朝鮮総連事件で弁護士は逮捕されるか

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１　先日の、朝鮮総連事件を巡っては、引き続きテレビや新聞報道がなされている　が、また新たなことが分かってきて、正直言って、驚いているし意外に思ってい　る。

２　確かに、弁護士も普通の人間であり、色々欲も持ち合わせている。
　　一般的に金銭欲、色欲、名誉欲等が挙げられるが、弁護士もやはり同様であ　　る。
　　勿論並外れた正義感を持ち、金銭欲もなく、人のために尽くすことを弁護士の　使命と考えて、活動している弁護士も少なくない。
　　特に、かなり昔はそのように弁護士がかなりいたと思う。しかし、残念なが　
　ら、最近は正義感に燃えた弁護士は少なくなった。これは、教育や社会の風潮、　道徳観の変遷が影響していると思われる。

３　私達の若い頃は、若い弁護士は多かれ少なかれ、正義感に燃えていた弁護士が　いたと思うし、私自身もそのように考え、お金がなくて困った人から、ごく低額　の弁護士費用で事件処理をしたこともあったし、社会的意義のある裁判の弁護団　に参加したこともあった。

　　しかし、だんだん年を取ると、自分自身の生活を豊かにすることにより関心が　向いてきた気がする。
　　もっとも、ある程度生活に余裕ができてくると、逆に社会的意義のある事件を　手がけたいと思うようになってきた。さらに、本当に困って、救うべき依頼者の　ために無償に近い弁護士費用で引き受けようという気持ちも、強くなってきた。

４　それだけに、緒方元公安調査庁長官が、１億円を受け取っていたことは残念に　思う。確かに、１億円は魅力で、私もこのような立場に置かれたら、断れるかな　と考えることもある。
　　正直な話、絶対問題にならないと保証されていたら、１億円受け取ってこのよ　うなことをする弁護士は結構多いと思う。

５　ところで、最近の捜査の動きを見ていると、検察は本気で、元公安調査庁長官　で、元広島高検検事長を逮捕するのかもしれないと思えてきた。そうなれば、そ　の取引の相手方となった朝鮮総連代理人の、土屋公献元日本弁護士連合会会長も　逮捕されることになってしまう。これは前代未聞のことである。

　　常識的には、起訴猶予になると思われる。そのための布石として、当事者は、　一旦なされた所有権移転登記を戻している。

６　持たれている嫌疑は、第１に、虚偽の所有権移転登記をしたということで、電　磁的公正証書原本不実記録。第２に、強制執行妨害である。

　　重いのは第２の罪だと思われ、実質的に元に戻されていれば、実害が発生して　いない、と考えて、逮捕されず、起訴猶予になる可能性が高いと思っている。

　　しかし、これは果たして世論は許すだろうか。

悪徳弁護士? 朝鮮総連事件

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１　悪徳というと、その後に続く職業は弁護士がよく出てくるような気がします。　医者も使われることもあるが、我々弁護士としては、悪徳弁護士という言葉に敏　感です。

２　弁護士の不祥事が報道されたとき、特に、弁護士が不当な利益を得ていたり、　利益を得るために、法の裏をくぐるような手段を使った場合、非難して、悪徳弁　護士と言われることが多い。

３　最近、朝鮮総連事件を巡って、テレビや新聞報道がなされていることで、彼ら　が悪徳弁護士である、と言う評価がなされ、弁護士全体への風当たりが強くなる　ような気がします。

４　事件の概要は次の通りです。
　　朝鮮総連が、中央本部の土地・建物を売却する契約を、緒方元公安調査庁長官　が社長を務める投資顧問会社と締結したという問題です。

　　契約によれば、この会社が、中央本部を35億円で購入し、所有権移転登記する　が、5年間は総連が買戻できる、この間は総連が家賃を支払う、ということにな　っているようです。

　　総連は、整理回収機構から628億円の債務返還請求訴訟を起こされており、6月　18日の東京地裁で判決言渡しがあり、おそらく敗訴するから、差押がなされ、そ　の後に売買することが不可能になる。そのため、判決言い渡し前に、所有権移転　登記してしまおうということであろう。

　　さらに問題だったのは、総連側代理人が、土屋公献元日本弁護士連合会会長　
　だったことです。
　　緒方氏は元検事で、今は弁護士ですが、土屋氏と司法研修所で同期だったそう　です。同期は、同じ釜の飯を食ったと言うことで、弁護士、裁判官、検事と、そ　の後の進路は別れても、独特の連帯感があります。

５　このような馴れ合い、あるいは気安さから、ついつい、危ない選択をしてしま　ったと思います。

６　持たれている嫌疑は、虚偽の所有権移転登記をしたということで、電磁的公正　証書原本不実記録です。

　　刑事事件として立件しうるかは微妙ですが、検察庁がやる気になって関係者を　逮捕して、徹底的に捜査すれば起訴もあり得ます。
　　しかし、対象が大物だけに、簡単には手が出せないかもしれないし、中途半端　な結末に終わる可能性もあるかな、と興味を持っています。


７　しかし、どう考えても、土屋氏も、緒方氏も、こんな危ない橋を渡ることはな　かったのになあ、という感じがします。
　　緒方氏が記者会見し、「在日朝鮮人の権利を保護したかった」と言ったのは、　どうもそのまま素直に受け取れません。

　　よほど、この事件処理により得られる経済的利益が多かったのかな、と勘ぐり　たくなってしまうのは私だけでしょうか。

弁護士の選び方

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１　弁護士に能力差があることは以前お話ししましたが、大概の事件はどの弁護士　でも解決できると思います。

２　しかし、弁護士によって、得られる結果が異なることは否定できません。
　　強気な弁護士もいれば、弱気な弁護士もいます。
　　強気な弁護士が必ずしも依頼者にとって有利な結果をもたらすとは限らないの　で、なかなか一般の人が、自分にとって合う弁護士を見つけることは難しいと思　います。

３　実は弁護士も依頼者を選んでいます。仕事が少ない弁護士だとどんな事件でも　受けてしまうこともありますが、いわゆる仕事が多く、流行っている弁護士は、　お客さんを選んでいます。

　　弁護士と依頼者は、最近トラブルが発生することが少なくありません。従っ　
　て、無理なことを言うような依頼者、感覚的に合わない依頼者は、引き受けない　ことが、実はあります。

　　しかし、断る場合は、勿論、「貴方は良いお客さんだから、引き受けません」と　は言いません。もっと他の理由を付けます。

４　ところで、皆さんが弁護士を選ぶ場合、どのような点に注意したらよいでしょ　うか。

　　まずは、何人かの弁護士に会ってみることが必要と思います。
　　そこで相談し、まず信頼できる、と感じられるかが重要です。その場合考慮す　る基準は、私なりに考えると以下の通りです。

　①　相性が合う
　　　これは、言い換えれば、相互に理解し合えるということです。
　　自分重要な秘密を話しても大丈夫で、何でも話ができる、ということが大事で　　す。

　②　誠実な態度
　　　誠実な説明をし、質問に対する回答が誠実で、正確である。
　　　すぐ回答できない場合には、はっきりとそのように話し、調査するという態　　度を取る。
　　　時々、大きなことを言ったり、はったりを言う弁護士を見かけますが、この　　ような弁護士は良くないと思います。

　③　弁護士費用が適正で、きちんと説明すること
　　　弁護士費用が、高過ぎても、安過ぎても良くないと思います。安いと、手抜　　きや、無理な事件処理をすることがありえます。

　　　弁護士会への苦情で、しばしば弁護士費用が高いとか、不明朗というものが　　少なくありません。
　
　④　連絡を良くしてくれ、コミュニケーションがうまくいく。
　　　弁護士が忙しくなかなか対応できないことも、実は多く、私自身も反省しな　　ければ行けないと思うこともありますが、逆に弁護士からみて、ストーカーの　　ように、どうでもいいことや、繰り返しの問い合わせの参ってしまうことも実　　はあります。

　⑤　打ち合わせを十分してくれること。
　　　事実関係はやはり十分な打ち合わせにより、よりよく把握できることが多い　　のです。
　　
　⑥　一般的な評判が良いこと
　　　これは紹介者があれば、その人から聞けますし、弁護士との付き合いが多い　　人からも情報が取れます。

不倫関係は何故ばれるのか?

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１　最近の相談や、離婚事件、慰謝料請求事件で、不倫関係がテーマになることが　とても多い。

２　不倫は文化だと言った、タレントがいたが、これがひとたび表に出て、その配　偶者にばれると、単に文化だと言っていることはできない。一般的に、不倫に寛　容な配偶者は少ないと思われる。
　　たいがいは、離婚騒動にまで発展することが多い。
　
３　勿論、男性が不倫された場合は、子供のため、あるいは離婚した場合の世間体　の悪さ、現実に家事などの関係で１人でやっていけない、財産の清算など煩わし　い問題を処理するのが嫌だ、という理由で、離婚を断念することも少なくない。

　　女性の場合は、経済的に１人ではやっていけないとの諦めの気持ち、今後絶対　女性関係を持たないと誓約してくれれば、許せるという、古来より女性が持って　いた(?)寛容な気持ち、子供が可哀想だとの気持ちから、離婚を思いとどまるこ　とも少なくない。

　　しかし、最近は、女性の方が、経済的に強い場合が増えてきたことや、女性が　男性よりも、相対的に、精神的にも強くなり、自立心も高まってきたことから、　男性の不貞を許さなくなってきた。

４　それにしても、男性の不貞は何故簡単にばれるか。一般的に男性は不用意な面　があると思われる。不倫の痕跡を残さないように注意をしていない。又、女性　　は、本能的に、夫の不貞に敏感で、いわゆる第六感もよく働く。

５　以前は、不貞の証拠として、不貞関係にある相手方との手紙や、不倫の内容を　書き綴った日記(女性の場合家計簿に書くことも時々見られた)、ラブホテルの領　収書や割引券、興信所の調査記録などを提出していた。

　　最近多いのは、携帯電話のメール(プリントアウトしたり、写真を撮って証拠　とする)、電話局などから取り寄せた電話の履歴やパケット通信履歴である。特　殊なものでは携帯電話の、文字を入力した場合、過去に打った文字が、次々につ　ながって表示される機能を利用して、過去のメール内容を再現するという場合も
　ある。

６　しかし、これらの証拠で、一発で離婚を認めさせることがなかなかできにくく　なっている。相手方も色々な反論言い訳を用意しているからである。
　　
　　従って、本当の現場を押さえて、自白を録音テープに残すということが必要と　なってくる。