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YANAGISAWAマウスピースを新たに購入!

2017年04月05日 22時26分09秒 | instruments
「一生懸命尽くしてくれて、とっても良い娘だし、こちらも愛してあげようと努力はするけど、ある朝、やっぱりこの娘の事は愛してないんだな…と気付く」って事ありませんか?

あ、楽器の話です。(笑)

ずっとマウスピースの事で悩んでました。所有してるモノを片っ端から試すのは勿論、楽器屋で試し吹きしたり、生徒に良さそうなのをちょっと借りて吹いてみたり…。でも、「なんか違う。」がずっと続いて、「やはりコイツか。納得は行ってないけど…」で、ずっと使ってるヤナギサワの旧モデルに戻るの繰り返し。

リードでも悩んでいて、基本的に音色としてはずっと気に入って使ってきたバンドレンの青箱(スタンダード)が体調によっては全く鳴らなくなったり、また、密かに唯一ずっと気になってたのが、音と音の繋がりが悪く微妙に分断されてしまう事。人によっては僕が全てタンギングを打って吹いてる様に聴こえてたという、割と不本意な結果をもたらしてました。そこで最近、思い切って「バンドレンV16」に変えて、ある程度悩みが解消されました。

しかし、旧ヤナギサワにもずっと気になる点が。

現行のオットーリンクに納得行かず、古いオットーリンクに割と近いと感じたヤナギサワのハードラバーを、新宿にあるヤナギサワ・クロッシュで、何度もマウスピース職人の島田行男氏に改造をお願いして、僕の理想に近い「温かくて丸い音色」にして戴いたのだけど、その〇が真ん丸ではなく、横に少し広い楕円形に感じるのです。ちょっと抽象的だけど、倍音の関係でそう感じるのだと思います。そして、年齢のせいか体力が落ちたらしく、発音スピードが遅くなってるのが気になってました。「発音スピード」とは、息を入れてから音になるまでの時間です。音になるまでの時間が長いと、しんどく感じるし、リズムに誤差が生じます。それを逆算して息を入れるため、早めに息を入れる必要が出てきたりします。結果、体調によってはリズムが突っ込んでしまったり、逆に遅れてしまったりとタイトな演奏が難しくなります。

そこで学生時代に使っていた、オットーリンクの6番を試してみましたが、倍音が気に入らないし、開きは狭いのになんだか楽ではありません。息漏れ感がかなりあります。一時期はテナー奏者全員がラバー一辺倒でしたが、最近はメタルを使う人も増えてきました。そこで、リバイユのスタジオモデルを試すと、ストレスフリーでバランス良く鳴ってくれるし、これで行こうかな…と思った矢先、朝のロングトーンで冒頭のセリフになったわけです。メタルの高次倍音がどうしても許せないのです。他人が吹いてる分には全く気にならないのですが。

自分の音に耐えかねて、朝、ヤナギサワ・クロッシュに電話して、板橋の工場の場所を教えて頂き、島田さんに予約して早速行って来ました。今持っているヤナギサワを調整して貰うか、新たにサイズダウンしたモノを買うかは決めかねてましたが。


久しぶりの再会を喜ぶ間もなく別室に通して戴き、早速僕のマウスピースの調整が始まりました。島田さんが僕のオーダーに応えて準備してくれてたヤナギサワのラバーマウスピースも2個。一つ目は6番で市販のもの。うーん、これは持ってるのとほぼ同じ。ちょっと音が硬いので、内径を広くする必要が有るかな。。


2つ目のこれ、なんかデザインもちょっと違う。サイズは7番。多分しんどいだろな。


島田さんが僕のマウスピースを調整する中、試してみると…
何これ??20年以上探してたマッピじゃん!!音がまん丸いよ!本当に〇だ!で、自分の持ってる7番より遥かに楽だ!

一目惚れならぬ一吹き惚れしてしまった僕は、一生懸命、調整を繰り返す島田さんをよそに、音がひっくり返りやすい鬼門フレーズを吹いてみたりする。すると、ちゃんと応えてくれるメチャクチャ高いスペック。これ、買わないと一生後悔するに違いない。あ~、もう気持ちはこのマッピに。「因みにお値段は?」と尋ねると、島田さんのお手製で、素材も製造工程も全く違う特殊なマウスピースらしく、市販のものの2倍のお値段。新しいマッピ+調整代として余分にかなり多めに持って来たお金と同額。う~、どうしよう…とは思ったが、買わないと一生後悔するだろうな…と、即決。


左の調整して頂いてかなり良くなった自分のマッピと比べても段違いで良い音!
「違うシチュエーションで必要になるかも知れないので、それも大切に持ってて下さいね。」と島田さん。はい、そう致します。で、歯形(というか、固定するためにわざと自分で削ったもの)を見た島田さん、「外人さんみたいだなぁ。外人さんは、みんな、こんな深くまで咥えるんだよね。」と。最近、研究した結果、ここまで深く咥える事にしたんだけど、その言葉、ちょっと嬉しい。w


「アフターケアはしっかりやりますので、その証に刻印を押させて下さい。」との事で。
テーブルを削って頂いてサイズダウンして貰う事も相談しましたが、「1週間吹いて貰って慣れるかもしれないので、もし、その後、気に入らなかったらそうしましょう。いつでも対応します。」と。本体のリペアをお願いしているクロッシュの山田さん然り、ヤナギサワの職人さんの実直な態度は信頼に繋がります。


引退されると困る職人さんのお一人。
「こないだ武田真治さんと撮ったけど、爺さんだからヤなんだよね。」と言うのを無理矢理。(笑)


自宅に帰ると、試し吹きの残骸が。


改めて買って来たマッピをじっくり眺める。ノーバッフルです。


内径はガバッと広いです。もう、僕の理想形。

マウスピースは人間でいうところの声帯だと思っています。本体もかなり重要ですが、マウスピースで音色は大きく変わります。長年探して来て、思った出逢いは無かったので、今度こそ…という気持ちは大きいです。でも、これからライブなど現場でこそ真価が問われると思いますし、真実は一つだと思っています。ダメな可能性も当然あるわけです。でも、取り敢えず、自宅で練習してて久しぶりにサックスを吹く事に喜びを感じられました。いやぁ、長い間辛かったなぁ。自分の出す音に満足感が無いと、演奏中にアイディアを出す事も、指を動かす事も義務に近づいてしまうのです。ミスった音でさえ嬉しいなんて久しぶりです。(笑)

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