※2019 年 7 月より休業しているとの情報があります。
米沢の市街から50分、田舎道を抜け、更に、山之神神社の辺りから沢沿いのオフロードを 20 分。山深い秘境にある温泉だ。かつては間欠泉の周りに造られた野湯だったそうだが、今では立派な宿泊施設となっている。下手は捨てられた湯の成分が堆積し、地面が金茶色に染まっている。
愛想のない亭主に料金を払い、浴室へ。源泉はぬるめとのことで、内湯はやや熱めに加温された湯が注がれていた (間欠泉とは別に常時湧出する別源泉がある?)。炭酸味、金気味のある湯で、赤茶色の細かい湯の花が舞い、懸濁しているが、湯底までみえる透明度はあった。
一方、露天は内湯と異なり黄金色に濁っている。湯舟の中の岩から間欠泉が噴出すようで、その間隔はまちまちとのこと。湯に浸かりしばし待つこと 40 分。なんの前触れもなく間欠泉が噴き出した。高温で圧がかかって噴き出してくるわけではなく、炭酸ガスによる圧のようだ。出てきたばかりの源泉は、透明で、シュワシュワしており、1 分ほど噴き出し続けた。お湯が出なくなってもしばらくはガスだけが出てきており、鼻を近づけると強烈な炭酸を感知した。恐らく、深く吸い込んだら失神するであろう。この後も、25 分後、更に、その 5 分後に噴出がみられた。露天の湯は、間欠泉の湯だけでなく、加温源泉も投入されているが、ぬるめでいつまでも入っていられる温度。黄土色の藻屑のような浮遊物がたくさんみられた。
空の青、木々の緑、黄金の湯と、まるでゴッホの絵のような色彩豊かな温泉であった。余談になるが、女将さんはとても気さくで感じよい人だった。
(2015 年 9 月)
◆源泉情報◆
源泉名:広河原源泉
泉質:ナトリウム・カルシウム-炭酸水素・塩化物泉
泉温:33.1℃
成分:pH6.8、溶存物質 3064 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。
ナトリウムイオン | 454.0 (48.98) | 炭酸水素イオン | 1562 (63.68) |
カルシウムイオン | 295.4 (36.56) | 塩化物イオン | 508.9 (35.70) |
マグネシウムイオン | 48.1 (9.82) | 臭素イオン | 2.0 (0.12) |
総鉄イオン | 6.1 (0.55) | メタケイ酸 | 120.4 |
マンガンイオン | 4.1 (0.37) | 遊離二酸化炭素 | 636.6 |
分析日:2009 年 12 月 25 日
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