1986 年、ブドウ畑を掘削して湧出した温泉。山口温泉のある旧竜王町域は、70 年に人口が 1 万人を突破すると、86 年まで毎年 1000 人を超える増加を見せ、約 3 倍の人口に到達している。急激に農地が住宅地へと変貌して行く中で、誕生した温泉である。
住宅地の中にある普通の家のようで、外観からは温泉らしさは感じられない。内湯、露天とも石造りの浴槽で、かけ流し量が多い。特に内湯は竜頭の湯口からドバドバと注がれ、すべてかけ流されている。黄褐色透明の泡々の湯で、8 人サイズの浴槽の 1/3 程度は泡で白濁して見えた。露天は石の湯口が 2 つあり、こちらも十分なかけ流しである。露天ではモール臭も感知された。
好みの黄色く澄んだモール泉で、ドバドバのかけ流し。モール系の良泉が多い山梨県内でも屈指の名湯と認識しているが、北海道の「民宿つるい」が廃業し、大分の「北之園温泉」が休業状態の今、全国でも最高のモール泉かもしれない。
(2017 年 4 月)
◆源泉情報◆
源泉名:-
泉質:ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉
湧出量:686 l/min
泉温:41.6℃
成分:pH7.56、溶存物質 1341 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。
ナトリウムイオン | 327.9 (81.35) | 炭酸水素イオン | 532.3 (50.69) |
マグネシウムイオン | 16.9 (7.93) | 塩化物イオン | 295.7 (48.4) |
メタケイ酸 | 109.8 | 遊離二酸化炭素 | 48.8 |
分析日:1986 年 8 月 18 日
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