Saxophonist 宮地スグル公式ブログ

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仕事の愚痴を言うのは簡単。

2011年11月04日 02時33分36秒 | Weblog
でも、僕はもう言わない。

色々有って、他人にあんまり腹が立たなくなったのもあるし、腹を立てて疲れる事に疲れた・・ってのもある。社会の中で皆それぞれ一生懸命生きてるわけで、それをリスペクトする事がまず僕にとっては重要だ。一生懸命やってない奴は見て見ぬ振りをする。仲間なら救ってあげようと思うけど、他人なら知ったこっちゃない。どうせ、いつか、無駄な時間の浪費をしてる事に気付かされる時が来るだろうし。そういう人間には関わらないに越した事は無い。

人生は短い。だから、無駄にはしたくない。でも、今まで無駄だと思ってた事が全然無駄ではなかった事に気付いたのは最近だ。

10年間ほど、バニーガールが居るようなお店で月に3~5回、弾き語りの御姉様方の伴奏の仕事をしてたけど、客は大声で喋ってるし、ちょっと音量がでかいと店長が走って来て怒る。「なんで、俺はこんな仕事しなきゃならないんだ??」と凄く腹が立っていた。同世代の当時の若手がどんどんメジャーになって行く様子を目の当たりにしていたから尚更である。でも、スタンダード1曲とっても、色んな歌の人が色んなキーで演奏するのに対応しなくてはならない。僕は当時、固定ドで演奏していたので、キーが変わると全く違う曲のように感じてしまい、気持ち悪くて仕方なかった。そこで、弾き語りの御姉様方から相対音感の重要性を教わった。バークリーでは習ってたものの、こんなもの役に立たないと思い込んで適当に試験をパスして来たけど、また一からやる羽目になるとは。(笑) それ以来、そのお店は、聴いてない客をよそに、相対音感でメロディーを歌う訓練の道場と化した。

ライブでは、音楽性の合う仲間以外と演奏するのを極度に嫌っていた。セッション的な仕事で自分の演奏がまずいと平気でリズムセクションのせいにしていた。(まぁ、必ずしも間違いじゃないけど。笑) でも、今考えたら、自分の実力や許容範囲が恐ろしく狭かったのを他人のせいにしていた事に他ならない。ジャムセッションのホストを務めていた時期も有ったけど、同じ様に、自分の演奏が悪いのは素人さんが相手だからだ・・と考えていた。自分のバンドなら、いつでもベストプレーが出来る!と。でも、YouTubeで海外のアーティストのクリニックの様子などを見ていると、全くクオリティーが下がっているわけではなく、むしろ、その一緒にやっている学生バンドのクオリティーまでも引き上げているのが分かる。これこそがプロフェッショナルだと思った。僕の大学時代の仲間達が社会人ビッグバンドを組んで、そのゲストで数回呼ばれたことが有ったけれど、自分が皆の演奏クオリティーを引き上げたとは、とても思えない。自分だけで完結してしまっている。これはプロではないと反省した。

クラブジャズをやらないか?という誘いを受けて、打ち込みをやり始めた。一旦やりだしたら、とことん凝ってしまう僕は練習もほっぽらかして打ち込みに明け暮れた。元々、そういう作業が好きだったというのも有る。その結果、演奏の技量は落ち、やっとこ出来上がったアルバムも批判の的になり、全く売れないアルバムとなってしまった。もう2度と打ち込みなんかやらないと思ってたけど、今、アレンジをやる上では欠かせない自分の能力の一部となっている。バークリーのアレンジの授業の宿題をプロジェクト・バンドというものに演奏してもらって録音して、初めて自分のアレンジの響きを理解していた頃に比べたら画期的だ。音源がリアルなら、スタジオで作業してる感覚だし。


こうして振り返ってみると、なんだ~、全部、今の僕の音楽性や技量を支えてる肥やしになってるじゃん。どれ一つ取っても無駄なものはないという事に気付く。だから、今はどんな仕事でもベストを尽くそうと思うし、どんな状況でも楽しめる方向に持って行ける自信が有る。自分には音楽的な宿題が山のように有って、それはどんな職場でも試す事は可能だ。出来ない事も沢山有って、それが出来た時はウェディングの仕事だろうがライブだろうが嬉しくて仕方ない。そうやって楽しんで演奏してると、自分の意思とは無関係にバンドのクオリティーが上がっている事に気付いたりする。それが、素人さん相手のジャムセッションであってもだ。だから、仕事に文句を言う事はもうないだろう。

えらく長い事かかったけど、やっとプロの仲間入りが出来た様な気がする。(笑)
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4 コメント

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なんてかっこいい! (ばーち)
2011-11-05 08:06:07
SGURUさんの目から、音楽を見てみたいなぁ、と思いました。

私の分からない感覚がたくさんあるんだろうな。

私ももっと深く音楽を感じたいです。

私は私なりに、誰もやってくれないから、簡単なアレンジは自分できるようになってきたから、音楽の聴き方が変わってきました。

いつか、これも生きてくると思います。

とりあえず、やりたいこと(コーラスグループとか)を企画して自分で出来るようになったのは、自分で自分をほめてます(笑)。

楽器弾けるようにならないのにね~。

弾けるようになるまで練習するほど好きじゃなくって(笑)。

よし、私もがんばるぞ!
返信する
頑張りましょう。 (SGURU)
2011-11-05 10:38:30
カッコいいかなぁ~?(笑)

5年ほど前に父を亡くしてから、人生を深く考えるようになり、自分に嘘付いてカッコ良く見せるのを止めようと思いました。そうすると、音楽で如何に自分がカッコ付けて嘘ばかり吹いてるのかが気になって気になって・・・。だから、カッコ悪いとこばかり見せてると思いますよ。出来ないものは「出来ません」と正直に言うし。

楽器が出来なくても、表現したいものが有ればそれを一生懸命やればいいのじゃないかな。自分は、サックス以外に表現したいものが色々有って、そのために他の楽器を一から学んだけど。「仕事を得るため」とかでクラやフルートって吹きたいと思わなかったからねぇ。

お互い頑張りましょう!
返信する
ふかいです(感) (ひろこ)
2011-11-16 11:36:49
スグルさま

その後体調はいかがですか?

私も振り返ると
「こんな仕事なんて!!!」
と嫌な仕事ほど、今自分の武器になっています。

人生苦もありゃ、楽もあるさ
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返事遅くなりました・・。 (SGURU)
2011-11-30 14:28:41
仕事に腱鞘炎に風邪にと大忙しでした。(笑)

最初「不快です。」と思ってドキっとしました。(笑) 多分「深い」・・ですよね?w

先日もブライダルの仕事で、適当に演奏する事無く、折角良いメンバーとジャズが出来るんだから・・と、楽しんで真剣に演奏したら良い事が有りました。新婦のお父さんが、ミュージシャンで岸徹至の知り合いだった・・って言う偶然も有ったり。

世の中、狭くて楽しいデス。
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