MP3を買いました
さっそく嵐の曲をガンガン取り込んでごきげん
夜、寝る時にミント(11歳)が一曲聴きたいから貸してくれと言うので貸しましたよ。
「静かなのがいいな。これにしよう」と言いながらミントが選んだのはAll or Nothing・・・静か?
最後に「電源切った?」と確認もしました。
ところが朝、夫に見せびらかそうとしたら・・・バッテリー切れの表示が
一晩中、嵐の曲を流していたのね
聴こえなかったけど。
では主題歌は嵐の『Snowflake』でどうぞ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
妄想ドラマ 『Snowflake』 (5)
アルバイトに忙しい日々を送っていた悟は、美術部の顧問に呼び出された。
最近まったく顔を出していないので、そのことで何か言われるのだろうと思っていたが、
話は美術部のメンバーが応募した県の美術展に悟の絵が入選したというものだった。
自分でも納得のいく完成度だったので、それを認められたことが嬉しかった。
入選を一番喜んでくれたのは父親で、県立美術館に展示されると何度も見に行っているらしい。
展示期間がもうすぐ終わる12月の初め、夏葉にせかされて、悟も一緒に見に行くことにした。
展示室に入ると数点の入選作品が並び、その奥に優秀賞を取った2点が大賞作品を
はさんで展示されている。
悟は自分の絵が目に入ると、懐かしい人にあった時のように、嬉しいけど照れくさいような気分になった。
「悟の絵、熱心に見てる人がいるね」
一人の女性が腕組みをしたまま、優秀賞を取った悟の絵の前にじっと立っていた。
夏葉に引っ張られて近づくと、その人は悟に気がついて、嬉しくてたまらないといった感じで言った。
「大町悟、やっぱり君だったのね」
「知ってる人?」夏葉が聞いた。
「ひょっとして私のこと忘れちゃった?」
「覚えてるよ。映画館で・・・」
「やっぱり絵を描いてたのね。私の感ってけっこう当たるんだから」
それからまた絵を見て言った。
「いい絵だと思う。パワーがあふれていて将来性も感じるし、それになんといっても個人的に好き」
「ありがとうございます。私も彼の絵大好きなんです。だからそう言ってもらえると嬉しい」
黙っている悟に代わって夏葉が答えた。
「こちらの可愛い子は彼女?二人はデート中?」
二人を交互に見られて夏葉が恥ずかしそうに頷いた。
「私は栗原美冬、前に悟君に親切にしてもらったことがあるの。デートの邪魔して悪いんだけど、
場所を変えて少し話できない?もちろん彼女も一緒に」
3人は美術館に併設されたティールームに腰を下ろした。
「私はコーヒー、あなた達は?」
「オレンジジュースを」と夏葉が言った。
急になんだか自分たちがすごく子供に思えて、悟は珍しくコーヒーを頼んだ。
美冬の話は、美術館での展示が終わったら悟の絵を自分が任されているギャラリーにしばらく飾らせてほしいという申し出だった。
もちろん売るということではない。
まだ無名の新人を紹介するコーナーに悟の絵を展示したいということだった。
「俺みたいな高校生の絵でいいの?」
「年齢は関係ないの。その絵にパワーがあって魅力的ならね。悟君の絵は
引き込まれるような不思議な力を感じるの。うちのギャラリーにくるお客様にも見てもらって
何かを感じてほしいな。もちろん返事はおうちの方に相談してからでいいから」
「両親は喜ぶと思うからお願いします」
「そう、よかった。そのうち他の絵も見せてもらえない?すごく興味あるの私」
悟と美冬は携帯の電話番号を交換して美術館を後にした。
「悟すごいね。なんだか私までわくわくする。無名の新人かぁ・・・芸術家って感じ」
「バカ、まぐれで入選しただけだよ。これっきりかもしれないと俺は思ってる」
「綺麗な人だね。いつの間にギャラリーの人と知り合いになってたの?」
「この前、偶然会っただけ」
「映画館でって言ってたよね」
急に夏葉の声が沈んだ。
「悟ってやっぱり私には何も話してくれないのね。知ってるんだよ、嘘ついたの」
悟は何も言えず夏葉の手をにぎったまま、駅への道を歩いた。
息が白く見える。
もうすぐ雪がふりそうだ。
----------つづく--------

さっそく嵐の曲をガンガン取り込んでごきげん

夜、寝る時にミント(11歳)が一曲聴きたいから貸してくれと言うので貸しましたよ。
「静かなのがいいな。これにしよう」と言いながらミントが選んだのはAll or Nothing・・・静か?
最後に「電源切った?」と確認もしました。
ところが朝、夫に見せびらかそうとしたら・・・バッテリー切れの表示が

一晩中、嵐の曲を流していたのね

では主題歌は嵐の『Snowflake』でどうぞ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
妄想ドラマ 『Snowflake』 (5)
アルバイトに忙しい日々を送っていた悟は、美術部の顧問に呼び出された。
最近まったく顔を出していないので、そのことで何か言われるのだろうと思っていたが、
話は美術部のメンバーが応募した県の美術展に悟の絵が入選したというものだった。
自分でも納得のいく完成度だったので、それを認められたことが嬉しかった。
入選を一番喜んでくれたのは父親で、県立美術館に展示されると何度も見に行っているらしい。
展示期間がもうすぐ終わる12月の初め、夏葉にせかされて、悟も一緒に見に行くことにした。
展示室に入ると数点の入選作品が並び、その奥に優秀賞を取った2点が大賞作品を
はさんで展示されている。
悟は自分の絵が目に入ると、懐かしい人にあった時のように、嬉しいけど照れくさいような気分になった。
「悟の絵、熱心に見てる人がいるね」
一人の女性が腕組みをしたまま、優秀賞を取った悟の絵の前にじっと立っていた。
夏葉に引っ張られて近づくと、その人は悟に気がついて、嬉しくてたまらないといった感じで言った。
「大町悟、やっぱり君だったのね」
「知ってる人?」夏葉が聞いた。
「ひょっとして私のこと忘れちゃった?」
「覚えてるよ。映画館で・・・」
「やっぱり絵を描いてたのね。私の感ってけっこう当たるんだから」
それからまた絵を見て言った。
「いい絵だと思う。パワーがあふれていて将来性も感じるし、それになんといっても個人的に好き」
「ありがとうございます。私も彼の絵大好きなんです。だからそう言ってもらえると嬉しい」
黙っている悟に代わって夏葉が答えた。
「こちらの可愛い子は彼女?二人はデート中?」
二人を交互に見られて夏葉が恥ずかしそうに頷いた。
「私は栗原美冬、前に悟君に親切にしてもらったことがあるの。デートの邪魔して悪いんだけど、
場所を変えて少し話できない?もちろん彼女も一緒に」
3人は美術館に併設されたティールームに腰を下ろした。
「私はコーヒー、あなた達は?」
「オレンジジュースを」と夏葉が言った。
急になんだか自分たちがすごく子供に思えて、悟は珍しくコーヒーを頼んだ。
美冬の話は、美術館での展示が終わったら悟の絵を自分が任されているギャラリーにしばらく飾らせてほしいという申し出だった。
もちろん売るということではない。
まだ無名の新人を紹介するコーナーに悟の絵を展示したいということだった。
「俺みたいな高校生の絵でいいの?」
「年齢は関係ないの。その絵にパワーがあって魅力的ならね。悟君の絵は
引き込まれるような不思議な力を感じるの。うちのギャラリーにくるお客様にも見てもらって
何かを感じてほしいな。もちろん返事はおうちの方に相談してからでいいから」
「両親は喜ぶと思うからお願いします」
「そう、よかった。そのうち他の絵も見せてもらえない?すごく興味あるの私」
悟と美冬は携帯の電話番号を交換して美術館を後にした。
「悟すごいね。なんだか私までわくわくする。無名の新人かぁ・・・芸術家って感じ」
「バカ、まぐれで入選しただけだよ。これっきりかもしれないと俺は思ってる」
「綺麗な人だね。いつの間にギャラリーの人と知り合いになってたの?」
「この前、偶然会っただけ」
「映画館でって言ってたよね」
急に夏葉の声が沈んだ。
「悟ってやっぱり私には何も話してくれないのね。知ってるんだよ、嘘ついたの」
悟は何も言えず夏葉の手をにぎったまま、駅への道を歩いた。
息が白く見える。
もうすぐ雪がふりそうだ。
----------つづく--------