに問いかけるのだ。
ホント、今回の和は素晴らしかった。咲さんのことをよく見ていて、なおかつ、思うように打てない時でさえ、「麻雀なんだからそういうこともありますよ」とブレない価値観を持っている和だからこそ、こうやってハッキリとした励ましが出来るんだろうなぁ。こういうところは和の強みだよね。

その瞳に映るもの
和の言葉に背中を押され、咲さんは思い出す。自分が今このインターハイという舞台で戦う理由――照とおそらくは宮永姉妹の関係を語る際にキーパーソンになるだろう車椅子の女の子のこと。そして、あの時の思いは今もまだ消えず、自分の中に確かにあるのだと和に伝えるのだ。

守りたい、この笑顔
今回の咲さんと和の一連のやり取りは完全に長野県予選決勝を彷彿とさせる流れだけど、和の問いかけに直接答えることなく手を引かれていたあの時とは違って、今回の咲さんは和の問いかけに対して面と向かってきちんと答えていて、なんだか成長を感じる演出になっていて良かった。こういうところ、さすがは立先生だなぁと思う。トイレに行く流れはやっぱり同じだけれども...(笑)それにしても、笑顔の咲さんがかわいすぎるよ、もう!
さて、いよいよ決勝進出を懸けた最後の半荘が始まる。席順はネリー、咲さん、爽、末原さんの順となった。
ネリーの親番から始まった東1局だが、この局も末原さんが超早和了りで爽から2000点の出和了り。前半戦から衰えることなく末原さんの勢いが続いているが、ダンラスである咲さんは黙っているわけにはいかない。東2局、親番を迎えた咲さんがついに動き出す。

やれるかもしれない――…!!
ホヤウカムイによって、封じられていた前半戦とは違って、「意識が卓全体に通るような」感覚を咲さんは取り戻していた。久しぶりに本編でカッコいい咲さんが描かれるターンか!!と思いきや・・・

支配を断ち切る
末原さんの策がこれまた見事にハマり、咲さんが卓上に及ぼそうとした支配は断ち切られてしまう。なるほど、これは以前にかじゅが衣の支配を逃れようとセオリー外の第一打を切ったときの状況に少しばかり似ている。
まぁセオリー外とはいえ、かじゅはチートイの目を見ていたし、ランダムに切ったというわけではないだろうけど、決まった流れに逆らう行為だから、全体をコントロールするような力には有効に働くこともあるのだろう。
とはいえ、末原さんの言うようにこれはそれなりにリスキーな行為だ。確実に手は遅くなるし、超早和了りを得意とする末原さんにとっては、その局で和了ることを諦めるくらいの覚悟は必要だよね。当然、負けている時にこの手は基本使えない。でも、確かに2位の状態で、かつ早和了りが難しそうな配牌がきた局はただ支配を及ぼされるよりは、はるかに良い作戦だと思う。
いやー、一筋縄ではいかないな準決勝の末原さんは。末原さんがこの準決勝のために用意してきた「対策」はまだいくつかあるんだろうか。
だが、咲さんもまた和を通じて部長から二つの伝言を授かっていた。一つ目は、「末原さんに表情を見られてる」こと。もちろん、咲さんにポーカーフェイスなど出来るはずもなく、この情報は気に留める事しかできない。だが、もう一つの伝言は咲さんがこの窮地を打開する足掛かりとなるものだった。

ネット麻雀
県予選の前、リアルにしかない表情や動作といった情報を読み取るからこそ強い咲さんは、リアルの情報が一切見えない「ネット麻雀」を打って特訓をするように部長に言われていた。
なるほど、あの時の特訓がここで活きてくるのか。普通では見えないものまで見えている咲さんが、末原さんに「卓全体に通る」感覚を断ち切られ、「見えていた」卓の情報が見えなくなってしまったこの瞬間に!

このときのため――!!このゲームを楽しむためだよ…っ!!
これこそが、「プラマイゼロ」も「嶺上開花」も封じられ、絶望的な状況に陥った咲さんが部長の「助言」によって見つけた答え。思うように打てない今のような現状にだって立ち向かい、楽しむためにネット麻雀の特訓をしてきたのだと語る咲さんの顔には笑顔が浮かんでいた。
いや、本当に今回は素晴らしかった。咲さんが立ち直ってくれたことも嬉しかったけど、この準決勝で咲さんがまた一つ大きな成長を遂げたことが素晴らしい。
準決勝大将戦の卓を囲んだ2人――爽と末原さんは咲さんに足りないものを秘めていた。難敵たちを相手に圧倒的なビハインドを抱えながらも全てを出し切り、今この瞬間を楽しもうとする爽。そして、怪物たちに翻弄されてもなお諦めず、二回戦の結果に悔し涙を浮かべ、怪物たちに一矢を報いようと「対策」を模索し続けた末原さん。
2人に共通するのは絶望的な状況に陥ってもなお、前を向いて這い上がろうとする強い意志だ。準決勝始まって以降、咲さんは完全に気持ちで負けていたけど、和に背中を押され、このゲームを楽しむのだと笑顔を見せた咲さんは、やっと勝ち負けの混在する勝負の土俵に立てたのだと思う。『咲-Saki-』の世界の神様は前に向かうものを好きでいてくれるはずなのだから。
ネリーの支配する流れ、爽の持つ残りのカムイと五色雲、末原さんの超早和了りとカン封じの対策、超えるべき山は高いけど、何といっても決勝で咲さんを待ち受けているのは山の主だからね。
この準決勝――を乗り越えられないようでは、深山幽谷の化身を攻略することも出来ないだろう。嶺上開花が封じられた状況で和了ってみせた今回の描写は来る穏乃との対決を連想させるものでもあってよかった。
さて、咲さんの和了りによって、点数状況は、臨海:140100点、姫松:123200点、有珠山:77000点、清澄:59700点となった。点差は依然として開いているし、ネリーも爽もまだ余力を残しているから、後半戦もまだ波乱がありそうだけど、立ち直った咲さんの活躍に期待することにしましょう。
次号は休載のため、次回は11月6日発売号で掲載予定。後半戦は咲さんの見せ場がきっといっぱいあるね!
のどっちが完全に嫁でかわええなぁ
咲さんかわいい
県大会との比較は納得。
あの頃とはお互いの呼び方も違い、和のセリフからも関係がより深まっている印象を受ける。咲さんの精神的な成長も読み取れる良シーンでした。
キャラの心情考察が凄く深い。久しぶりにブログを更新したくなったなあ
あの時の問いにこの回で答えられたわけか
150局目前で熱い回を持ってきたな
最近は咲のエロカットが少ないぞー