6月30日松下幸之助一日一話(松下幸之助.com)
健康法はなくても
私は若い頃から病弱であったが、戦中戦後の無我夢中で働かざるを得ない時期を経て健康体になり、いまもまだ元気でいられる。健康法と言えるものは何もないといっていい私にとって、これは考えてみればまことにありがたいことだし、ほんとうに不思議なものだと思う。
しかし、これまでの歩みを振り返ってみると、私は、一つの仕事が成就すると、またすぐ次の仕事をと、たえず目標を持って努めてきた。いま静かに思うと、その繰り返しの中に張り合いがあり、そこにいわば死ぬに死ねないとでもいうか、一種の緊張感がみなぎっていた。そこに生きる張り合いを感じ、毎日を過ごしてきたように思うのである。
2013年6月30日天声人語(OCN朝日新聞デジタル)
天声人語
▼地方選挙とはいえ大きな注目を集めた都議選が終わり、通常国会も幕を閉じた。7月21日投開票の参院選に向けて、日本の政治が一散に走り出した6月の言葉から
▼首相は上機嫌だが、アベノミクスは日本中で歓迎されているわけではない。北海道の十勝地方で牛を育てる湯浅佳春(よしはる)さん(63)にはエサ代の値上がりが痛い。「都会でもてはやされているけど、地方は負担が増えるばかり。もう限界だ」
▼経済優先の傍らで、忘れてはならないことがある。ノンフィクション作家の柳田邦男さん(77)は「株価上昇の歓声の中で、福島で苦しんでいる人々の訴えと教訓は片隅に追いやられつつある。この国の品格が問われています」と本紙に語った
▼沖縄戦の記憶はいまも地元の高齢者の心に傷を残す。伊江島の平安山(へんざん)ヒロ子さん(77)は9歳の時、4歳の妹を失った。10年ほど前から精神疾患の症状に苦しんでいる。「なぜ私は生き残ったのか」と自問を繰り返す。「ごめんね、ごめんね」▼ネット選挙がようやく解禁される。陣営に作戦を伝授するITコンサルタントの高畑卓(すぐる)さん(36)は大忙しだ。フェイスブックへの投稿はどうすれば効果的か。指示は細かい。「毎月24、25日は給料日前で気持ちに余裕がない人が多いから、ふざけた投稿は避けたほうがいい」
▼投票率はどうなるか。千葉市長の熊谷俊人(くまがいとしひと)さん(35)は政治不信からの棄権はおかしいと訴える。「それは政治過信ですよ。誰に任せても生活は壊れないと思っているわけでしょ」
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