かなりの山の中であるが、ここも静岡市内である。嘘か誠か、開湯は神話の時代までさかのぼり、応神天皇から黄金の湯の名称を賜ったと伝わっている。徳川の時代になると、金の産地としても重用され、大御所として駿府城を居城としていた家康も入浴した記録が残っている。
清香旅館の浴室は内湯のみで、高低差のある 2 段の浴槽の上段が非加温の源泉かけ流しで、下段は加温循環となっている。上段の湯は下段にオーバーフローし続けているので、下段も循環かけ流し併用になろう。循環湯口はちょうど上段と下段の仕切りの辺りにあり、循環湯が仕切りではねて上段にコンタミしていたので、他に誰もいなかったのをいいことに湯桶を使ってガードを築いて入浴した。
上段の非加温浴槽は不感温帯で、白い浮遊物、腐ったような硫黄臭と味、ツルスベ感のある湯であった。下段は適温で、白い浮遊物はこちらの方が多かった。
梅ヶ島温泉は、12 の源泉を混合して各旅館に分湯している。温度がやや低いため、加温しているところがほとんどであるが、ここは非加温源泉も味わうことができるのでお勧めである。
(2019 年 11 月)
◆源泉情報◆
源泉名:混合泉 (梅ヶ島 1 号~12 号)
泉質:単純硫黄泉
湧出量:186.5 l/min
泉温:38.2℃
成分:pH9.6、溶存物質 248 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。
ナトリウムイオン | 65.8 (96.62) | 炭酸イオン | 44.0 (47.27) |
メタケイ酸 | 58.1 | 硫化水素イオン | 12.5 (12.22) |
ガス成分 | 0.0 | チオ硫酸イオン | 11.4 (6.43) |
分析日:源泉名、湧出量、泉温は「梅ヶ島温泉郷国民保養温泉地計画書(環境省、2017 年、分析は 2015 年 11 月) から、他は 2009 年 10 月 22 日の分析表から。
採水地では、ガス発生ありとのこと。
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