ムツ兄の、てげてげ人生日記

シマッチュ(奄美人)のムツ兄が、奄美での「テゲテゲ」(気まま)な暮しを記します。

光市母子殺害、元少年に死刑判決

2008年04月22日 17時00分00秒 | 時事問題
楢崎康英裁判長は「死刑を回避すべき事情は認められない」と述べ、無期懲役の1審・山口地裁判決を破棄、求刑通り死刑を言い渡した。元会社員側が差し戻し審で母子への殺意や強姦目的を否定する新たな供述を行ったことについて、楢崎裁判長は「死刑回避のための虚偽供述と言え、口にしたことで酌量すべき事情を見いだす術(すべ)がなくなった」と指摘した。元会社員側は上告した。

 元会社員側は1、2審で起訴事実を認めたが、差し戻し審では、弥生さんについて、「甘えたいとの気持ちから抱きついたら抵抗され、誤って死なせた」「生き返ってほしいとの気持ちから強姦した」、夕夏ちゃんについて、「首を絞めた認識がない」などと主張。

 楢崎裁判長は、その信用性を検討し、「起訴後、6年半以上経過してから新供述を始めたのは不自然」と指摘した。弥生さん殺害状況に関する元会社員側の主張を「遺体の状況と整合しない」と退け、強姦について「性的欲求を満たすためと推認するのが合理的。生き返るという発想は荒唐無けいで到底信用できない」と計画性を認定。夕夏ちゃん殺害の殺意を否定する供述の信用性も否定した。

 犯行について、「極めて短絡的、自己中心的で、結果は極めて重大」と指摘し、死刑を回避すべき事情があるかを検討。「被告人が犯行をどのように受け止め、自己のした行為についてどう考えているかが極めて重要」としたうえで、事実認定を争う差し戻し審での元会社員の態度について、「自分の犯した罪の深刻さと向き合うことを放棄し、死刑回避に懸命になっているだけで、遺族への謝罪は表面的。反省謝罪の態度とは程遠く、反社会性は増進した」とし、「18歳になって間もない少年であると考慮しても極刑はやむを得ない」と述べた。

 最高裁で無期懲役の2審判決が破棄された差し戻し審での死刑判決は、連続4人射殺事件の永山則夫・元死刑囚に対する87年の判決を含め戦後3件目。犯行当時、18歳だった元少年への死刑判決は、連続4人リンチ殺人事件に対する2005年の名古屋高裁判決(上告中)以来。

 広島高検の北村道夫次席検事は「先の最高裁判決からみても、妥当な判決」とのコメントを出した。

 ■光母子殺害事件

 1999年4月14日発生。4日後、元会社員が逮捕され、1、2審は「改善更生の可能性がないとはいえない」と無期懲役判決を言い渡したが、最高裁が2006年6月の上告審判決で「少年だったことは死刑回避の決定的事情とまでは言えない」と判断。「2審判決の量刑は甚だしく不当」として破棄し、審理を広島高裁に差し戻した。
(2008年4月22日 読売新聞)

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