西鎌倉小学校にて、今年度2回目の代表者会を開催しました。前回は初めて試験的にオンライン形式による参加を導入しましたが、今回は現在の新型コロナ感染状況を考慮し、オンライン形式と会場への来場を並列にご案内し、8名の方がオンライン形式による参加となりました。コロナ禍がきっかけではありますが、オンライン形式による参加が定着すれば、例えば幼いお子さんがいらっしゃる方や、足が悪くてご来場がなかなか困難な方なども参加しやすくなるのではないかと期待しています。
さて今回は、西鎌倉地区町内・自治会連合会会長の芹澤幸彦さんを講師として、「西鎌倉連合の再構築と西鎌みんなの家の活動の目的」についてお話をいただきました。芹澤さんは持ち前のリーダーシップを発揮して、昨年の会長就任以来、町内会、自治会活性化のために様々な取り組みを始めましたが、その動機と取り組みの内容について詳しくお話をいただきました。そういえば、それこそこの地域内でオンライン形式によるコミュニケーションが活発に行われるようになったのも、芹澤さんのご尽力といっても過言ではありません。
その芹澤さんが会長に就任し、各町内会、自治会にアンケートを取るなどして実態調査を行ったところ、一つの課題に行き当たりました。それは会の担い手不足。その理由の一つは、全国的に高齢化が進んでいますが、西鎌倉地域は全国平均よりもさらに高齢化が進行していること。一方で町内会等への参加は、仕事をリタイヤした「ヒマな人」が担うべきという風潮がありますが、年金や働き手不足の問題によりリタイヤできる年齢が徐々に引き延ばされています。
さらに会の役員は、くじやじゃんけんで「負けた人」が担い、任期1年を何とかやり過ごせばいいやと、最初からモチベーションが低いケースが多いことも課題といえます。
町内会等の活動は、大規模な災害時に効果を発揮します。例えば1995年阪神大震災の際、誰に救助活動をされたかというデータを見ると、報道で印象的な自衛隊等による救助は本当にごく一部で、実に約6割が近所の方のようです。しかし実際にその局面にならないとなかなかその重要性を認識できないのが現実です。
そこで芹澤さんは、防災や防犯の切り口で活動を始め、また若い世代が如何に会の活動に関心を持っていただくかが大事だと考えました。その一つの解決策がオンライン形式による会への参加、そして今重点的に取り組んでいるのは、「西鎌みんなの家」の運営に関わることです。
「西鎌みんなの家」とは、旧学童保育施設だった建物を、地域コミュニティ施設として再利用している施設ですが、コロナ禍の影響もあり使用料収入が減っていく一方でした。そこで芹澤さんたちが関わることにより、あらゆる世代にとって居心地のよいリラックススペースとして使えるように整備を始めました。例えばマッサージチェアを入れてみたり、グランドピアノの設置を進めたりしています。また広く市民に存在や取り組みを知ってもらおうと、活発に広報活動を行っています。
防災や防犯面では、電動車いす「ウィル」で走り回ることによって歩道の危険個所を洗い出し、社会福祉協議会と連携してマップ作りを始めました。またzoomを活用して先日オンライン防災訓練を実施し、防災倉庫内を案内する動画を配信したり、危険個所のチェックを行ったりしたようです。
こうして、地域活動の活性化のために様々な取り組みを仕掛ける芹澤さん。先日私もオンライン懇親会に少しだけ参加しましたが、若い世代の方々が地域活動に積極的に関わりつつある状況が伝わりました。ここ1年で蒔いた種がさっそく芽を出してきているようです。