猿ヶ京温泉は沼田から苗場へ抜ける国道 17 号線沿いに立地している。開湯は 400 年前と伝わるが、面白いのは当地の名前の由来。後北条氏と対峙する長尾景虎が三国峠を越えてやって来た際、関八州を治めることを暗示する良い夢を見た。その日が、申年の申の月の申の日だったそうで、さらに景虎の生まれも申年だったことから「申ヶ今日」となったとか。調べてみると、景虎の出兵は 1560 年 8 月 26 日のことだそうで、実際に申年の申の月だった。
仁田屋 (にたや) は、朝から立ち寄りを受け付けてくれる付近ではありがたい旅館である。
内湯と露天に湯舟が 1 つずつあり、内湯の湯口では缶の甘酒が温められ、販売されていた。これは湯舟に浸かりながら飲んで、あとでお金を払うのだろうか?浴室まで商売っ気を持ち込むのには閉口したが、温泉はかけ流しで悪くない。露天は、内湯に注がれた源泉のオーバーフローであるが、こちらも循環なし。硫酸塩泉であるがビリビリ感はなく、その代わりに体表がキシキシとコーティングされるような感じがした。普段は内湯の湯底からバイブラが作動しているらしいが、訪問時には止まっており、バイブラが好きでない私には静かに入ることができてよかった。
(2017 年 2 月)
◆源泉情報◆
源泉名:町有 1 号泉
泉質:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉
泉温:59.7℃
成分:pH7.6、溶存物質 1546 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg)。
カルシウムイオン | 230 | 硫酸イオン | 654 |
ナトリウムイオン | 215 | 塩化物イオン | 245 |
メタケイ酸 | 82.8 | 炭酸水素イオン | 70.2 |
分析日:2003 年 3 月 18 日
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