霞ケ浦湖畔ののどかな蓮田の中にあり、要塞のような立派な石組みが異質で目を引く。元は日本マクドナルドの創業者の別荘だったそうで、その死後、しばらく放置されたのち、2016 年から旅館として営業している。温泉がもともとあったのか、旅館を始める際に掘り当てたのかは不明。
2020 年現在、立ち寄りでは入浴することができない“のみ不可”の旅館である。霞ケ浦が一望できる展望風呂、石造りの大浴場、また一部の部屋にもメタケイ酸の項による規定泉が引かれている。
展望風呂と大浴場は時間ごとの男女入れ替え制で、日の入り時は展望風呂が男性の時間となる。展望風呂は循環であまり温泉らしさは感じられなかった。大浴場には樽風呂もあり、樽風呂のフローと新たな源泉が石造りの湯舟に注がれているよう。やや熱めに沸かされていたが、ツルスベ感があり、湯口では沼っぽい硫黄のにおいが感じられた。温泉にはあまり期待していなかったのだが、オーバーフローしているのを見て感心してしまった。部屋の風呂はこじんまりとしており、庭の池や滝の景も目隠しで見えなくなってしまったが、自分で湯温を調整して湯を張ることができる。加温し過ぎぬようぬるめの湯を張ったが、常時、水面下から湯が投入され、これが気持ちよい。泡付き、ツルスベ感が感じられ、ごくまれに茶色も藻屑様の浮遊が見られた。
霞ケ浦から筑波山を臨む絶好の立地、ロビーから見る緑の庭園はさすがといったところ。料理は品数が多く、品のあるもので、鯰を紫蘇の葉で包んで揚げ、紫蘇の実と食べる香り揚げや鱸の煮付けなどには頬が緩んだ。
(2020 年 10 月)
※お気に入り度は湯使いや浴室の設えによるもので、客室や食事は評価対象外としています
◆源泉情報◆
源泉名:
泉質:規定泉 (メタケイ酸)
泉温:17.4℃
成分:pH9.1、溶存物質 291 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg)。
ナトリウムイオン | 58.3 (82.20) | 炭酸水素イオン | 122.5 (62.04) |
メタケイ酸 | 53.4 | 炭酸イオン | 24.0 (24.69) |
分析日:2014 年 12 月 24 日
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