西鎌発、地域ぐるみで教育を考える

西鎌倉地域において、家庭、学校、地域が交流し、連携して子どもたちの教育環境を考える「教育懇話会」の活動記録です。

寛容なまちをつくる

2017-11-18 20:27:36 | Weblog

平成29年度第2回の代表者会議は、七里ヶ丘こども若者支援研究所主宰の滝田衛さんをお迎えし、「教育支援の現場から見える鎌倉の子どもたち」というお題目で約1時間お話をいただきました。懇話会にお越しいただくのはこれで4度目ですが、毎年ほぼ全てのメンバーが入れ替わりますし、この地域のたくさんの方々に滝田さんのお話を聞いていただきたいので、ここのところ毎年お呼びしています。今回もステキなお話をしていただきました。

 

滝田さんのお話は、その内容もさることながら、いつもニコニコ、その人となりを見ているだけでいやされるような気がします。その滝田さんが、大人の姿勢として大切なことの一つは「寛容」、と紙に書いて掲げると、本当に説得力があります。

 

ではなぜ「寛容」な姿勢なのか。子どもたちの成長は、いや大人たちもだと思うのですが、一直線に右肩上がりに進んでいくということはなく、上がったり下がったり、その過程で凸凹しながら、長い目で見れば上に進んでいく、らせん状に昇っていくイメージです。上がっている時はともかく、下がって悩み、もがき苦しんでいる時、その状況を自分ごとのように受け入れ、それを大人の経験や価値観で諭すのではなく、寛容な姿勢で周りの大人がサポートすることが大切だということだと思います。例えば大人が子どもの勉強の様子を見て、大人のものさしで「こんなことも分からないの?」と言葉を発してしまったら、子どもは恥ずかしくて次質問しようという意欲が低くなり、自信もなくしていきます。なぜ分からないのか、「自分ごと」のように受け止めて応じてほしい、と滝田さんは説きます。

その言葉は、とくに現役子育て中のお母さんたちの胸に響いたようで、身近に不登校の子がいる方は、「なんでなんで」ではなく、その子の思いに共感して、包み込むようにサポートしていこう、という感想も耳にしました。

 

また、子どもたちをサポートするのは「親」だけではなく、地域の大人たち、という環境づくりが大切で、そうしていくためには、地域の大人たち同士が「お互いさま」と、頼り頼り合える関係を作っていくことを提案されていました。そうした関係を作っていくのは時間がかかりますけれども、西鎌倉地域は、先輩方や学校の先生方によりその土壌が作られていると思いますし、また懇話会が引き続きこうした場を地道に設けていき、その土壌をさらに豊かなものにしていきたいと思います。