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テクニカルアナリスト資格試験第2次通信教育講座問題3‐2解答

2008-05-02 | CFTe
8日前の問題の解答です。

 バンドを利用した分析手法にはエンベロープとボリンジャーバンドがある。いずれも移動平均線に対して一定の乖離を持つ伴線を引いてバンドを表示したものである。両バンドは、株価が基本的に移動平均線に絡むように動き、バンドの範囲内に収まる修正に着目し、移動平均線に対する乖離が拡大したところで逆張りすることを基本コンセプトとしている。しかし、特定の状況においては、株価の伴線への到着を、それまでの株価レンジを逸脱して大きなトレンド形式に至る前兆と捉えトレンド追従の売買シグナルと見る場合もある。
 移動平均線の価格に一定のパーセンテージまたは値幅の乖離を持つ伴線を施したものがエンベロープであり、それに統計的な要素を持ち込んで、移動平均の対象期間における株価変動の標準偏差を算出し、その一定倍率の乖離を持つ伴線を施したものがボリンジャーバンドである。
 移動平均線の期間の取り方および売買シグナルを設定する乖離度の置き方(パラメーター)によってバンドから発生するシグナルの頻度とタイミングは大きく変化するため、期間の選択に十分な検討と注意を払う必要がある。期間の選択には株価サイクルの期間を観察し適切なパラメーターを選択すべきである。
 エンベロープの注意点は、上下一方に長期間動いた後に生じたエンベロープからの逸脱は、ドラスチックな急反発、急反落の前兆となる場合が多いので十分注意する必要がある。一方、ボリンジャーバンドでは「バンド・ブレイクアウト」をシグナルとして順張りの利用法がある。その場合の特徴としては、ブレイクアウト以前の株価変動が小幅であることがほとんどであり、その結果標準偏差が縮小しバンドの幅も著しく狭まっておりバンド・ブレイクアウトが起こりやすくなっていることである。
 ボリンジャーバンドとエンベロープとの大きな違いは株価のボラティリティに応じてバンドの幅が伸縮することである。

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