
昔から、明らかにニセモノのドラえもんを見つけると誰かにシェアしたくてひとりはしゃいでいた。
どこかのショッピングセンターの屋上にひなびて佇む、コインで動くドラえもん(風の)遊具や、見知らぬ土地のお祭りのチョコバナナクレープと手書きで書かれた文字の横の下手くそなドラえもん(風の)イラストとか。
去年は高地の商店街だった。
書店の看板に、ドラえもんの大きなぬいぐるみ。でも本人も驚くほどの年月を看板息子として費やしてきたらしく、しわしわのブヨブヨになっていた。
そして昨日は台北の問屋街。
戦前から残る古い建築物と南国の木が混ざり合った街角に、彼はやっぱり、いた。

水色ドレスのマダムとお共に。
なぜ!!
店主は同じ水色ということでペアルックを意識したのだろうか。いやその前にマダムのつるっぱげの頭をどうにかしなさいよ。いや、待てよ。ドラえもんもスキンヘッド。つまり、二つの意味でのペアルック。お似合いの二人なんだね。
これでいいのか!
背中を流れる汗を感じながら思わずじっと見つめてしまった。
確かに、街を歩いていると、チャンツィーイーみたいなほっそーい美人の奥さんと、ジャイアンをさらに太らせてハンマーで潰したような男性のカップルを見かけたりする。台北でも、銀座でも。
ドラえもんの四次元ポケット並みのエネルギッシュな人柄、財力、権力人望を兼ね備えているのだろうななんて思ったりした。
さて、ガラスに映ったわたしの朱色のワンピース、一目惚れして買った。
これ、UNIQLOとアンダーカバーのKIDSなのです。なんと500円。

これは色違い。
この街の夜市の灯りみたいな、朱色の生地が気に入ってしまって!
そんなかんじ。
nina