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弁護士の役立つ情報

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債務整理に使える特定調停

2007-05-13 00:35:25 | 破産債務整理
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 特定調停は債務整理の方法として有効な場合があります。

1 特定調停とは、借金の支払いが困難な債務者が、簡易裁判所に申立し、貸主と 返済条件等を変更し、返済を楽にする制度です。

  簡易裁判所は、債務整理の経験を持つ調停委員を選んで、貸主と借主双方の言 い分を聞いて、返済計画を立てます。

2 特定調停を申立すると、消費者金融業者は直接取立てしてはならないことにな ります。
  そして、利息制限法に基づいて利息計算をし直し、支払過ぎた利息を元金に組 み入れて、借入金残高を減らした上で、これを債務者の収入状況に応じて、返済 に回せる金額で、分割弁済のプランを立てるのです。

  本当に、借入金を減らすことができるのかと思われるかもしれませんが、調停 委員は、貸主に対して、これまでの取引履歴(何時、いくら借りて、これまで何 時、いくらを返してきたかの明細)を提出するよう命じます。貸主は通常、これ に回答します(法律上回答義務があります)。

3 このようなことは、任意整理でもできそうですが、弁護士でないとなかなか交 渉は難しいと思います。
  特定調停を利用すれば、裁判所が債務者に替わって、借金整理をしてくれるの で、債務者としては楽です。
  また、特定調停では、複数の貸主を相手方として申立できるので、スピーディ ーに進められる利点があります。
  調停申立費用は、弁護士費用よりかなり安いので、非常にメリットが大きいと 思います。

4 特定調停は、貸主の住所・営業所を管轄する簡易裁判所に申立てます。
  申立に必要な書類は、簡易裁判所で確認してもらった方がよいですが、通常 
 ①特定調停申立書、② 財産状況の明細書、③特定債務者であることを明らかに  する資料、④関係権利者一覧表です。

5 しかし、特定調停で解決できるレースは限られてきます。
  一般的には、借入先が消費者金融業者など、利息制限法を超える利息を取って いるところが多い場合、債務者の収入がそこそこあって、分割弁済計画を立てた 場合返済できる余地があること等の場合有効です。
 
  詳しくは弁護士に相談して下さい。
  現実、私が相談を受けるケースは、債務が多すぎるとか、消費者金融業者以外 からの借入が大半であるとか、収入が少なく返済に回せる余裕がない等の理由  で、特定調停を利用できない場合が多いように思います。

破産手続きの手引き

2007-05-11 00:03:47 | 破産債務整理
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 破産手続きは、最近破産法並びに運用がかなり変わり、ある面で厳しく、ある面で非常に利用しやすく且つ破産者に有利になりました。

 そもそも、破産手続きとは、多重債務者のすべての財産を処分してお金に換えて、そのお金を債権者に公平に分配する制度です。支払い切れずに残った債務は、免責の裁判をもらうことにより、支払わなくてよくなります。

 もっとも、裁判所が、破産財団が破産手続の費用にも足りないと認めるときは、破産手続開始決定と同時に、破産手続を終了させる場合があり、これを同時廃止といいます。実は、破産手続の多くは、同時廃止で終了しています。

 破産財団が数十万円、場合により100万円を超えても、裁判所は、破産手続きを申し立てた債務者(多くは代理人の弁護士がやっています)に、債権者に分配させて、同時廃止をすることもあります。

よくある質問
① 破産手続開始決定後に、取得する財産はどうなりますか?
  破産開始決定時に持っている財産は、原則的になくなりますが(但し、現金で 持っている場合、自由財産として99万円は手元に残せます)、その後について は、全く新しい財産関係となり、いくら多く収入を得ても、支払に回す必要があ りません。

② 破産開始手続きに入れば、消費者金融業者などの支払いは止められますか?
  破産手続きをする旨の通知を出せば、貸金業規制法の規定により、消費者金融 業者は取り立てが禁じられますので、まず心配はいりません。
  もっとも、無登録の悪質な金融業者(いわゆるヤミ金)は、これを無視する場合 があります。このような場合は一度弁護士に相談して下さい。

③ 破産すれば、色々制約を受けたり、資格剥奪されるのではないですか?
  確かに一定の制限や、不自由なことはあります。
  例えば、公法上の資格制限で、弁護士、司法書士、税理士などは資格停止にな ります。宅建業者や、ガードマンなどの警備員、生命保険取扱者も制限されま 
 す。

  私法上の資格制限として、後見人、遺言執行者になれません。株式会社・有限 会社の取締役については、以前は退任事由になりましたが、今では大丈夫です。

  実は一番困るのは、通称ブラックリストに掲載され、銀行・信販会社・消費者 金融の利用ができなることです。5乃至8年程度は、自分名義の借金やローンが できません。


借金生活からの脱却方法

2007-04-19 00:12:24 | 破産債務整理
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 私が弁護士になった30年前から、一番多く手がけた事件は、やはり破産事件だと思います。その次は離婚事件です。

 人が借金を重ねるというのは、永遠無くならないのかな、とさえ思います。破産開始手続きをする場合原因は色々です。分類方法は色々ありますが、同情できる場合と、同情できない、いわば自業自得という場合とに分ける方法があります。
 前者は、他人の保証人になったとか、生活苦から借金した、あるいは不況などの原因による事業の失敗とかが挙げられます。昔はどちらかというと、前者が多かったのですが、最近は後者が多いように思います。

 私達が、多重債務者(特に、消費者金融・信販会社等から借りているケース)から相談を受ける場合、まず債権者リストを作ってもらいます。これには債権者の住所・会社名・借入時期・金額と残高・保証人の有無等を書いてもらいます。
 さらに、相談者の資産状況を尋ねます。①不動産の有無、②預貯金の残高、③生命保険の解約返戻金の額、④動産(自動車)の所有状況等です。

 これらの内容を把握して、どのような手続きを選択するかを決めます。一般的に言って、負債整理の方法には大きく分けて、4つあります。
 1 破産開始手続き
 2 個人再生
 3 特定調停
 4 任意整理
です。
 
 今日は、一番多い、破産開始手続きを説明します。
 破産手続きとは、本来、債務者が持っている全ての資産を処分して、その代金を債権者案分比例して分配する手続です。
 最大のメリットは、破産開始決定後に免責の決定を受けることによって、全ての借金を支払わなくてよいことになることです。

 全ての財産が無くなると、生活ができなくなると思われますが、確かに、持ち家や自動車など、主な資産を保有しておくことはかなり困難です。しかし、家財道具等、生活に必要な資産は手元に残すことができますし、現在の新しい破産法により、債務者が確保できる資産(自由財産)が拡大されました。